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公式戦を引退試合にするのは、あまり感心しない場合もある。

 やっぱり釈然としない。
 本日発売の週刊ベースボール10/22号を読みながら、改めて、ううむ、と唸ってしまった。
 表紙にでかでかと記されている「ジャイアンツV奪回!」や「高校生ドラフト総決算」のことではなく、後ろのカラーグラビアで特集されている「有終の美 引退試合」の方だ。
 前の(書いたのはずいぶん前だが)エントリに記したヤクルトの古田敦也と広島の佐々岡真司が、それぞれ本拠地最終戦に出場し、ファンに別れを告げた。
 試合後にセレモニーをして彼らがファンに挨拶をするのは当然のことだ。彼らが最後のプレーをファンに見せるのも自然な人情だし、ファンだって見たいと思う。
 ただ、今回の両者のやり方については、どうにも釈然としない思いが残る。特にヤクルトの側が。

 ヤクルトが本拠地・神宮球場での今季最終戦を迎えたのは10月7日。相手は広島だ。この試合が始まる時点で、両者は59勝82敗、ぴったり並んでリーグ最下位にいる(広島は他に2引き分け)。勝った方がこの時点で最下位を脱出するという試合だ。広島にとってはこれが今季最終戦でもある。ヤクルトは2試合を残している。どちらにとっても、リーグ最下位を免れたいのであれば、是が非でも勝ちたい試合だ。

 その試合に、ヤクルトの古田監督は、今季ここまで8試合にしか出場できなかった古田捕手を五番打者として先発出場させた。打撃はともかく、右肩の故障でシーズンの大半を棒に振り、引退を決めた老捕手に、盗塁阻止は期待できない。
 現実に一回表に2点を先制された2死一塁から、今季ここまで3盗塁しかない嶋に二盗を決められている。続く梵のセンター前ヒットで嶋はホームイン。梵は次の広瀬の初球にまた二盗。最下位脱出の懸かった試合で、ブラウン監督は遠慮なくヤクルトの弱点を衝いた。

 打者・古田は4打数無安打。うち3度は走者を置いて打席に立ったがチャンスを生かせなかった。
 監督・古田は、古田捕手のスタメン起用のほかにも面妖な采配を見せている。その最たるものが、青木を四番に据えたことだ。まあ、今季は20本塁打を打って長打力も見せているし、お前が今後のヤクルトを背負ってくれ、というメッセージなのかも知れない。
 青木自身は3打数2安打1四球とまずまずの結果を残したが、3度の出塁のうち2度は二死からで、ホームを踏むことはできなかった。その二死からの出塁はいずれも二番打者・ガイエルがソロ本塁打を打った後。まるっきりの結果論だけれども、一番・青木、四番・ガイエルという普通の打順なら、もっと点が入っていたかも知れない。ちぐはぐな印象は否めない(漫画『ドカベン』で、対戦相手から初球ど真ん中を予告され、山田太郎を一番打者に起用した明訓高校が、プレーボール本塁打で先制したものの、その後の展開に苦しむというエピソードを思い出す)。
 投手起用では、先発専門の石井一久を8回にリリーフ登板させ、広瀬に本塁打を打たれて失点している。
 要するに、監督・古田は、選手・古田の引退試合であることを意識した特殊な選手起用をいくつか行い、それらはマイナスの結果に結びついた。

 その夜のスポーツニュースや翌朝の新聞では、誰もそんなことを気にしている様子はなかったし、テレビのニュース映像で見る限りでは神宮球場のファンも気にしていないようだ。
 ヤクルトは今日10/9の横浜戦に勝って今シーズンを終えた。最終成績は60勝84敗で最下位。5位の広島とは1ゲーム差。カープに1試合勝っていれば最下位は免れたことになる。
 古田は現役引退と監督辞任を発表した記者会見で「(最下位という結果は)球団史の中でも非常に悪い出来事」と話していたが、その後、そこから脱出するチャンスがあったにも拘わらず、古田選手の引退興行を優先したわけで、いささか一貫性を欠いていたことは否めない。

 同じ試合で広島も佐々岡を登板させている。その前日、広島の本拠地最終戦でも佐々岡は投げている。10点をリードした最終回という、勝敗にはほぼ無関係な局面だった。選手たちが佐々岡のために花道を作ってあげたといってもよい。
 対戦相手の村田は佐々岡から本塁打を打った。空気の読めない奴、という空気が広島市民球場には漂ったことだろう。しかし、この村田の今季36本目は、ウッズ、高橋由伸と35本で並んでいた本塁打王争いから一歩抜け出す重要な1本となった。一打席たりとも無駄にできない村田が全力で打ちに行くのは当然だし、逆に言えば、そんな局面で佐々岡を投げさせたカープは、ウッズや高橋に対して非常に失礼なことをしたとも言える。

 だいたい言いたいことはご理解いただけただろうか。
 レギュラーシーズンの本拠地最終戦で、スター選手がファンに最後のプレーを見せることを、一概に否定するつもりはない。むしろ賛成だ。
 だが、それが順位争いやタイトル争いの行方に大きく影響してしまうようなことは、できるだけ避けるのが節度というものであり、野球に対する敬意というものではないだろうか。
 堅苦しいことを言えば、10/7の古田監督の采配は、敗退行為の疑いさえ生じるようなものだったと私は思う。Jリーグでベストメンバー規定に関する議論が白熱しているのと比べて、プロ野球界の何とおおらかなことか。

