その試合に懸かっているものの重さ。
最終戦にして初めての安打に、一塁ベースを回る前から吠える松中。
抜ければ同点になる打球を左翼手に好捕され、一塁ベースの上にへたりこんで動けない西岡。
マスク越しにも目が吊り上がっているのがわかる的場。
捕球する三塁手に激突して同点の走者を出してしまい、足をひきずりながら定位置に戻る川崎。
次打者のライナー性の右前打に辛くも二塁に滑り込んだ後、戦国武将が武具を調えるような風情でユニホームの裾を直す初芝。
勝ち越しのホームに滑り込んだ、そのままの体勢でレフトスタンドに振り返り両拳を振り上げる福浦。
中前打が本塁送球される間に二塁を陥れ、興奮するベニー。
わきあがる昂りを抑え、懸命に自分を信じようとする小林雅英。
試合が終わると、目を真っ赤に見開き、鳥の嘴のように唇を尖らせて、一切の表情を失ってしまった王監督。
タオルで顔を覆う的場の背後に松葉杖をついて近寄り、肩に手を置く城島。
この3試合、どんなに凡退を繰り返しても表情を変えなかったのに、胴上げの後で泣きじゃくっていたサブロー。
パシフィック・リーグのプレーオフ第2ステージ最終戦を見終えた今、脳裏に焼き付いているのは、プレーというよりも選手たちひとりひとりの姿だ。
大の男たちがこれほどまでに何もかもかなぐり捨てて、なりふり構わず勝利を目指す試合を見たのは、いつ以来だろう。
中日の落合監督が、パのプレーオフ制度を批判したという。
「大反対です。何のためのペナントレースなのか」「100試合以上やって数試合で運命が決まるのはおかしい」
落合の理屈は、いつもの通り正しい。
レギュラーシーズンの136試合と、プレーオフの7試合。数字の上では比較にならないかも知れない。
だが、プレーオフの1試合1試合には、それぞれがレギュラーシーズンの5試合にも10試合にも匹敵する重みがある。戦った選手たちにとっても、球場に詰めかけたサポーターたちにとっても、単なる見物人にとっても、それが実感だろうと思う。
プレーオフの緊迫感は、おそらくは、失うものの大きさから来ているのだろうと思う。
このシリーズに敗れたら、このシーズンのすべてがふいになってしまう。
日本シリーズなら、負けてもリーグ優勝が残る。シリーズ自体が優勝のご褒美のようなものでもある。
だが、プレーオフに負けたら何も残らない。それは、昨年のレギュラーシーズンを1位で終えながらリーグ優勝を逃したホークスのスタッフと選手たちが、誰よりもよく知っている。
だからこそプレーオフはこれほどまでに緊迫し、試合は白熱する。
ある意味で、これは人工的に演出された難関であり、残酷な見世物とも言えよう。それを見て喜んでいる見物人もまた、酷薄な生き物なのかも知れない。
それでもこの催しを私が肯定するのは、この演出された重圧が、選手たちのプレーのひとつひとつを、より高いレベルに押し上げているからだ。シーズン中にはありえないような重圧を克服して、殊勲打を放ち、あるいは打者を葬った経験は、おそらくは彼らの野球人生の中でも、もっとも光り輝く記憶となって残るのではないだろうか。
そこで行われる試合そのものが、戦った選手たちにとっても、彼らを支えたサポーターにとっても、たまたまテレビの前にいた見物人にとってさえも、忘れられない輝きを放つものであり続ける限り、私はこのプレーオフ制度を支持する。落合が何と言おうが知ったことではない。
プロスポーツにとって、「いい試合を見せること」以上に大事なことなどあるものか。
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コメント
しびれる試合でした。
>次打者のライナー性の右前打に辛くも二塁に滑り込んだ後、戦国武将が武具を調えるような風情でユニホームの裾を直す初芝
その表現がぴったりです。武将の風格を感じました。ぼてぼての内野ゴロで出塁した人とは思えません(笑)。
