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Jリーグにアジア選手がもっと増えたらいいのに。

 代表の試合の後にはとにかく問題点を指摘しなければ気が済まないらしいセルジオ越後は(ジーコの監督就任からしばらくは、あらゆる問題点に目をつぶってジーコを称賛していたという印象があるのだが)、最近では「Jリーグは日本人選手が保護されているからレベルが低い。外国人枠を撤廃して一流の外国人選手と競争させるべきだ」という主張をさまざまなメディアで展開している(たとえばこちら)。

 原則論としてはもっともだと思う。
 先週発売されたサッカーマガジン10/17号は[完全保存版]と銘打って「まるごとJリーグ」という特集を組み、93年以来のJリーグの歴史を徹底的に振り返っている。J各クラブの各年度の典型的なスターティングメンバーが紹介されており、昔は世界の一流選手が日本にいたのだな、としみじみと思う。
 開幕時にはジーコ、リネカー、ストイコビッチ、ラモン・ディアス。スキラッチ、ストイチコフらワールドカップの得点王。ストイコビッチ、ファネンブルク、ブッフバルト、ハシェックら欧州の一流選手。94年ワールドカップに優勝したブラジル代表からは、レオナルド、ジョルジーニョ、ジーニョ、ドゥンガ、ジウマール、後にはベベットまで来日した。カレッカもいた。韓国からもホン・ミョンボ、ファン・ソンホン、ユン・サンチョル、アン・ジョンファンら代表の主力選手がやってきた。
 こういう選手たちの技量やプロ意識が、同じチームの、あるいは対戦相手の日本人選手たちのレベルを引き上げることに寄与したのは間違いない。

 だが、一部の例外を除けば、こういう世界的名声を博した超一流選手が日本に来たのは、90年代半ばすぎまでの数年間に過ぎない。
 流れが途切れた理由は、大きくふたつあると思う。

 ひとつは、日本経済とJリーグ、ふたつのバブルの崩壊。
 日本サッカー協会がプロリーグ構想をぶちあげ参加チームを募ったのは、日本経済が空前の好況を謳歌していた80年代後半だった。日本を代表する大企業が次々と名乗りを上げ、自社チームをプロ化していった。誕生するプロリーグ、プロチームの集客の目玉として、各チームは世界的スターを招聘した。
 開幕と同時にJリーグは爆発的な人気を博し、普通のリーグ戦でさえチケットの入手は困難だった(こんな話、10代の人には想像つかないかも知れないが)。
 しかし、その人気は数年のうちに急降下してしまう。初期のスタジアムを埋めていた、流行りモノの好きな若い男女たちは、何か別に興味の対象を見つけたのだろう。
 時を同じくして、Jリーグだけでなく、日本経済全体が傾きはじめ*、親会社が持ち出しでクラブ経営を支えるというわけにはいかなくなる。要するに、国際的スターに高額年俸を払うだけの財力を、各クラブは失っていった。

 もうひとつはサッカー選手の市場価格の国際的高騰だ。
 Jリーグが開幕したころには、世界的スターといえども、さほど高額の収入を得ていたわけではなかった。具体的な数字が手許にないのだが、Jリーグ草創期の選手たちの年俸も、せいぜい数億という単位だったと記憶している。そのくらいでも、彼らが欧州リーグで手にするよりも大きな金額だったから、彼らは日本に来たのだろう。
 だが、ボスマン判決とテレビマネーが状況を一変させた。選手自身が手にする年俸はそう無茶苦茶に増えたわけではないかも知れないが、移籍金は数十億という単位が珍しくなくなった。そうなると、もはや彼らは大金を稼ぐために日本くんだりまで来る必要もない。