 選手が最後のプレーを見せる試合を「引退試合」と呼ぶことにも、私は抵抗を感じる。かつて「引退試合」というのは、公式戦とは別に行われるエキジビションマッチのことではなかったか。確か昔は野球協約で正式に位置づけられており、収益の一部を選手に贈るという習慣もあったと聞いた気がする。
 このような過去の美風にのっとり、選手がファンに別れの挨拶をする場は、基本的にはシーズン終了後に設けられるのが妥当だと私は思っている。どの球団も11月ごろに「ファン感謝デー」のような催しを開いているし、古田クラスの名選手であれば、独立した引退試合が開催されて然るべきだと。

 調べてみたら、はてなダイアリーのキーワードとして引退試合について詳しくデータが示されていたのでご参照いただきたい。野球協約の規定についても末尾の注に記されている。
 この表を見ていて思い出したのだが、2001年に長嶋茂雄がジャイアンツの監督を退いた時にも本拠地最終戦でセレモニーが行われた。この試合では、この年限りで引退する槙原寛己、斎藤雅樹、村田真一の3選手も出場し、合わせてセレモニーに登場した。
 本拠地最終戦とはいえジャイアンツはこの時点でまだ試合を残しており、リーグ優勝の可能性もわずかながら残っていた。だが長嶋の挨拶に「今季優勝して最後を飾りたい」という類いの言葉はなく、まだ終わったわけじゃないのに、こんな終戦ムードにしてしまっていいのか、という疑問を当時も覚えたものだった。
(ちなみに長嶋茂雄の現役引退セレモニー、「我が巨人軍は永久に不滅です」という有名な挨拶も、公式戦でのものだった。彼は最後までレギュラーだったから、試合にスタメン出場していたこと自体は不自然ではなかったが)

 この種の引退興行は、基本的にはファンのためのものだ(球団にとっても、消化試合が満員にできるという興行上のメリットはあるだろうけれど)。
 結果として順位が少々下がろうとも、ファンが喜んでるんだからいいじゃないか、と言ってしまえばそれまでのことだ。
 だが、ファンサービスという近年の「錦の御旗」が、なし崩しにゲームそのものに侵入していくようなやり方は、私は好きになれない。どこかで一線を引かないといけないんじゃないだろうか。
 あの新庄だって、試合が始まればカブリモノはしなかったんだし。


追記(2007.10.10)
村田は結局36本塁打でシーズンを終え、佐々岡から打った本塁打によって初の本塁打王となった。
念のため記しておくが、私はジャイアンツファンで、ジャイアンツが一足早く全日程を終了した後は、今年の高橋由伸が初タイトルという形で報われることを(可能性がほとんどないと知りつつ)願っていた。

追記2(2007.10.12)
古田は、シーズン終了後に高津が戦力外通告を受けたことについて、球団に対し「プロ野球記録保持者(通算286セーブ)が退団するのにファンにメッセージを届ける場所もない。ファンだって彼に伝えたいことはあるはず」と苦情を伝えたという。
だが、そういうことのためにファン感謝デーというイベントがあるのでは? 球団が感謝デーへの高津の参加を拒否したとかいうならまた別だが(もっとも、ヤクルトの鈴木球団社長という人のこの件に関するコメントも、意味はよくわからないが冷淡さだけはよく伝わってくる。古田がつい一言いいたくなるような背景があるのかもしれない、とは思う。また、「相談も打診もなしに、いきなり戦力外通告とは、実績ある投手に対して失礼ではないか」という話なら理解できるのだが)。

追記3(2007.10.12)
今週発売の週刊サッカーマガジン10.23号の巻末コラム「ピッチのそら耳」で日経新聞の武智幸徳記者が、川崎フロンターレのベストメンバー問題(御存知ない方にはこちらがわかりやすいです)について、次のように書いている。

<Jリーグが一番恐れるべきはすべてが「なあなあ」になってしまうことだ。仮に昇格降格を懸けたリーグの終盤戦で優勝とも降格とも無縁のチームが、残り3節くらいから「来季を見据えて」若い選手を大量に使ったり、逆に引退が決まった選手の“花道”代わりに試合を使ったりしたらどうなるか。そうした選手起用が勝敗を分け、ひいては昇格降格にも影響を与えたとき、サポーターは不信や怒りの塊になるだろう。>

プロ野球では、これに類したことが当たり前のように行われてタイトル争いに影響を与えているが、ファンは特に気にしているようでもない、というのが現状。
ちなみにJリーグでは、一定の基準を満たした有力選手の引退に際しては、その選手が所属したクラブのOBや同世代の著名選手などが参加して、引退試合が行われる。古田も11月下旬か3月上旬ごろに<ヤクルトオールスターズvs古田フレンズ>なんて引退試合を組めば、相当な観客を集められるのではないだろうか。

※シーズン後の引退試合に関するくだりを一部加筆しました(2007.10.13)

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コメント

>村田の目には、涙がにじんでいた。「辛かった。打って辛いと感じる本塁打は、今日が初めてです」2007.10.6 産経

ただ真剣に野球やっていただけの選手に、こういう思いさせちゃいかんですよね。村田はなーんも悪くない!
悪いのは公式戦を引退試合にしてしまった球団の不見識です。

引退試合の趣旨は、「引退する偉大な選手を讃え、ファンとの別れを惜しむ」ということでしょうから、本質的に「花試合」です。つまりその日の調子がどうあれ本人を出場させるべきだし、相手チームも「引退する選手に花を持たせる」ことを求められる。引退選手がピッチャーであれば三振してあげるべきだし、バッターであれば打たせてあげるべき。ということは、それが「真剣に勝ちに行く」ことが求められる公式戦とは相容れないものであることは明白です。