>プロスポーツにとって、「いい試合を見せること」以上に大事なことなどあるものか
ほんとにそうです。ホークスのことを考えると辛いのですが、ほんとうにプレーオフに入ってからの試合はどれも見応えがありました。セリーグも導入すれば秋には心底面白い試合が見られるのに、もったいない。
スポーツに限らず、芸術でも人生を賭けているものは凄みがあるおもしろさがありますね。プレーオフのおもしろさはおっしゃるように「失うものの大きさ」なんでしょうね。
投稿: 富井と松 | 2005/10/18 00:33
会社を早めに抜けて5試合目のマリンのPV、楽しんできました。
本当にしびれました。本当はヤフードームで見たかったのですが、マリンのマリサポもすごく熱かったです。少数派のソフトバンクファンも優勝決定後もスタジアムに残ってくれ、最後にエールをもらいました。ありがとうございます。
何もかも最高でした。ソフトバンクも城島を欠き、松中の不振でがけっぷちまで追い込まれながら最終戦まで粘りました。王監督も要所要所で審判の判定に対して確認し、それが結果的に流れを呼び込むことになりました。
本当に勝敗の差を分けたのはお互いわずかなミスからで、正直日本シリーズよりずっと面白いような気がします(まだ見ていないので何ともいえないのですけど)。こんなに面白い野球を見れた一年だったのは、やはり楽天に感謝です(+ホリエモン)。球団が減っていたらプレーオフも違った形になっていたでしょうし、千葉ロッテも西武と合併していた可能性もあります。
うれしいことにテレビ東京が日本シリーズの第2戦を放映することになったようです。こういう非常に価値のある放送をやってくれたテレビ東京には本当に感謝です。
そして最高の試合を見せてくれた両チームの選手、チームスタッフ、ファンに感謝です。
マリンの日本シリーズは1試合だけでも何とかして見に行きます。
投稿: エムナカ | 2005/10/18 00:50
>富井と松さん
やりましたね。私は会社で見ていたのですが、社内にはそれぞれのファンが若干名づついたようで、どちらかが点を取るたびに、廊下のどこかからぱらぱらと拍手と歓声が聞こえてきました(笑)。
>武将の風格を感じました。ぼてぼての内野ゴロで出塁した人とは思えません(笑)。
初芝が出てきたことで雰囲気がちょっと変わりましたよね。そして、あのサードゴロで川崎からツキが逃げていった、という気がしました。その直前、早坂にヒット性の当たりを取られたことで気合が高まりすぎていたのかも。彼が最後の打者になった巡り合わせも、どこか予定調和的でした。
>ホークスのことを考えると辛いのですが、
本来なら3連覇しているチームですからね。小久保が抜け、井口が抜け、プレーオフでは城島まで欠きながらこんなに強いのに、優勝には手が届かない。福岡にとっては理不尽な制度としか言いようがありません。試合終了直後の王監督の表情は、見ているのが辛かった。
レギュレーションそのものには再考の余地があるでしょうし、たぶんこのオフにはそういう話も持ち上がるでしょう。
>エムナカさん
雨の中、お疲れさまでした。行った甲斐がありましたね。
>マリンの日本シリーズは1試合だけでも何とかして見に行きます。
今年はチケット取るのは困難だろうなあ。私も見たいと思う反面、サポーターを差し置いて見物人が席を取るのはいかがなものか、という遠慮も感じています。去年のようにそこそこ空席のある試合なら何の痛痒も感じないのですが(笑)。
投稿: 念仏の鉄 | 2005/10/18 07:56
念仏の鉄さんの「見物人の論理」にたいして、落合は「野球職人の論理」というところでしょうか。我らが落合監督の「野球職人の論理」の肩を持ちたいところではありますが、テレビに釘づけになってしまった身としては「見物人の論理」も否定しがたいものがあります(笑)「論理」と「論理」による建設的な話し合いによる新制度ができることを切に願いつつも、どちらの論理からも離れたよくわからないところで決まるのではないかと心配です。
