« “ジャイアンツ愛”のバトンをつなぐ者。 | トップページ | まだそんなこと言ってるんですか、中日の偉いさんたちは。 »

またですか。

WBC代表候補、中日勢4人全員が辞退(読売新聞)

<国内組では、中日から選ばれた4人全員が辞退。WBCには12球団が一致して協力することを確認しているだけに、原監督は「事情はあるでしょうが、一人も協力者がなかったことは寂しいものがある」と残念そうに話した。
 中日の白井文吾オーナーは「北京五輪に全面協力したが、選手が体調を崩し、後遺症が大きかった。WBCにも協力すべきと思うが、うちはけが人が多い」と説明した。>


WBC 主力級含めた辞退、「最強軍団」構想に暗雲(毎日新聞)

<しかし、理由を明示せず、ただ辞退というのはいかがなものか。原監督によると、ある球団は候補者全員が辞退し、その球団の別の選手に要請したところ、また断ってきた。そこまでくると、チームとして何らかの力が働いているとみられても仕方あるまい。>

 中日は、第1回WBCに際しても、選手の派遣に関して非常に消極的だった。中日スポーツの記事は、<断腸の思いで“名誉欲”を断ち切ろうとしている>と出場辞退を賛美するかのようなトーンで伝えていた。
 
 
 第1回大会の前後、雑誌の記事などでは、「読売の商売に付き合う必要はない」というような匿名の他球団関係者の声がしばしば報じられていた。WBCアジアラウンドで読売新聞が、大相撲でいう勧進元のような立場で事業を仕切っていることについての見解だ。

 NPB全体で取り組むべき事業を一球団の親会社が単独で開催するのはおかしい、という考えがあるのなら、それは正論だと思う。
 だから、もしそういう不満を抱いている球団があるのなら、NPBの実行委員会で声を上げ、希望球団が持ち回りで勧進元を務めるようにするとか、NPB自身が勧進元として興行が打てるようにコミッショナー事務局の機能強化をはかるとかを訴えて、行動計画を提言すればよい。
 主張が容れられなければメディアやファンに問うてみるのもよい。そんな球団が現れたら、私は支持する。

 「日本代表の試合を東京だけで開催するのはおかしい。名古屋で開催すべきだ」(大阪でも福岡でも仙台でもよいが。いや3月の仙台では寒すぎるか)と主張する球団があってもいいと思う。東京以外で開催されれば私個人にとっては不便になるが、そのことに反対しようとは思わない。

 だが、現実にはそんな球団は現れない。
 現れるのは、故障を理由とした出場辞退者であり、「どうせ読売さんの商売でしょ」というような匿名の声(を報じる新聞・雑誌)だけだ。

 「寂しいものがある」という原監督のコメントに同意。
 
 
 
関連エントリ <まだそんなこと言ってるんですか、中日の偉いさんたちは。

|

« “ジャイアンツ愛”のバトンをつなぐ者。 | トップページ | まだそんなこと言ってるんですか、中日の偉いさんたちは。 »

コメント

http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/200811/CK2008112302000057.html

中日球団サイドの主張が出ていました。
何故それを述べるのが監督なのかはよく分かりませんが、これを選手個人レベルの問題としてみれば確かに筋は通っているかもしれません。
しかしこれだけでは、例えば親会社レベルにおける読売と中日との対抗意識によるもの、あるいは鉄さんの書かれるように大会(の予選)運営レベルでの抗議もどきの反発ではないかという疑念は払拭されませんね。

万が一本当に、候補になった中日の選手四人が「たまたま偶然四人とも」辞退する意思だったのなら、じゃあ中日球団サイドとしてどうすればよかったんだという話でもありますが。
だとしたら代表側が候補を選考する前に選手一人一人から「出られる・出られない」を申告させて(同窓会の通知みたいだ)、出られると応えた中から候補を選ぶべきだったんでしょうか。