まぁ野球は試合数が多くて「消化試合」も多いのでファンも許すんでしょうが、やっぱりあんまり良くないですね。
特に、公式戦である以上は村田のように「消化試合じゃない」立場の選手も不可避的に混ざってしまうわけですから、良くない!
ルールで規制する必要を感じます。

投稿: 馬場 | 2007/10/10 13:56

いつも楽しく拝見させて頂いております。

この件に関しては

「そこだけで話されても…」

という感じです。


別に5位でも6位でも降格する訳でもないし、CSに出られなければ何位だろうが
ファンにとってはそんなに興味ないと思います。

逆に
優勝した翌日は「二日酔い」で主力はお休み。
ローテピッチャーがいなければ雨が降っていなくても「中止」。
タイトルの競争相手は「敬遠」
てのが常識の球界であれば、むしろ目の前の興行に力を入れる・ファンサービスに
尽力するのもいいんじゃないかと思います。

投稿: 通りすがり | 2007/10/10 16:25

おおむね同意ですが。

10点も差が付いた局面で佐々岡を投げさせたカープは、ウッズや高橋に対して非常に失礼なことをしたとも言える。

とは言えないと思います。なぜなら、10点差も付いたら、チームのため力が落ちた投手を投げさせるのが当然だからです。引退しそうな選手であろうが新人であろうがそこは同じで、また、どちらともしっかり抑えて試合を終わらせたいと考えているはずです。私は10点差も付いた状況で相手にタイトル争いがあるからと言ってエースを投げさせる方がおかしいと感じます。

タイトル争いがあるからと言ってそれが采配に影響するということは、それも引退試合と同じくファンサービスという近年の「錦の御旗」が、なし崩しにゲームそのものに侵入している事そのものだと思います。タイトルもファンサービスですから。

投稿: | 2007/10/10 18:12

>馬場さん
村田は、別のヤクルト戦では、鈴木健の最後の打席に立ち会って、どう見ても追いついていた三塁フェンス前へのファウルフライに手を出さずに見逃していました(で、張本勲に「喝!」と叱られてました)。
シーズン終盤とはいえ、何度もこういうことに付き合わされるのは、選手にとっては楽しくないでしょうね。

>通りすがりさん
>別に5位でも6位でも降格する訳でもないし、CSに出られなければ何位だろうが
>ファンにとってはそんなに興味ないと思います。

このへんは、最下位というものに対する感じ方によって意見が異なるのでしょうね。
私は、自分の贔屓チームには、たとえ0.5ゲーム差でも最下位になってほしくはないです。

>優勝した翌日は「二日酔い」で主力はお休み。
>ローテピッチャーがいなければ雨が降っていなくても「中止」。
>タイトルの競争相手は「敬遠」
>てのが常識の球界であれば、

そういう「常識」も、是認したくはありませんね。
(すべてが常識だとも思いませんが)


>2007/10/10 18:12の名無しさん
>10点差も付いたら、チームのため力が落ちた投手を投げさせるのが当然だからです。引退しそうな選手であろうが新人であろうがそこは同じで、また、どちらともしっかり抑えて試合を終わらせたいと考えているはずです。

一般論としてはご意見に同感ですが、私が論じているのは特定の試合の特定の選手起用です。
9回表の頭から登板して2人の打者を続けてアウトにした横山を引っ込めて、横浜の最強打者である村田に対して佐々岡をマウンドに送ることに、「しっかり抑えて試合を終わらせたい」という意図があったのでしょうか?

投稿: 念仏の鉄 | 2007/10/10 21:58

>念仏の鉄さん
私が書いた「しっかり抑えて試合を終わらせたい」というのは選手のことなんですが。佐々岡選手が打たれてもいいや適当に投げようとマウンド立ってるんだと言われるのなら仕方ありませんが。

首脳陣のことを言われるのなら「しっかり抑えて試合を終わらせたい」とは新人を投げさせる時だって思ってるかは疑問ですよ。もう勝利が確実なんだから次につながる何かをしようとしか考えて無いでしょう。それが今回はファンサービス
だったわけです。

そして横浜の最強打者である村田に最悪打たれてもなんら勝敗に影響は無い。私は広島の首脳陣が横浜に対して考えるべきはそれだけのことであって村田がタイトル争いをしていると言う要素は一切思考に入れるべきではないと思うんです。だからこそタイトルと言うものに価値が出てくるんじゃないかと私は思いますけど。

投稿: 2007/10/10 18:12の名無し | 2007/10/10 23:50

佐々岡の試合見ていました。
村田がホームランを打ったボールは、フルカウントから佐々岡が最後に投げた力のない高目のボール球でした。
私個人は、村田は引退試合で四球になるのを彼なりのやり方で防いでくれたんだなと思いました。村田は、大先輩に対して介錯人を務めた心境もあったのではないでしょうか。
前日まで、1万人を切っていたにも関わらず、佐々岡の引退試合ということで3万人入った広島市民球場の観客もしらけてませんでした。
監督の先発打診を「チームに迷惑かかる」と断る佐々岡に、他球団であればローテにも入れないような成績を出し続ける当日の先発大竹は、佐々岡の最終登板を勝ち試合で送り出したいと意気込んでました。
そういう「見方」も確実にあると思います。

http://www.chugoku-np.co.jp/Carp/Cw200710070219.html

投稿: 平田 | 2007/10/11 07:52

度々すいません。

>そういう「常識」も、是認したくはありませんね。
>(すべてが常識だとも思いませんが)
では少し検証を。

>>優勝した翌日は「二日酔い」で主力はお休み。
今年分です。
どう思うかは主観ということで、、、
http://www.fighters.co.jp/game/game.php?id=148
http://www.fighters.co.jp/game/game.php?id=149
http://www.giants.jp/G/result/20071002/bis/BISOfficial.html
http://www.giants.jp/G/result/20071003/bis/BISOfficial.html

