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待つ身はつらい。

 松井が加入してからの3年間、ヤンキースのシーズンオフは少しづつ長くなっている。1年目がワールドシリーズ出場。2年目がリーグチャンピオンシップ敗退、そして3年目はその前のプレーオフ敗退だ。原因を分析するのは空しい。昨年の今ごろ書いたことと、結局はほとんど同じ文言を連ねることになる。先発ローテーションが故障で全滅するという異常事態の中では、プレーオフまで駒を進めるのが精一杯だったということだろう。同時に、ここ数年の補強思想の限界を露呈したとも言える。
 アメリカン・リーグは、ホワイトソックスとエンジェルス、どちらが勝っても“スモール・ボール”を旨とするチームをワールドシリーズに送り込むことになる。ナショナル・リーグの本命カージナルスも、大艦巨砲を並べてはいるものの、田口が重用されていることでもわかるように、細かい野球をおそろかにはしないチームだ。
 そんな時代の流れの中で、次のシーズンのヤンキースには、ブレイクスルーが必要になる。たぶん、松井自身にも。そうでなければ、初年度のチームが最高で以後は瓦解する一方というイチローの二の舞いになりかねない。

 それはそれとして、松井がいい当たりをアースタッドに捕られたり、井口がヒーローになったり、大塚と田口が勝敗とはあまり関係のないところで黙々と役割を遂行したりしながら、MLBのプレーオフは着々と進行している。日本でも今日から千葉ロッテが福岡に乗り込んで、ソフトバンクと雌雄を決する(前夜のスポーツニュースで局アナに「目が離せませんね」などと言わせておきながら、民放テレビ局が例によって試合を中継しないことについての苦言は割愛。来年も繰り返すようなら、また文句をつけることになるだろうが)。

 日本で日常的にテレビ中継されている4つのリーグのうち、3つまではプレーオフが白熱している。その間、セントラル・リーグの優勝チーム、阪神タイガースは何をしているのだろう。公式サイトのスケジュール欄は、日本シリーズまで空白のままだ。親会社の株式をめぐる戦いは白熱しているようだが、チームに直接の関係はない。
 セ・リーグはこのオフから検討委員会を作り、2007年からのプレーオフ導入を目指すのだそうだ。来年から実施しないことに何か理由があるのかどうかは知らない。検討するのに、なぜ一冬で足りないのだろう。今年はストも合併もないのだから、そんなに忙しいとも思えないのだが。

 経営上の事情は別にして、この非対称は、野球の勝負そのものにも影響を及ぼす可能性がある。
 現行方式が初めて導入された昨年、北海道日本ハムと西武の勝敗が決するのを待っていた福岡ダイエーと、パのプレーオフが終わるのを待っていた中日は、いずれもその次の戦いに敗れた。巌流島の決闘の例を引くまでもなく、待たされた方が不利という結果が出ている。
 昨年の苦い教訓を生かして、ソフトバンクは今年、プレーオフ第一ステージの間も練習試合を重ねてきたという。阪神はどうだろうか。三谷幸喜の芝居『巌流島』では、待たされるのを嫌った佐々木小次郎が、宮本武蔵を旅籠まで迎えに行ってしまうのだが、まさか阪神ナインが福岡に乗り込むわけにもいくまい(考えることが荒唐無稽になっているのは、たぶん『アストロ球団』の最終回を見たばかりだからだ)。

 もし今年の日本シリーズで昨年と同じ結果が出てしまったら、それでもセはプレーオフ2007年導入の方針を見直すことがないのだろうか。ないのだろうな。
 

追記)
「片方のチームが(試合を)待ってることがないようにしてもらいたい。極端な話をするなら4位チームを引き込んだりしてね。2週間待ってはコンディション的に難しい。敗軍の将は兵を語らずと言うが、あえて言わせてもらう」
プレーオフ第2ステージに敗れ、2年続けてレギュラーシーズンを1位で終えながら優勝を逃したソフトバンク(旧福岡ダイエー)ホークスの王貞治監督は、試合後にこう語った。(2005.10.17)

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