 かくしてJリーグにやってくる外国人は、代表には縁の薄いブラジル人や、比較的年俸の安い東欧の選手、あるいは、まだ無名だが将来性のある若い南米や韓国の選手が多くなってきた。
 もちろん、そういう中にも優れた選手はいる。だが、何年もチームの顔として活躍し、チームのみならずリーグ全体のレベルを引き上げるような強烈な力を持った選手はなかなか現れないし、現れたとしても、すぐに欧州に連れていかれてしまうだろう(欧州ではなかったがカタールに連れていかれたエメルソンのように)。

 実際のところ、在籍する外国人選手が常に制限枠一杯に出場しているクラブが、どれだけあるだろうか。上述のサッカーマガジンには各クラブの今年の典型的スタメン図も記されているが、外国人が2人または1人というクラブも珍しくない。
 現有枠ですら使いきれていない現状では、枠を撤廃しても競争が激しくなるとは思えない。セルジオ越後の主張は絵に描いた餅に過ぎない。

 とはいうものの、セルジオの指摘は、それ自体は間違っていない。
 彼が主張する「外国人選手を増やして競争を激化させる」ために、ひとつ可能性があるとしたら、アジア地域の開拓ではないかと思う。韓国と北朝鮮の選手は今も何人か在籍しているが、それ以外にアジアの選手はJリーグにはいない(と思う。違ったらすみません)。
 だが、ワールドカップ等のアジア予選での試合を見ればわかるように、東アジアや東南アジアのレベルは、ここ10年くらいの間にずいぶん上がっている。国全体ではまだまだ日本とかなり差があるだろうけれど、各国のトップクラスの選手ならJリーグで通用するかも知れない。中国あたりには、粗削りだけれど素質の高い選手もいることだろう。そういう選手を発掘してみたら面白いのではないかと思う。物価水準を考えれば年俸も日本人並みでよいだろうし。

 アジアのトップレベルの選手たちにとっても、いきなり欧州に行くのは難しくても、Jリーグで活躍すれば世界の代理人の目にとまる可能性は高くなる。食べ物や生活スタイル、気候も欧州に比べれば差が小さい。世界へのステップとしてJリーグはなかなか手頃なのではないかと思う。ちょうど南米やアフリカの選手がオランダリーグを足がかりに英西伊独のビッグクラブへ飛躍していくように。
 (個人能力としてはアラブ地域の選手の方がレベルが高いのだろうが、カルチャーギャップの大きさを考えると難しい面が強いように思う。イランのサッカー選手がどの程度イスラムの戒律を守っているのかはよく知らないが、遠征に行く先々でイスラム食を手配するのは容易ではなさそうだ)

 この案にどの程度の現実性があるのか、アジアにそれだけの力のある選手がいるのかどうかという肝心のところはよくわからないのだが、もし実現したら確実にプラスになるのは、アジア地域へのマーケティング展開だ。
 日本のサッカー選手が欧州のクラブに入った時、あるいは日本の野球選手がMLBに入った時、日本のバスケット選手がNBAに入った時の状況を考えてみればよい。その通りのことが、その選手の出身国で起こるのではないだろうか。例えばシンガポールのスター選手が浦和レッズに入ってレギュラーになったら、きっとシンガポールのテレビでは浦和のリーグ戦が生中継され、その選手の背番号が入った浦和のユニホームが飛ぶように売れるのではないだろうか。田中達也や小野伸二も人気が出るかも知れない。オフシーズンにシンガポールに遠征して、その選手の出身チームと試合をすれば、それもまた注目を集めることだろう。

 適当にシンガポールを例にしてみたが、タイでもマレーシアでも同じようなことになるのではないだろうか。日本代表はアラブより東側のアジア地域では結構人気があるらしい。ブータンの人に「小野伸二は人気がある」と聞いたことがあるし、遠征した時にも日本人選手がサインをねだられたり声援を受ける風景をテレビで目にすることがある。
 なにもアジアツアーをマンチェスターユナイテッドやレアルマドリードあたりに独占させておくことはないのだ。Jクラブにだって小規模ながら似たことはできるのではないだろうか。市場としては決して馬鹿にできない。国内でテレビ中継してくれないのなら、放映権を外国に売るくらいの発想があってもいいと思う。