>>ローテピッチャーがいなければ雨が降っていなくても「中止」。
ちょっと違いますが、、、
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2007/07/28/06.html
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2007/07/28/07.html

>>タイトルの競争相手は「敬遠」
こちらもあまりいいソースがありませんでしたが、、、
http://www.hara-spirit.net/cgi-local/diary/diary.cgi?file=story&key=020824

もしこれらの事が非常識であれば、もっと問題視して(話題になって)いいのでは。
逆にファンやマスコミも「しょうがない」と思っているのであれば半ば常識ではないでしょうか。

長々となりましたが、自分が言いたかったのは、
「もっと根本的な問題を解決しない限り、そこだけ話してもダメなんじゃない?」
ということなので。

ちなみに自分は生粋の広島ファンです。
ここ数年は毎年5位か6位なので、、、「もうどっちでもいいや」感はあります。
(麻痺してるかもしれませんね。)

投稿: 通りすがり | 2007/10/11 12:06

>2007/10/10 18:12の名無しさん
>私が書いた「しっかり抑えて試合を終わらせたい」というのは選手のことなんですが。

あ、そうでしたか。失礼しました。我々は監督の采配について議論しているものだとばかり思っていました。


>もう勝利が確実なんだから次につながる何かをしようとしか考えて無いでしょう。それが今回はファンサービス
>だったわけです。

つまり、横山に替えて佐々岡を投げさせたのはファンサービスであった、とお考えなのですね。
だとすると、

>10点差も付いたら、チームのため力が落ちた投手を投げさせるのが当然だからです。

という最初のお話とは前提が違ってくるようです。

あと、前回のレスで書き忘れましたが、あなたが反論されている

>10点も差が付いた局面で佐々岡を投げさせたカープは、ウッズや高橋に対して非常に失礼なことをしたとも言える。

という文章は、私がエントリに書いたものとは違います。また、私は「相手にタイトル争いがあるからエースを投げさせろ」とも、「佐々岡選手が打たれてもいいや適当に投げようとマウンド立ってるんだ」とも書いてはいません。そうやって話をどんどん拡散させていかれると、議論にお付き合いするのは難しくなります。


>平田さん
>そういう「見方」も確実にあると思います。

現実には、どの報道を見ても平田さんの見方が普通です。私がここで書いていることは、まず間違いなく少数意見です。私も、その試合を現場で見ていれば、いい光景だと感動しただろうと思います。

ただ、その代償として、馬場さんが引用された記事にあるように村田は辛い思いを強いられ、そこで村田が打った本塁打によってタイトルを逃した選手が好きな私は「…なんだかなあ」と割り切れない思いをしています(高橋由伸やウッズがどう思っているかは知りませんが)。
せっかくのお別れセレモニーにそんな形で瑕疵が残るのは、お互いにイヤじゃないですか? そんなことになるよりは、公式戦が終わった後でゆっくりセレモニーをすればよいと思うのですが。


>通りすがりさん

ご指摘の3つの事例は、どれもないにこしたことはないと思います。ただ、それぞれに対する私の考えは多少異なり、一緒には論じにくいものがあります。

>優勝した翌日は「二日酔い」で主力はお休み。

これは多少は大目に見てもいいんじゃないかな、と。
優勝が決まった夜に選手が大酒を飲むのは誰にも止められないでしょうし。
(ただし、それが他チームの順位やタイトル争いに影響が出るようなことは避けて欲しい、という点は引退セレモニーと同じです)

>ローテピッチャーがいなければ雨が降っていなくても「中止」。

ろくでもない行為だとは思いますが、これ、問題視するほど頻発しているのでしょうか? 
(ご指摘のリンク先は交通機関のアクシデントによる試合中止で、まったく異質な事例です)
過去に疑わしい事例があったような記憶はありますが、そう何度も実行する球団があるのかどうか。むしろ営業上のダメージになりそうな気がします。

>タイトルの競争相手は「敬遠」

過去に見苦しい事例がいくつもあったのは確かです。
ただ、メディアもファンも、監督や選手からも、批判的な声は強まっていると思いますし、長期的な傾向としては減りつつあるように私は感じています。引用されたリンク先でも、現役の監督がこの種の敬遠を批判しているではありませんか(笑)。

>長々となりましたが、自分が言いたかったのは、
>「もっと根本的な問題を解決しない限り、そこだけ話してもダメなんじゃない?」
>ということなので。

当blogのエントリの大半は「そこだけ」みたいな話ばかりしてるんですけどね(笑)。
ま、「そこ」が「公式戦の引退試合」であれ「タイトルがらみの敬遠」であれ「チーム都合による試合中止」であれ、「そこだけ」でも改善されればそれはそれで結構なことだ、と私は思ってます。

投稿: 念仏の鉄 | 2007/10/12 10:55

>> 優勝した翌日は「二日酔い」で主力はお休み。
> これは多少は大目に見てもいいんじゃないかな、と。
> 優勝が決まった夜に選手が大酒を飲むのは誰にも止められないでしょうし。

野球ファンの大半がそういう考えであれば…まぁ優勝の次の日は試合は観に行かないでいいということで(笑)
観に行ったファンがアンラッキー。
選手にとっては144分の1でも現地観戦するファンにとっては1分の1かもしれない。
けどそれはファンの都合なんで、優勝した選手の都合の方が大事です!という感じですか(笑)

それとですね、

> (ただし、それが他チームの順位やタイトル争いに影響が出るようなことは避けて欲しい、という点は引退セレモニーと同じです)

これだと前後の文章に矛盾がありませんか?
それとも上記の部分は「自分のチームだけ」に適用されるのでしょうか?

