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日本人がMLBの監督になる日。

 ニューヨーク・ヤンキースのベンチコーチから、同じ街のメッツの監督になったウィリー・ランドルフは、一見して分かる通りの黒人だ。ある時期までは、黒人監督が誕生するたびに「史上○人目」という惹句とともに紹介されたものだが、ランドルフが何人目にあたるのかは、よくわからない(ネット上で「MLB 黒人監督 ランドルフ」というキーワードで検索をかけると、「史上4人目」と書かれた共同通信のニュースが大量にヒットするが、MLBには今年だけで7人の黒人監督がいて、新任はランドルフだけだ。共同の記者はいったい何を数えたのだろう)。

 もはや、いちいち気にする人もいないほど、有色人種が監督を務めることは当たり前になったのだろう。今年の7人の中には、フェリペ・アルー(ジャイアンツ/ドミニカ)、トニー・ペーニャ(ロイヤルズ/ドミニカ)、オジー・ギーエン(ホワイトソックス/ベネズエラ)という3人のヒスパニックかつ非米国人も含まれている。MLB監督の座においては、もはや肌の壁も、国籍の壁も、存在していないと考えてよさそうだ。

 とはいうものの、将来もう一度だけ、MLBの新監督の肌の色や国籍が話題に上る機会が生まれるのではないかと思う。アジア出身者が監督になる時だ。
 これほどの人数が常にMLBでプレーしている以上、いずれ、日本人監督が生まれる日もやってくるはずだ。

 最初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンがドジャースでデビューしたのが1949年。フランク・ロビンソンがインディアンスで最初のMLB監督に就任したのは1975年。この間のタイムラグは26年間だ。ほぼ四半世紀。
 前史ともいうべきマッシー村上を別にすれば、日本人メジャーリーガーのはじまりは1995年の野茂英雄だ。ここから四半世紀を数えれば、今から15年後の2020年前後ということになる。

 MLBでは、監督は必ずしも名選手ではなく、専門職としてマイナーから叩き上げる職種だと言われる。実際、そのような監督も多いけれど、こと有色人種・非米国人の監督においては、そうとも言えない。上記の3人はいずれもオールスタークラスの選手だったし、フランク・ロビンソン(ナショナルズ)、ダスティ・ベイカー(カブス)、そしてランドルフも同様だ。私が現役時代に名前を聞いたことがないのは、ロイド・マクレンドン(パイレーツ)だけ。もしかすると、有色人種・非米国人の指導者が監督に選ばれるためには、指導者としての能力に加えて、現役時代の名声の後押しも必要なのかも知れない。

 だとすると、最初の日本人監督の候補者は、現在MLBでプレーしている選手たちの中から生まれる可能性が高い。彼らが今後、引退して指導者の道を歩み始めるとしたら、頂点であるメジャー監督までは、早くても10年前後はかかるだろう。上記の2020年という見込みとも、ほぼ一致する。
 まだ誰も引退して指導者になってさえいない現状で、誰が最初の監督になるのかを予想するのは、お遊びでしかない。ただ、プレースタイルやアメリカでの姿勢などを比較すると、あえて現在の選手の中から予想するならSo Taguchiを本命に推す。過去20年間のMLBで五指に入る名将トニー・ラルーサの下で学び、しかも高い評価を受けている。現役時代の名声は、ちょっと足りないかも知れないが。
 選手たちが活躍することだけでなく、監督やGMが誕生して、はじめて日本人がMLBに確固たる地位を築いたと言える。田口本人にその気があるかどうかは知らないが、私は勝手に期待している。

 松井秀喜? 確かに彼も名将に絶賛されている。難しい選手が大勢いるチームの中で人望も高い。ただ、彼はたぶん、引退後にはTOKYO GIANTSから監督を依頼されることになるだろう。老境の終身名誉監督から懇願されたら、今度は断れないのではないかな。

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