 こんなふうに書くと結局金もうけの話かということになりそうだが、この思いつきには、それだけにとどまらない付加価値はある。それらの試みが、アジア諸国のレベルアップや結びつきの強化につながれば、JリーグやJFAにとってもよいことだろう。
 近年、日本のクラブはACLでなかなか勝てないが、それは、ふだんはアジアに見向きもせず、そういう時に突然試合に行くだけで、情報(体感情報も含む)が絶対的に不足していることも原因なのではないかと思う。アジア各国にどんなリーグがあり、どんな環境の中で、どんなサッカーをしているのかを平素から知っていれば、試合内容もいくらか違ってくるのではないだろうか。

 そして、そんな形で日本がアジアサッカーのハブのような存在になっていけたら、そのメリットはたぶんサッカー界にとどまらず、この国全体にとってもプラスに働くのではないかな、と、就任早々にアジア外交に関して突っ込まれまくっている安部晋三首相の国会答弁を眺めながら思ったりもする。
 たとえば90年代以降のサッカー日本代表が韓国代表と幾度となく好勝負を繰り広げ、韓国の一流選手たちがJリーグで活躍したことは、確実に日本人の韓国観に(そしておそらくは韓国人の日本観にも)よい影響をもたらしたに違いないのだから。


*1
厳密にいえばJリーグが開幕した93年の時点で、すでに日本経済のバブル崩壊ははじまっていた。川淵三郎チェアマン(当時)もどこかで語っていたが、プロリーグ立ち上げがもう数年遅かったら各クラブの親会社は軒並み手を引き、Jリーグは実現できなかったかも知れない。Jリーグの成功を見て後を追おうとした他の競技が苦労しているのも同じ理由が大きいと思う。

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コメント

政治の世界でもサッカーの世界でも、アジア主義にはうーんざりです。差別的過ぎてげんなりでもあります。

こんなに広大でかつ多様な範囲でリーグ戦を回すのは無理ですよ。さっさと「アジア」ないし「その他大勢」という枠組みを破壊する方向で動くべきだと思います。それが日本(サッカー)の幸せだと確信します。

それに、アジア各国にとっても夢・憧れはやっぱりヨーロッパでしょう。各国のレベルが向上し、ヨーロッパが現実的になればなるほど「日本行きなんて(嘲」という意識が広がるのではないでしょうか。

アジア人のみ優遇という奇矯な発想・制度ではなく、全世界から人を集めるべきです。外国人の登録枠無制限・同時出場枠4-5人にすればリーグのレベルは確実に向上します。そうなれば必要十分というか、身の丈に合った敬意はアジアからも獲得できるのではないでしょうか。

投稿: hima | 2006/10/07 18:20

これはどうでしょうね・・

誰か連れてきたいシンガポール代表選手が具体的に居るのですか? 他のスポーツ(プロ野球とかスーパーリーグとかトップリーグとかVリーグとか)に置き換えて考えても、わざわざ使えもしないシンガポール代表を連れてきてプレーさせる動機って、ちょっと理解できないし・・・。

Jにアジア人が増えたところで競技のレベルが上がるとも思わないし、国内の人気自体が下がる(モンゴル人が幕内にウジャウジャ増えて相撲人気が下がったように)可能性も高いので、逆にマズイ気が。

あと、日本のクラブがACLで勝てないのは、単に、J1の戦力が均衡している上に、チーム数が多過ぎるために、各クラブのレベルが薄まって低いからだけではないのかと勝手に思ったりしてるのですが。

そういえば、これまでは賈秀全や徐暁飛とか中国出身のJリーガーはいましたね。あと、マレーシアって国内リーグが結構人気があるのではなかったかと。himaさんの言うとおり、日本の斜陽産業・Jリーグをマレーシアから目指す動機が、果たして選手にあるのかは疑問です。目指すなら中東のリーグでしょう。