登板予定のピッチャーが回避して代わりに投げたピッチャーがHR争いしているバッターにHRを打たれる、首位打者争いしているバッターにしこたま打たれる。
未だ順位が確定していないチームに2軍で試合に挑む。

今回も対戦相手は順位が決まっていなかったと思いますし、タイトル争いしていた選手いたような、、、

まぁそれもしょうがない。
たまたまラッキー(or残念)だったということで(笑)

> (ご指摘のリンク先は交通機関のアクシデントによる試合中止で、まった異質な事例です)
本当はGW頃のロッテ戦のソースを探したかったんですがね。
それで、これを選んだのは…
実はこの日17:00頃には福岡に到着していたそうです。
時間をずらせば開催可能だったのですが、中止にしたそうです。
その時には場外に既に数千人のファンがいたそうです。
「何とかならなかったのかなぁ」というのが正直な感想だったので。
先ほども書きましたが、選手にとっては144分の1でも現地観戦するファンにとっては1分の1かもしれない。
移動で疲労困憊で全く試合の出来る状態ではなかったし、ベストパフォーマンスなんて到底無理、そんな試合お客様にはとても見せられないので中止…観に行った人は運がなさすぎたとしかいいようがありませんね(笑)

> 現役の監督がこの種の敬遠を批判しているではありませんか(笑)。

認めてるということですね(笑)
これは今までの「常識」を変えないといけないと言っているような感じがしたので選んだのですが。

> 当blogのエントリの大半は「そこだけ」みたいな話ばかりし> てるんですけどね(笑)。

大変失礼いたしました。
管理人さんの意図にそぐわないコメントに対応して頂き恐縮です。

>「そこだけ」でも改善されればそれはそれで結構なことだ、と私は思ってます。

自分も同感です。


投稿: 通りすがり | 2007/10/12 19:18

>通りすがりさん

>野球ファンの大半がそういう考えであれば…まぁ優勝の次の日は試合は観に行かないでいいということで(笑)

野球ファンの大半がそうかどうかは知りませんが、私はそれに近いです。
とはいえ、

>選手にとっては144分の1でも現地観戦するファンにとっては1分の1かもしれない。

というのはもっともですから、「二日酔いでもいいから試合に出せ」というご意見なら賛同します。

で、そういう試合がタイトル争いに影響してしまうというのは、できればない方がいいとは思いますが、それで贔屓の選手がタイトルを逃しても、私は今回のケースほどひっかかりはしないと思います。祝勝会は優勝した夜にしかできませんが、お別れ会はシーズン後にゆっくりやることもできるはずなので。

>実はこの日17:00頃には福岡に到着していたそうです。
>時間をずらせば開催可能だったのですが、中止にしたそうです。
>その時には場外に既に数千人のファンがいたそうです。
>「何とかならなかったのかなぁ」というのが正直な感想だったので。

そういう事情であれば、チーム都合による試合中止にあたるでしょうし、少々無理をしても試合をした方がよいケースだったように思います。リンク先の記事の細かいところを読み飛ばしていました。

>これは今までの「常識」を変えないといけないと言っているような感じがしたので選んだのですが。

タイトル争いにおける敬遠が横行していることは否定しません。

「常識」という言葉にこだわっておられるようですが、私はこの言葉を使って議論をしたり、ある事例が「常識か否か」を議論することには気乗りがしません。「常識」の概念じたいが曖昧で定義が困難なので、面倒くさいわりに決着がつきづらいので。

ご指摘の3つの事例について、<頻発しているか><メディアやファンが問題視しているか>という2つの面からみると、

優勝翌日の主力欠場  Yes/No
チーム都合による試合延期 No/?(事例が少ないので判断がつきません)
タイトル争いに絡む敬遠 Yes/Yes

という傾向にあるというのが私の認識です。それぞれを「常識」と呼ぶかどうかには、いろんな見解があるかと思います。


私が「Aが気に入らない」と書いたエントリに対して「BもCもDもあるんだから、Aのことだけ言ってても仕方ない」というコメントをいただいたわけですが、こうやってBやCやDについて考えていくと、詰まるところは「優勝決定後の試合をどう活性化するか」という問題に収斂していくような気がします(「チーム都合による試合延期」は別ですが)。
とはいえ、どれも一義的には球団と現場のモラルの問題なので、観客が異議を表明していくことで多少は変わるかも知れませんが。


>>「そこだけ」でも改善されればそれはそれで結構なことだ、と私は思ってます。
>
>自分も同感です。

へ?「そこだけ話してもダメ」だから他の話をしてきたんじゃないんですか?