ホークスが敗れた後「ホークスは去年の経験でリーグ1位通過の不利を知っているのに、なぜ2位以上が確定したあとリーグ戦で手を抜かなかったんだ。終盤のロッテとの直接対決では手のうちの隠すべきだった。城島も休ませていれば怪我もしなかったはずだ」という批判がありました。おそらく野村克也であればそういうことをやったでしょう(1973年の南海のように)。
というわけで、ここ2年間のリーグ戦でもっとも多くの勝ち星を稼いだチームの監督が王貞治だったということは、パのプレーオフにとって幸いだったなと。いろいろ思うところはありながら制度への不満喋らず、リーグ戦においてもプレーオフに向けて余計な小細工をせず愚直に勝ちにこだわった。そのおかげでファンも純粋にプレーオフを楽しめたという面もあるだろうと思うのです。
しかしいつまでも特定の個人やチームに犠牲を迫ることで機能するような制度はとうてい長続きしませんから、オフには制度改革は必須だろうと思います。冒頭の繰り返しになりますが、建設的な議論が行われることを切に望みます。
投稿: E-Sasaki | 2005/10/18 12:53
> E-Sasakiさん
まったく同感です。
このプレーオフ制度が存続しているのは、ひとえに王さんの苛烈なまでの自制心のおかげといってよいと思います。理不尽な仕打ちが反復されて、ようやく口にしたのは「片方だけが待たされるのはやめにしてほしい」。これが、王さんが自身に許したギリギリの線なのでしょう。
それだけに、パの偉いさんたちは、おろそかにせず、重みをもってこの発言を受け止めて欲しいと思います。
落合発言は、あれはあれで正しいと思います。王さんが言えないからこそ自分が言うのだ、という計算も、当然ながら彼の中では働いていることでしょう。
投稿: 念仏の鉄 | 2005/10/19 00:21
真券がまだ手元にないので実感がないのですが、一般向けでなく、某チケット販売会社の登録無料のネット会員向け先行販売で日本シリーズのチケット千葉マリン分全部買えてしまいました。私は内野席観戦組なのでかなり普段より高めの価格設定が競争率を下げたのかも知れませんが・・・。
それはそうと楽天から今日届いたオンラインモールのメルマガのひとつが、ロッテ優勝セールの案内でした。この節操のなさが三木谷さんのキャラなのかも(もちろんモールの中にはロッテと関係の深いところもあるあるので、逆にモールの業者、もしくは部下からボトムアップの可能性もありますけど)。
プレーオフの改革はおそらく何らかの見直しが行われると思います。今日の報知の紙面で王さんがついに制度に対する不満を表明し「4位を巻き込んでもよいので、1位チームが待たされることが無いようにしてほしい」とのコメントをしています。
それはセリーグ側のコンディション維持の問題も合わせて、やはりセパで同様のシステムをとるのがよいと思います。阪神に至っては優勝決定から3週間後ですからね。オープン戦から開幕に持って行くときより間隔があくのはやはり問題でしょう。
投稿: エムナカ | 2005/10/19 00:22
まずはロッテの優勝には心から拍手を送りたいです。本当におめでとうございます。これでナビスコと日本シリーズで2つの「大阪VS千葉」の頂上決戦が繰り広げられます。楽しみになってきました。
>プレーオフの緊迫感は、おそらくは、失うものの大きさから来ているのだろうと思う。
夏に甲子園で球児達を見ていて、全く同じことを感じました。プロ野球の普段の試合とこの両者の最大の違いがまさにそれだと思います。そして「それ」がスポーツの魅力としてとても大きなものであるということでしょう。