投稿: KuiKuga | 2006/10/07 21:53

自分は鉄さんと同じようなことを考えてます。例えばW杯予選や五輪予選でインドやシンガポールなどの代表を見ても、1人2人はFC東京で使えるかもなぁとか思ってました。アテネ五輪予選でレバノン代表の10番(名前は忘れました)を西が丘で見ていい選手だと思っていたら、ベガルタ仙台が獲得を検討していたという話を聞きました(実現してないですけどね)。

実績のあるブラジル人だろうがそう簡単に通用しない激しいリーグにJがなっているのも事実であり、サポーターは結構それに気付いて来ています。そういう意味では素質があって意欲がある選手を探すのが活性化の意味でもいいのでは、と思ったり。また、僕も中東の選手には非常に興味がありますが、トップ選手となると時差の少ない欧州中位以上のリーグを狙っていそうなんで(イランは特にそうですね)難しいかもしれないですね。

ただし、あくまで目標は日本人選手の育成であり、セルジオの主張である外国人撤廃を実現したらいずれ欧州トップリーグのような惨状になることもありえます。なので、せいぜい現行の3人にアジア枠を一人設けるという制度を作ってほしいです。

あと、おそらくネックとしては、広いアジアでどうスカウティングしていくか…。で、結局近くの韓国人や中国人選手を獲るだけになる、と現状と大して変わらないことにもなるのかも…。

投稿: アルヴァロ | 2006/10/07 23:04

Jリーグには興行という側面以外に、日本人プロ選手の育成の場という側面があります。いま、Jリーグの外国人選手の登録枠を増やしてしまった場合、その分、日本人選手が試合に出られる場面がすくなくなってしまうでしょう。
J2やJFLの状況がもうすこし改善されるか、あるいは、一流でなくても日本人選手が海外で経験を積む平山のようなケースが今よりも格段に増えない限り、これは難しいと思います。
ただ、アジア人選手というのは、応援する側の日本人にとってもヨーロッパ人より何か親しみを感じるところがあるのも事実なので(ミョンボとかノ・ジュンユンとか)、彼らの姿をもっとJリーグで見ることができたら、というふうに私も願っています。

投稿: じゅん | 2006/10/08 08:07

>himaさん
こんにちは。

>アジア主義にはうーんざりです。

アジア主義ですか。「帝国主義的発想」という批判を受けるかな、とは思っていたのですがね。

>アジア人のみ優遇という奇矯な発想・制度ではなく、

どこか他のblogとお間違えではないですか?
エントリに書いていないことを批判するコメントには、私も「うーんざり」「げんなり」しております。


>アルヴァロさん

>僕も中東の選手には非常に興味がありますが、
選手の能力でいえば、アジアではまず中東ということになるのでしょう。やる気のあるクラブと選手がいたとして、日本での生活にどれだけ適応できるものなのかが気になります。

>せいぜい現行の3人にアジア枠を一人設けるという制度を作ってほしいです。

大半のクラブが3人枠を使い切れていない以上、現行の枠内で十分でしょう。アジアの選手が大勢日本にいるのに外国人枠の故に出場できない、という状況があるのならアジア枠も有効かも知れませんが(その意味では、プロ野球にはあってもよさそうです)。

>おそらくネックとしては、広いアジアでどうスカウティングしていくか…。

現状では各年代代表やACLくらいしか接点がありませんね。近年、日本人指導者がアジア諸国に招かれるケースが徐々に出てきているので、そういう事例が増えればルートになりうるかもしれません。


>じゅんさん
こんにちは。

>Jリーグには興行という側面以外に、日本人プロ選手の育成の場という側面があります。いま、Jリーグの外国人選手の登録枠を増やしてしまった場合、その分、日本人選手が試合に出られる場面がすくなくなってしまうでしょう。

そういう心配をしなければならないほど今の日本人選手のレベルは低くないのではないかと、私はやや楽観視しています。南米や欧州の強豪国の現役代表クラスがぞろぞろ来日するようなら話は別ですが。