投稿: 念仏の鉄 | 2007/10/15 10:53

>>選手にとっては144分の1でも現地観戦するファンにとっては1分の1かもしれない。
>というのはもっともですから、「二日酔いでもいいから試合に出せ」というご意見なら賛同します。

あくまで二日酔いは否定しないんですね(笑)
自分としてはアスリートが翌日に試合を控えているのに二日酔い状態になるのはどうかと思うのですが…その辺野球ファンは寛容なんですね(笑)
優勝した翌日くらいいいじゃないか!ファンなんてほっとけば(笑)
てな感じですかね。


>詰まるところは「優勝決定後の試合をどう活性化するか」という問題に収斂していくような気がします(「チーム都合による試合延期」は別ですが)。

んー、もっと言えばそこだけじゃないんですけどね。
野球界全体のモラルを言いたかったのですが。

>とはいえ、どれも一義的には球団と現場のモラルの問題なので、観客が異議を表明していくことで多少は変わるかも知れませんが。

突き上げをくわないと変わらない選手・現場…自分たちの不利益になる事なんて自発的には行えませんよね(笑)

犬飼さんに文句を言った川崎フロンターレのファンくらい野球ファンは熱いのか、それとも…(笑)

>へ?「そこだけ話してもダメ」だから他の話をしてきたんじゃないんですか?

そうでしたね(笑)失礼しました。
追記内容と、「改善」という言葉をピックアップしてしまい「少しでも良くなればいい」というトコでそんなコメントになりました。

投稿: 通りすがり | 2007/10/15 12:41

>最初のお話とは前提が違ってくるようです。

前提は違ってこないですよ、ファンサービスもチームのため、です。勝利が確実なんだから次につながる何かをしようと考えて力の無い投手を投げさせるわけですから。どちらにしろ同じことです。

誇張しすぎた表現を使用したことはお詫びいたします。

まあ私が言いたかったことは采配と言うものはそれぞれのチームが勝利を目指すという事以外は完全に自分達の都合で行うべきもので、そうだからこそタイトルにも価値が出てくるものであり、引退試合がタイトルの価値を少しも貶めるものでもなければ、争っていた選手に失礼なものになるとは思えないということです。

投稿: 2007/10/10 18:12の名無し | 2007/10/16 01:02

ほとんど同感ですが、佐々岡については私の気分は鉄さんや馬場さんのとはかなり違い、大差で勝ってるからと佐々岡を出す監督も、先発は固辞したが大差で勝っててあと一人なら、むしろ出た方が地元ファンにも応えることになるだろう、と考えた佐々岡もごく常識的で健全な判断で、一本差で我らがタイロン・ウッズがホームラン王を逃したとしても、それはシーズン終盤にパタッと打てなくなったウッズの責任であって広島を責める筋合いはない、というものです。

この件で村田が「辛かった。打って辛いと感じる本塁打は、今日が初めてです」なんて発言したのだとしたら、私はむしろこの発言を批判したいですね。「偉大な投手のラストゲームに立ち会えるだけでも光栄なのに、打席に立って真剣勝負させてもらって本当にうれしい。空気呼んで三振? まったく念頭になかった」と爽やかに(あるいは神妙に)語ればいいのではないでしょうか。私が佐々岡の立場だったら、「打ったけど辛かった」なんて暗いコメントを新聞で読まされるより、よほどしみじみうれしいと思うのですが。

特に、試合直後にこんなやりとり

  ***********************************************
  http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20071006-OHT1T00217.htm
  試合後、佐々岡とすれ違い、「すみませんでした」と頭を下げた村田に対し、
  佐々岡は「打たれて吹っ切れたよ。気持ち良かった」と笑顔で応えた。
  ***********************************************

があったのならば、なおさらです。

投稿: nobio | 2007/10/20 22:48

>nobioさん
>それはシーズン終盤にパタッと打てなくなったウッズの責任であって広島を責める筋合いはない

ま、責める筋合いはないですよね。単なる巡り合わせですから。「非常に失礼」という表現はいささか過剰でした。私自身の心境は、責めるというよりは、ぼやきに近いです。

>私はむしろこの発言を批判したいですね。

このへんの選手心理というものは想像するしかないのですが、いきなり同意もなく大先輩に引導を渡す立場(広島ファンの平田さんという方のコメントには「介錯人」という表現もありました)に立たされた時に、そんなに綺麗に割り切れるのかどうか。2人の関係性によって感じ方は違うでしょうから、これが正解、というものはないんじゃないかと思います。横浜の佐々木が最後に清原の打席に出てきた時のようなケースなら、お互いに暗黙の了解が成り立つのでしょうけれど。

投稿: 念仏の鉄 | 2007/10/21 11:03

「果たして当事者がそんな心境になれるものかどうか」というのはいろんな主張について言える(例えば「本拠地最終戦で10点勝っててあと1人という状況でも佐々岡を出さない、なんて、果たして監督がそこまで割り切れるものかどうか」とだって言えなくはありません)わけですから、我々はそれぞれ勝手に「オレはこんな野球が見たい」「いやワシはこんな心境でプレーして欲しい」と、自分の好みあるいは心境を主張すればよいと思います。

私は若貴優勝決定戦について若様が「凄く辛い。やりたくない」と語った時、そんなら不戦敗を選べばいいのに、と思いましたし、WBCに辞退者続出した時に上原浩治が「そんならオレも出えへんよ」と語った時も、行くのがイヤなら辞退しろよ、と思いましたし、とにかくプレーする以上は喜んで、ポジティブな気分でやって欲しいと思います。