ただそれを踏まえると、私はプレーオフ改革は必要だと思うのですが、そもそもプレーオフ自体、普段のプロ野球における魅力の欠如から来た制度であることを忘れないで欲しいと思っています。私もプレーオフは容認派ではありますが、一方で世間で「普段百数十試合もあるプロ野球の魅力をどうやって上げるか」という根本の議論がないがしろにされていることにかなりの危機感があります(「魅力がない」という話は聞き飽きましたが…)。プレーオフにあまりに捕らわれすぎると、プレーオフは満足に行なわれても、それこそ普段の百数十試合が本当に「長すぎる前座」に過ぎなくなる、そういう側面には野球関係者は敏感になって欲しいです。本来ならまず魅力がなければならないのは「通常のプロ野球」であるはずですから。交流戦を含めて、プレーオフまでトータルでの議論をお願いしたいです。
投稿: アルヴァロ | 2005/10/19 00:57
>エムナカさん
>日本シリーズのチケット千葉マリン分全部買えてしまいました。
それはそれは。頑張って応援してきてください。
>プレーオフの改革はおそらく何らかの見直しが行われると思います。
実は、王監督の悩みを解消するための、もっともシンプルな方法は、ステージ間の間隔を最小限に縮めることではないかと思います。
まずリーグ戦の最終日を定め、全チームが一斉にシーズンを終えるようにします。すると、現行制度のままでも、以下の日程が可能になります。
0日目 リーグ最終日
1日目 プレーオフ開催準備
2日目 第1ステージ第1戦
3日目 第1ステージ第2戦
4日目 第1ステージ第3戦
5日目 第2ステージ第1戦(以下略)
今年のソフトバンクには13日もの空白がありましたが、これなら1位チームが試合をしないのは4日間だけ。さして不利にならないのでは。逆に、このタイトな日程は、第1ステージから勝ち上がるチームにとってのハンデにもなります(初戦から連勝すれば4日目は休めます)。
シーズン最終日にプレーオフ進出チームが決まる場合もありますが、MLBではリーグ最終戦から中1日でプレーオフが始まっているので、技術的には可能なはずです。チケット販売やテレビ放映など営業・制作上の技術的課題をどう解決しているのか、MLBに教わって参考にすればよいでしょう。リーグ戦終了時点で第2ステージの会場は確定するので、第1ステージと第2ステージの間に準備日を設ける必要はありません。
笑っちゃうくらい単純なアイデアですが、実はこれで日程問題の大半は解決するような気がします。リーグ戦が終わってからプレーオフが始まるまで一週間以上も空ける必要はないでしょう。
投稿: 念仏の鉄 | 2005/10/19 01:46
>アルヴァロさん
>私もプレーオフは容認派ではありますが、一方で世間で「普段百数十試合もあるプロ野球の魅力をどうやって上げるか」という根本の議論がないがしろにされていることにかなりの危機感があります
アテネ五輪予選の後に、同じような議論がありましたね。「こういう試合をいつも見せてくれればいいのに」と言われた選手たちは、「こんな試合を毎日やったら死んでしまう」と口を揃えていました。それはそうでしょうね(笑)。
例えていえば、家で毎日食べる食事と、年に一度のハレの日のご馳走との違いをしっかり認識した上で、毎日の食事はどうあるべきかを考えることが大事なのでしょう。
今年については、「毎日の食事」をきちんと充実させてきた2チームが最後まで残ったという点でも、あるべき結果であったように思います。
投稿: 念仏の鉄 | 2005/10/19 09:13
>アルヴァロさん
>世間で「普段百数十試合もあるプロ野球の魅力をどうやって上げるか」という根本の議論がないがしろにされていることにかなりの危機感があります
全く同感です。
レギュラーシーズンの試合は、鉄さんの仰る通り、プレーオフと背負っているものが違うので緊迫感は比べるべくもないでしょう。それでも、いいプレーを沢山観ることができるのなら、私は満足して球場から帰ります。