>アジア人選手というのは、応援する側の日本人にとってもヨーロッパ人より何か親しみを感じるところがあるのも事実なので(ミョンボとかノ・ジュンユンとか)

2人とも優れたプレーヤーで、尊敬しうる人物でしたね。また、パク・チソンのようにJリーグ育ちで欧州に飛躍した選手にも、愛着を感じる人は結構多いのではないでしょうか(悔しい気持ちもありますが(笑))。

投稿: 念仏の鉄 | 2006/10/09 01:31

イランなんかは屈強で運動能力の高い選手がいて面白そうなんですけど、確かに宗教の問題があるから乗り気じゃない選手も多いでしょうね。
昔、ダエイやカリミがJ入りの話があったそうですが、やはり生活習慣の問題で難航したと聞きました。

アジア選手のレベルですが17歳以下の大会を見ているとイランやサウジアラビア、韓国など現アジア強国だけじゃなく、ネパールやシンガポールなどの国の選手もこの年代ならレベルの高い選手が多いですから、青田買いするのもいいかもしれませんね。

>いま、Jリーグの外国人選手の登録枠を増やしてしまった場合、その分、日本人選手が試合に出られる場面がすくなくなってしまうでしょう。


自分もこれは無いと思います。
同じレベルの選手が大量輸入される可能性なら恐らくお隣韓国か中国の選手ぐらいしかないでしょうし、大量輸入できるチームもマリノスとかレッズくらいしかないと思います。

投稿: hiro | 2006/10/09 10:52

※連投すいません

そう言えば最近はカタールやサウジアラビア、UAEは国がリーグに予算を出しているので外国人で億は珍しくないそうですね。
(晩年のバティは1年で7億円だったそうです)

それによって最近だとオコチャや元インテルのカロンなんかが中東へ移籍するケースが続出しているのもJがアジアで後手を踏んでいる要因なんでしょうね。

投稿: hiro | 2006/10/09 10:58

分けあって在日イラン人のパーティーに行ったことがありますが、彼ら全然戒律守ってませんでしたよ。禁酒もラマダンもどこ吹く風。日本人が仏教の教えに厳密に従っていないのと同じだとか。学業目的で来ている層だからか、何事にも建前があるからか。

投稿: 冬潮 | 2006/10/09 14:56

まぁ現実的じゃないですね。

中国はサラリーの面でJと同じかちょっと良いくらいだから
来る事はありません。東南アジア・南アジアは選手のレベル
に問題があるのでわざわざ外国人枠を使う意味はない。
中央アジアはロシア方面への結びつきが強い。あとはイラン
・アラブ勢は宗教とか環境とか通訳の問題と向うのリーグの
財力が日本より大きいっていうのもある。

結局日本に来るのは韓国だけになるんですな。

書いてあるように、外人枠撤廃しても使える金に限界がある
からJが今より急にレベルが上がるという事はどうみても、
絵空事なんですよね。


東南アジアの例は誰しもが考える事でしょう。
ただそのマーケティング前提で考えるのはまったくもって不
毛といわざるをえない。それだけの実力がある選手が出てか
ら考える事でしょう。
まぁ若い頃から育てるとかなら話は別かもね。全く日本のレ
ベルアップとは別次元の話になるわけだけれど。

投稿: 横浜大洋 | 2006/10/09 21:58

「タイ・リーグの有力選手間で、英語習得意欲を持っている者が増えてきている」という話を、5年ほど前にバンコクで聞いたのを思い出しました。
「近場のシンガポール『Sリーグ』への移籍を視野に入れて」というのが、その理由のようでした。
「自国よりも、大いに稼げる」ということを動機とした“国境越え”は、洋の東西を問いませんね。
高年俸の好条件を提示した阪神を後にして、渡米していった新庄は、そうではありませんでしたが(笑)