投稿: nobio | 2007/10/22 02:40

>nobioさん

>自分の好みあるいは心境を主張すればよいと思います。

好き嫌いの話なのであれば、私が異を唱える筋合いはありません。「批判」ということなら、好き嫌いよりは客観性のある根拠が必要だと思いますが。

若乃花と上原の例と比べると、このケースの村田には選択の余地がなかったように思えます。否応なしに付き合わされた「最後の登板」に対して、「喜んで、ポジティブな気分でやって欲しい」とnobioさんが希望するところまではともかく、そうでなかったら批判される、というのでは村田も立つ瀬がないのでは。

投稿: 念仏の鉄 | 2007/10/22 23:16

私は「村田を批判」という言い回しを避けて「村田の発言を批判したい」と書いております。つまり「村田の発言」を批判してるのであって村田を批判してるのではないので、村田に立つ瀬があるとかないとかいうことはピンと来ません。発言を憎んで村田を憎まず。英語で言うと「Don't take it personal」です。それに、批判と好き嫌いはそんなに違うものではないと思います。誰かが「小泉純一郎のコレコレこういうところが気に食わん」と発言すれば、聞いた人はふつう「誰かが小泉純一郎のコレコレこういうところを批判している」と受け取るでしょう。しかしまあその、こんな議論はこのエントリーの内容と懸け離れているので自粛します。今回の私のコメントはそもそもが「私の気分は」で始めて私の気分を述べたものですので、勘弁してください。今回に限らず私のコメントは大抵そうなのですが。

とかなんとかクヨクヨ考えるうちに、イイことを思いつきました。村田の発言を批判したい、と言ったことは取り消します。代わりに、こう言いたいのです。「選手が今回の村田のような立場に立った時、そりゃいろんな深い感慨が脳裡を巡るのは当然だが、ただ、罪悪感だけは持たずに真剣勝負できるような風土(?)が、日本野球界に根付くことを希う」と。私の感覚では言い換える前も後も言ってることは同じですが、考えてみるとこっちの言い方の方が響きがポジティブで、イイですね。私の言いたいことには「同じことを言うにもポジティブな言い方ってもんがあるだろう」というのも入っていたことを考えると、まず自分に批判を向けるべきでした。

それはかなりむずかしいだろう、と鉄さんはお考えのようですが、むずかしいかどうかはさておき、このように希うこと自体には鉄さんもまあまあ同感なのではないでしょうか。


かつて松井秀樹はFA宣言にあたり「裏切り者と言われるかもしれませんけど」と発言して話題になりました。悩んだんでしょうね。しかしそれに対する世論が総じて「何言ってるんだよお前はぜんぜん悪くないよ松井」というものだったので、松井はほっとしたことでしょう。あれ以降の選手はさほど悩まずに自分のことだけに心配を集中できるようになった、という意味で、あれは日本プロ野球におけるFA移籍にとってひとつの転換点になったような気がします。

今回「打って辛いと感じる本塁打は 今日が初めてです」で検索してみて、この発言がじつに多くのブログで話題になってたことを知りました。どうもほとんどが「何言ってるんだよお前はぜんぜん悪くないよ村田」という内容のようです。しかも何より佐々岡自身が「打たれて吹っ切れたよ。気持ち良かった」と言ったようです。この手の表明が少しずつでも影響力を持てば、遠くない未来に、「村田みたいな立場に立たされた選手もそんなことでは悩まずに自分のバッティングに集中できるような風土(?)」になっても不思議ないと思います。

投稿: nobio | 2007/10/25 13:42

>nobioさん
>「選手が今回の村田のような立場に立った時、そりゃいろんな深い感慨が脳裡を巡るのは当然だが、ただ、罪悪感だけは持たずに真剣勝負できるような風土(?)が、日本野球界に根付くことを希う」

これ自体に異存はありません。私の力点は「そもそもそんな状況を作らないよう、お別れ登板やお別れ打席は公式戦以外でやることを願う」ことにありますが、当事者たちがどうしても公式戦でやりたいのなら、nobioさんが希望するような心性でやってほしいとは思います。無理やり空振りするのは始球式だけで十分。

「お別れ登板」に立ち会う打者よりも、「お別れ打席」に投げる投手はもっと難しいのが現状だろうと思います。変化球を投げてはいけないという不文律があるようですし、四球などもってのほか。凡退させてしまってもバツが悪い、という雰囲気を感じます。

>しかも何より佐々岡自身が「打たれて吹っ切れたよ。気持ち良かった」と言ったようです。この手の表明が少しずつでも影響力を持てば、

引退する投手が試合に先立って「立ち会ってくれるバッターには、僕も思い切り投げるから、思い切り打って欲しい」などと話し、それが当日朝のスポーツ紙に載っているとよさそうですね。1人で解決できるシンプルで効果的な対策です。

>批判と好き嫌いはそんなに違うものではないと思います。

私はかなり違うものだと思っています。と書いたところで気付いたのが、「一方が『どっちでもいい』と思ってそのような書き方をした事柄を、他方が『とても重大』と捉えたことから始まる議論は、こじれやすいのだな」ということです。いい勉強をさせていただきました。