いいプレーを生みだす力として大切なものは、選手の経営者意識だと思います。つまり、より良いサービス(プレー)を提供すれば、お客さんが喜ぶ。お客さんが喜べば、また球場へ足を運んでくれる。そうなれば球団收入が増える。球団收入が増えれば、自分の良いプレーも高く評価され、自分の収入が増える……といった流れを常に意識することがプロとして大切なのではないかと思います。
試合の途中、守備位置でゴルフスイングなんかしている選手は最低野郎だと思いますね。
プレーというコンテンツ以外では、球団が企画する球場内でのサービスやファンの応援などがひとつになって醸し出す球場の雰囲気も、人を球場に引き寄せ、試合を盛り上げ、そしてその内容を濃くするためのとても大切なコンテンツだと私は思っています。
本題から離れてしまいました。すみません。
>鉄さん
>プロスポーツにとって、「いい試合を見せること」以上に大事なことなどあるものか
その通り !! よくぞ言ってくれました。ホークスには気の毒ですが、この確かに酷薄としか表わしようのないプレーオフはもの凄く面白かったし、パのレギュラーシーズンもプレーオフ導入前より面白くなったと思います。私は欲張りですので、やっぱり3位まで含めて二つのステージが観たいですね。
今のホークスは両リーグ最強だと私は認めています。(そんなことを言っても何の足しにもならないでしょうが。)泣くな、ホークス。いつの日か、2位や3位になってプレーオフの恩恵に与る日は絶対やってくるはずだ(変な慰め方ですみません。)
プレーオフのさらなるレギュレーションの変更については、避けては通れない問題ですね。3位のハンデまで考えた日程は良いアイディアだと思います。
投稿: 考える木 | 2005/10/20 19:24
>考える木さん
>いいプレーを生みだす力として大切なものは、選手の経営者意識だと思います。
球団の収入と選手への報酬との因果関係を、きちんと数字で根拠を示して選手に説明していた球団は、おそらくないと思います。丼勘定かつ恣意的な説明ばかりがなされてきたことが、考える木さんがおっしゃる「経営者意識」が選手に育たなかった一因なのでしょうね。
>プレーというコンテンツ以外では、球団が企画する球場内でのサービスやファンの応援などがひとつになって醸し出す球場の雰囲気も、人を球場に引き寄せ、試合を盛り上げ、そしてその内容を濃くするためのとても大切なコンテンツだと私は思っています。
千葉ロッテにおいては、グラウンド内外の努力が好循環の相互作用を生み出しています。楽天イーグルスにおけるグラウンド外の工夫の充実が、今後、グラウンド内への好影響を生みだせるのかどうか、注目しています。
>プレーオフのさらなるレギュレーションの変更については、避けては通れない問題ですね。
2年目終了時に見直し、というのがパの既定方針ですから、今度こそ衆知を絞り尽くしてもらいたいですね。
投稿: 念仏の鉄 | 2005/10/21 10:31
10月15日に天にも昇る歓喜を経験し、10月17日には悲嘆のどん底にいたホークスファンです。しかし、この神話的とも言うべき熱戦を見せていただいた野球ファンとしては、選手・監督には感謝と尊敬の念以外の気持ちは持ち得ません。第5戦は、まさに「神々の闘い」でした。我らは人身にしてこのような試合を見ることができた幸運を喜ぶべきなのでしょう。
ただひとつ、パ・リーグ事務局には言いたい!
E-Sasakiさんご指摘のとおり、現行の「1位不利」プレーオフ制度は、「2位ねらい」への誘因を多分に持つ非常に危険なものです。
・2位以上確定の時点でリーグ戦の手を抜く。
・終盤のロッテとの直接対決では手のうちを隠す。
・城島も休ませていれば怪我もしなかった(嗚呼、なんとホークスファンの肺腑を剔るお言葉!)