日本サッカーにおける[韓][中][朝]以外のアジア人選手としては、’80年代終盤のJSL=日本サッカーリーグ『松下電器』(現ガンバ大阪)のDFナティ(タイ)とFWリッキー・ヤコブ(インドネシア)がいました。
そうそう、それ以前には、やはりタイ代表DFビタヤ・ラオハクルがヤンマー(現セレッソ大阪)でプレーした後、西ドイツに渡りましたっけ。
関東や東海のチームには見られなかった、こういった選手獲得は、「さすがの『大阪商人』」(!)という感じがします。

いちサッカーファンとしては、いいプレーを見せてくれるであれば、『その選手が持つパスポートが、どこの国のものであるか』などは「関係ない」ですね。
そういう意味では、アジアに限らず、「新たな国・地域から来日する外国籍選手の活躍」は、Jの舞台に訪れてもらいたいもののひとつです。

自国の代表チームの『アジアでの戦い』を「間接的に助けた人間だから」ということを主な理由として招聘するのは、さすがに「ない」でしょうし、「あってほしくない」と思いますけれどね。

投稿: [12番ゲート]改め『19番ゲート』 | 2006/10/10 02:18

こんにちは。

外国人選手の多様化(エントリーではアジア人選手の多様化ですね)ですが、現実を考えると難しいでしょうね。

横浜大洋さんと同じ意見なので割愛します。

これからも、受け入れ実績があって計算し易い若手ブラジル人選手が
中心になると思われます。
サポ目線だと、戦力になれば誰でもいい…でも、ファン目線で見ると
「またブラジル人かよ!」と突っ込んでしまう自分が居るのも事実(笑)。
まあ勝手なもんです。
個人的には、イラン代表選手を見たいとは思いますが、これも無理でしょうね。
日本人が欧州を目指すように、イラン人も欧州(特にドイツ)を目指してる訳で。

投稿: カメ | 2006/10/10 09:26

>hiroさん


>昔、ダエイやカリミがJ入りの話があったそうですが、やはり生活習慣の問題で難航したと聞きました。

イランから欧州に行く選手の多くはドイツに行きますね。ドイツにはイスラム教徒が300万人以上住んでいるそうですから、たぶんイスラム教徒のコミュニティが存在し、生活しやすい環境があるのではないかと思います。

>そう言えば最近はカタールやサウジアラビア、UAEは国がリーグに予算を出しているので外国人で億は珍しくないそうですね。

Jリーグが始まった頃は欧州で「年金リーグ」と揶揄されていたようですが、今や世界の年金リーグの座はカタールに奪われた感がありますね。


>冬潮さん
イスラム教徒が戒律にどのくらい忠実かは国や地域、個人によってかなりの差があるようですね。若いうちに1人で海外に出ている人と、仕事をもって家族と一緒に動く人(つまり、子供をイスラム教徒として育てなければならない場合)でも事情は異なるのではないかと思います。

>横浜大洋さん
個別の事情を詰めていけば、現状はご指摘の通りなのでしょうね。

>それだけの実力がある選手が出てから考える事でしょう。

もちろんその通りで、マーケティングの話も、あくまで、それだけの選手がいれば、という前提で書いています。

例えばタイのピヤポンにてこずったのはそう古い話でもありませんし、東南アジアからはろくな選手が出てくるはずがないと決めつける必要もないと思いますがね。国際試合でさっぱりだった時期の日本からも奥寺のような選手が出ているわけだし。

>19番ゲートさん
>日本サッカーにおける[韓][中][朝]以外のアジア人選手としては、’80年代終盤のJSL=日本サッカーリーグ『松下電器』(現ガンバ大阪)のDFナティ(タイ)とFWリッキー・ヤコブ(インドネシア)がいました。
>そうそう、それ以前には、やはりタイ代表DFビタヤ・ラオハクルがヤンマー(現セレッソ大阪)でプレーした後、西ドイツに渡りましたっけ。