投稿: 念仏の鉄 | 2007/10/26 02:06

わかりやすい話題でわかりやすい対立軸があるのに、なんか変な感じになりましたね。
バイオリズムの噛み合わせが悪かったのでしょうか。内容だけ要約すると

●あの佐々岡の使い方はイカンと思う。
○私はむしろ村田のメンタリティの方を変えて欲しい。
●当事者がそこまで割り切れるものかどうか。
○それは私の意見にもテツさんの意見にも言えることじゃないですか。
●しかしイカンと言うなら客観的論拠が必要でしょう。
○「村田が気の持ちようを変えればいい」というのが「現に村田が辛かったと言ってるんだから佐々岡の使い方がイカン」に比べて客観性が低い、と言えば低いのかも知れませんが、まあしかし、大した差はないのでは」

という会話だったと、今のところ理解してますが、違ってたらご指摘ください。

投稿: nobio | 2007/10/27 17:53

うーん、しっくりこないですね(笑)。
しばらく考えて浮かんできた「噛み合わない部分」を記しておきます。

1)「佐々岡の使い方」と「村田のメンタリティ」は別の問題で、それぞれ別個に論じた方がいいと私は思っています。
しかし、要約の最後の○の部分にも出てきますが、nobioさんは「村田についてこう言うのなら佐々岡についてもそうでしょ」とその2つをリンクさせ、比較の中で議論を進めようとする。その理屈の筋道が私には見えにくいのです。「仕掛けた側」と「仕掛けられた側」を同列に語ることにも違和感を感じています。

2)私が「客観性のある論拠」云々と言い出したのは、「批判」という表現が「好き嫌い」に転じたことに対してです。その後でnobioさんから、自分は「批判」と「好き嫌い」は大差ないと思っている、との表明がありましたから、この議論の中ではそのことは棚上げにしています。
ただし、私にとってはそれが大きな対立の端緒だったのですが、要約では「批判」という言葉が抜け落ちています。やっぱりこれは「一方が『どっちでもいい』と思ってそのような書き方をした事柄を、他方が『とても重大』と捉えたことから始まる議論」(このくだりは、「批判」の語義についての相違について書いたつもりでした)だったのだな、と改めて思います(笑)。

3)私はもともとのエントリでは、村田の心境について書いていません。村田の心境を忖度するコメントへのレスとして、村田の気持ちに触れているだけです。
ですから、「現に村田が辛かったと言ってるんだから佐々岡の使い方がイカン」と要約されると、そう書いたのは馬場さんで私じゃないんだけどなあ、と思います。
 
 

で、たぶん、そういう細かいことを別にすると、肝になるのはこの辺ですかね。

>●当事者がそこまで割り切れるものかどうか。
>○それは私の意見にもテツさんの意見にも言えることじゃないですか。

私の「あの佐々岡の使い方はイカン」という意見には「公式戦での勝敗やタイトルをお別れの儀式が影響するのはよくない」という論拠が示されています(中身の是非はひとまず措きます)。
で、nobioさんの「村田のメンタリティの方を変えて欲しい」という意見には、当初は論拠が示されていませんでしたが、話が進むうちに「プレーする以上はポジティブにやってほしい」という論拠が出てきて、さらに「ポジティブにできる風土になってほしい」という一回り拡げた話にもなりました。
で、そういうことであれば私も同感なので、議論は実質的に決着している、ということだと思います(笑)。

投稿: 念仏の鉄 | 2007/10/29 11:05

>そう書いたのは馬場さんで私じゃないんだけどなあ
>私の・・意見・・は「公式戦での勝敗やタイトルをお別れの儀式が影響するのはよくない」

それはそうなんですが、佐々岡のは勝敗に影響してません。残るは個人タイトルの問題ですが、「『非常に失礼』という表現はいささか過剰でした」とおっしゃった時点で「公式戦でのタイトルにお別れの儀式が影響するのはよくない」という話は撤回されたのかと思ってました。思ってましたが、考えてみれば「いささか」と書いてあるのですから、全面的に気が変わったと解釈した私が間違ってました。「由伸やウッズに失礼とまでは言わないが、とにかくタイトルに関わるところにセレモニーを絡めないで欲しい」ということでしょうか。なるほど。

ゆうべから「完全試合目前の山井を八回でなぜ代える」という話が世間で盛り上がってるのを見て思ったんですが、野球ファンには「勝敗と個人記録を同列に重要と考える人」と「あくまで勝敗が主で記録は従。記録に配慮して采配が影響を受けるなんて本末顛倒と考える人」の2種類がいるんでしょうか。私はこの点、「タイトル争いがあるからと言ってそれが采配に影響するということは」云々、という、2007/10/10 18:12の投稿に同感のほうです。

それと、正直言って今のところ、「プレーする以上はポジティブにやってほしい」というのが「論拠」と呼べるのであれば、「爽やかに(あるいは神妙に)語る手だってあったじゃないか」とか「暗いコメント」とか「佐々岡もその方がよほどしみじみうれしいと思う」とかが、どうして論拠と呼べないのかわからないのですが、なんとなくわかるような気もするので、自分で考えてみます。

投稿: nobio | 2007/11/02 18:28

>nobioさん
>野球ファンには「勝敗と個人記録を同列に重要と考える人」と「あくまで勝敗が主で記録は従。記録に配慮して采配が影響を受けるなんて本末顛倒と考える人」の2種類がいるんでしょうか。

昨日のケースでは、「中日の日本一」が見たい人と、「山井の完全試合」が見たい人の2種類がいたということではないでしょうか。「記録を狙ったら勝利が危うかった」と考えるかどうかで判断が分かれる気がします。マメの程度がわからないのでその件を棚上げすれば、勝利のためには山井続投が有効、と考える監督だっているかも知れませんし。

投稿: 念仏の鉄 | 2007/11/02 22:32

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