これらの行為は、「片八百長」であり、敗退行為として厳しく指弾されるべきことです。リーグ戦の試合の質を著しく低下させる行為であり、決して許されるべきではありません。そういう「悪魔の誘惑」に屈しなかった王監督を私は心から尊敬しますし、ボビー・バレンタインも決してそんなことしない人だとは思いますが、野村ならするよなぁ(昔やってるし)。
私の提案は、「1位チームには1勝のアドバンテージ」という単純なものです。この2年の経験からいって、最初に1敗したからといって負けたチームがやる気を失うということはありません。とにかく、現行プレーオフ制度は2位チームに「2位のほうがいいや」と思わせるという点でたいへん危険です。2位が1位を必死で取りに行くというインセンティブを与えないと、「いい試合を見せる」というプロスポーツの本義を損なうことになります。
投稿: 馬場伸一 | 2005/10/26 10:12
>馬場伸一さん
書き込みありがとうございます。ホークスファンの方が、
>この神話的とも言うべき熱戦を見せていただいた野球ファンとしては、選手・監督には感謝と尊敬の念以外の気持ちは持ち得ません。
とおっしゃるのは尊いことだと思います。
>2位が1位を必死で取りに行くというインセンティブを与えないと、「いい試合を見せる」というプロスポーツの本義を損なうことになります。
おっしゃる通りで、レギュラーシーズンの試合がつまらなくなっては本末転倒。また、必死のレギュラーシーズンの末に行われてこそ、プレーオフに価値が出てくるのだと思います。
ご推奨の「1位に1勝」という案は、プレーオフ導入当初にはたぶん受け入れられなかったと思いますが(昨年オフにホークスが提案していたような記憶もあります。確証はないですが)、今ならば関係者もファンも納得する可能性が高いですね。
投稿: 念仏の鉄 | 2005/10/26 13:55
おすぎさんがラジオで熱くプレーオフのことを語っております。
文化放送「マイクサイドボクシング」
http://www.joqr.co.jp/yaruman/micside.html
もらい泣きいたしました。(T_T)
これが、ホークスファンの偽らざる気持ちであります。
日本シリーズは、ロッテが阪神を4タテ。私たちにしてみれば「当然の結果」と感じています。あのプレーオフの死闘を通じてロッテは鍛えられ、強くなった。そして日本シリーズのこの結果が、制度改革論議にどう影響するか、注目しています。
投稿: 馬場伸一 | 2005/10/26 22:16
ホークスファンの馬場です。
2005年秋、涙にくれながらこのエントリにたどりつき、とてもとても癒されました。
今年、ホークスがクライマックスを突破して日本一を達成し、ひとつの物語が完結いたしました。
クライマックスで代打満塁ホームランを打った松中選手の「ぼくから始まったような…」というヒーローインタビューコメントには、深い思いが籠もっておりました。
素晴らしい文章を読ませていただき、ありがとうございました。このエントリのことは、多くの鷹ファンに語り継いでいこうと思っています。
投稿: 馬場 | 2011/11/25 12:22
>馬場さん
ご無沙汰しました。
本当に、ようやく手が届いた日本シリーズ、やっと勝ち取った日本一でしたね。風評通りに和田と杉内と川崎がFAで出て行くのとすれば、当時のチームの骨格が残っているうちに、ぎりぎり間に合った、という感じもします。
久しぶりに読み返したら、我ながら熱い文章ですね(笑)。試合の熱さが乗り移ったということなのでしょう。読んでいると、当時の試合の強烈なテンションを思い出します。いまだにあの時の王監督の表情は忘れられません。
しかし、ここのコメント欄で論じていた「首位が待たされる問題」、今年は震災でスタートが遅れたこともあってか、例年よりタイトなスケジュールでした。やればできるのだから、来年以降もこのくらいで進めればよいと思います。1勝のアドバンテージも定着しましたね。
投稿: 念仏の鉄 | 2011/11/29 01:52