なるほど、結構いるものですね。関西に集中しているのは不思議ですね。松下はコストパフォーマンス意識が強いのでしょうか(笑)。

もっと古い話でいえば、大正期の終りごろの日本サッカー界では、ビルマ人留学生の指導者がずいぶんと大きな影響をもたらしたそうですね。

>カメさん
>サポ目線だと、戦力になれば誰でもいい…でも、ファン目線で見ると
「またブラジル人かよ!」と突っ込んでしまう自分が居るのも事実(笑)。

そう考えると、クラブとしては、力量がそこそこ拮抗していれば、目新しい話題性のある選手を選ぶというのはアリですかね(笑)。

投稿: 念仏の鉄 | 2006/10/10 10:34

確かに「アジア人のみ優遇」せよとはどこにも書いてありませんでした。大変失礼致しました。ただ一応弁明・釈明させてもらいますと、「アジア地域へのマーケティング展開」や「日本がアジアサッカーのハブのような存在になっていけたら、そのメリットはたぶんサッカー界にとどまらず、この国全体にとってもプラス」という発想はやはりアジア優遇(少なくとも特別視)志向だとは思います(この件で「帝国主義的発想」だとどうなるんでしょうね? AFC脱退・UEFA加盟とかかなあ?)。

とはいえ「そういう志向の人がセルジオの見解に部分的に賛成するならアジア人枠創設になるに違いない」、と勝手に決め付けたのは当方の短慮でした。今回も含め、なんか書くといつもコメント欄汚しになってしまってすいません。

投稿: hima | 2006/10/10 11:51

レスありがとうございます。

「インドの英雄」は戦力として計算できるかも…と思いました(笑)。
もちろん、年俸に左右されるとは思いますが、なかなかおもしろい選手でしたね。
給料は日本人(1000~2000万位が限界でしょうか)と
変わらず、外人枠が余ってるのであれば考えてもいいのでは?
と感じました。

投稿: カメ | 2006/10/12 16:20

>himaさん

少なくともサッカーの世界においては、日本はAFCでの選挙に勝たなければFIFAの理事や副会長を出すことができないのだから、アジア諸国を特別視するのは当たり前だと思います。

あと「帝国主義的」というのは、このエントリ本文に書いた考え(特にアジア相手のマーケティングの話)についての話です。


>今回も含め、なんか書くといつもコメント欄汚しになってしまってすいません。

このエントリ以前に「hima」というHNの方からコメントをいただいたことはありませんが?


>カメさん
>「インドの英雄」は戦力として計算できるかも…と思いました(笑)。

ま、日本を代表する選手を困らせる程度の力はありそうですね(笑)。
あのくらいの選手が各国にいるようなら、このエントリの思いつきにも多少の現実味が出てくるかも知れません。

投稿: 念仏の鉄 | 2006/10/12 23:50

> FIFAの理事や副会長を出すことができないのだから

日本の地位向上を図る際、全体(この場合はアジア)の地位向上を図るのは常道ですが、対アジア諸国とのゼロサムゲームの視点も無視できないはずです。また、端から「アジア」という枠ありきなのは他のエントリと比較しても少々思考硬直的かと。

対アジア諸国への協調や利益供与が百害あって一利なしとまでは思いませんが、非論理的な程にバランスを欠いているなとは思います。

> このエントリ以前に「hima」というHN

過去に2度ほど茶々いれさせてもらいました。いずれもサッカーネタでしたが、当時のハンドルは覚えていません。

投稿: hima | 2006/10/14 17:55

>himaさん

>対アジア諸国への協調や利益供与が百害あって一利なしとまでは思いませんが、非論理的な程にバランスを欠いているなとは思います。

終始議論が噛み合っていないと思うのは、私がこのエントリに書いている提案が、himaさんが言うようなアジア優遇とか利益供与に当たるのかどうかという点です。

このエントリのアジアに関する提案は、品のない表現をすると「アジアから好選手を引き抜いてきて安い報酬で働かせ、彼ら目当ての各国のファンからJクラブに金を落とさせよう」ということなので、むしろアジアから利益をあげることに主眼があるんですけどね。

また、Jリーグにとって、人材供給源と市場を兼ねる形で利用できるような地域が、アジア以外にありますか?アフリカや北米やオーストラリア(今やAFCの一員ですが)も俎上にあげればバランスがとれるのでしょうか。それらの地域からは直接欧州に人材が流れているので、それこそ「『日本行きなんて(嘲』」という状況にあると思いますが。


>過去に2度ほど茶々いれさせてもらいました。いずれもサッカーネタでしたが、当時のハンドルは覚えていません。

次にまた別のHNでいらしたとしても判別は不可能ですが、そういうやり方はblog主としては歓迎できないということは申し上げておきます。

投稿: 念仏の鉄 | 2006/10/15 02:53

> このエントリのアジアに関する提案

そこは分かっています。ただ、相手のある事ですから利用しようとして却ってこちらが利用されてしまうという事態も当然ありうる訳です。そこの見通しの甘さについては他の方のコメントにもある通りでして、どうして本件の「論理」は(他のエントリと比較して)これほど粗いのか不思議なんです。いや不思議というか、思想信条的なモノがあるのかなあ、と(そういう意味では本エントリの切欠となったセルジオ氏の近年の言動も相当微妙だと思っています)。

> Jリーグにとって、人材供給源と市場を兼ねる形で利用できるような地域が、アジア以外にありますか?

アジアも含めて存在しないですよ。そこで何故アジアだけは日本がなんとかできると思ってしまうのか、それが再三申し上げているアジア特別視ですよ。アジアをなんとかできるスキームがあればより広い地域をなんとかできるはず、そう考えるのが論理的なのでは?

それに、人材供給源も市場も獲得困難なのが明らかなのに、何故更に困難な一石二鳥的解決(のみ?)を狙うのかも非論理的です。また、サッカーの世界では(少なくとも我々が生きている間は)欧州中心は動かしがたい訳で、ならばそんな現実に最適なサイズでJを運営しようという方針にも一理あると思います、とにかく拡大という政策ではなく。

投稿: hima | 2006/10/20 10:36

>himaさん

すみませんがお話の意味がほとんどわからなくなってきました。

あと、そもそもアジアを特別視して何かまずいことでもあるんですか?

投稿: 念仏の鉄 | 2006/10/21 00:03

今回のエントリーについては自分としては全く同感です。
寧ろ具体的には時限立法のような扱いで通常の外国人枠とは別に「アジア枠」を設けてみても面白いと考えています。
確かに競争原理のプロの世界では矛盾するかも知れませんが、この規制緩和は間違いなくアジア人プレーヤーにとってJリーグ入りを具体的目標とするでしょうし、こうした交流が人やビジネスを活性化させていくと思います。アジアには経済的に躍進しつつある国も多いことですし、新たなスポンサー確保などを欧米企業に募るよりは容易いのではないでしょうか。
また、Jリーグが市場として活性化すれば、国際的な価値が上がるでしょうし、そうなれば以前のように欧州や南米からの選手も今以上に移籍しやすくなると考えます。
「代表強化の場」としてJリーグを捉えると、現状と照らし合わせれば難しいことが多いですが、「アジア市場への拡大」と捉えることができれば、極めて現実的な案だと思います。


投稿: hide | 2006/10/23 18:57

>hideさん
>「アジア市場への拡大」と捉えることができれば、極めて現実的な案だと思います。

アジアで日本代表や日本の選手に人気があるという話は時々聞きますから、本当にそういう下地があるのなら、市場として意識してみたら面白いだろうと思います。サッカーは良くも悪くも国際化を強いられるスポーツですから、クラブ経営だけが国内に引きこもる必要もないですし。

投稿: 念仏の鉄 | 2006/10/24 01:19

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