投稿: k | 2008/11/23 10:24

寂しいものがありますね。

でも、やっぱり監督人事のあのあからさまな読売私物化をみると、中日を責める気にはならないんですよねー。

王さんを利用して、ファンの意思は一顧だにせず監督を決められると、選手や球団にだけ日本を代表するのだからあらゆるリスクを我慢して奉公しろとは言えませんよね。

オリンピックでのけが人の無茶な起用法とかも全く総括されていないのですし、辞退した選手や球団に非国民的な言われない罵声が浴びせれないといいな思います。

投稿: law | 2008/11/23 17:45

>kさん
>だとしたら代表側が候補を選考する前に選手一人一人から「出られる・出られない」を申告させて(同窓会の通知みたいだ)、出られると応えた中から候補を選ぶべきだったんでしょうか。

四十数名の候補選手を選んで年明けに発表し、さらに最終メンバーに絞る、という選考過程の中で、現在はまさにそういう作業(候補選手の意思確認)をしているところです。
ですから、その段階で断る選手が出てくるのは当然起こり得ることであり、辞退したからといって選手が批判される筋合いはありません。それは原監督や代表スタッフも判っているはずです。
にもかかわらず原監督や山田コーチが(テレビ画面で見る限りでは)硬い表情をしていたのは、最初にオファーした4人が全滅、代わりに打診した選手もNGで、それぞれ理由の説明もない、という中日球団の対応の素っ気なさも影響しているのだと思います。エントリにも紹介した通り、第1回大会でも、やる気のなさを思い切りアピールしていたわけですから、何らかの意思があるように見えてしまうのは仕方ないでしょう。

落合監督は、現役時代から国際試合には興味のない人で、それは監督になった今も言動の端々からうかがえます。ご紹介いただいた記事での発言からも同様です。今に始まったことではないので今さら失望もしませんが、この人のこういう物の言い方にはげんなりする時があります。今もそうです。

普段からこういう態度を明らかにしている監督の下にいる選手、とりわけ来年も使ってもらえるかどうかわからない若手選手が「WBCに出たらチーム内で不利になりそうだな」と考えて尻込みする心境は想像に難くありません。

そういう意味では、全員辞退という結果に監督の意思が影響を及ぼしている可能性を、はからずも落合監督の反論会見が示してしまったという印象を受けます。ま、現役時代の落合選手であれば、球団や監督から何を言われようと自分がしたいようにしたのでしょうけど。
 
 
>lawさん
>王さんを利用して、ファンの意思は一顧だにせず監督を決められると、

二つ疑問があるのですが、まず、代表監督の選考がファンの意思に左右される必要があるのでしょうか。
日本のあらゆる競技において、代表監督の選考にファン投票の結果を採用したというケースを私は寡聞にして知りません。他国でも同様です。

ただし、今回のWBCの監督人事においては、当初名前が挙がっていたらしい星野仙一という候補者に対しては、野球界の内外から強い反発がありました。それが回避されたという点においては、ファンの意思が反映されていますから、「一顧だにせず」という認識は妥当とは思えません。

第二に、「ファンの意思」とは何でしょうか。
私は、原辰徳という選択肢を比較的妥当なものと考えて、決定以前にこのblogで候補の1人に挙げたことがありますが、私の考えは「ファンの意思」とは認めていただけないのでしょうか。とすれば、あなたがおっしゃっているのは誰のどういう意思のことですか?

例えばYahooが行ったアンケートでは、野村克也、落合博満、王貞治、古田敦也という順位になりました(この4人が10%以上の得票)。
http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/quiz/quizresults.php?wv=1&poll_id=2579&typeFlag=2

しかし、野村監督は「原や落合」「イチローがやればいい」、落合監督は「野村監督がいい」とそれぞれ報道陣の前で他人の名を挙げています。これは「自分は監督をやる意思がない」と表明したのと同じことですから、彼らが選考対象から外れるのは当然です(彼らのような影響力のある人物がこういう発言をしたことは、代表監督人事が罰ゲーム的な雰囲気をまとっていく上で、少なからぬ影響を及ぼしたと私は思っています)。王さんは健康上の理由で無理。古田は監督としての能力を実証したことがない。あまり現実的でないアンケート結果であり、反映させることは困難です。


で、lawさんご自身は、代表監督は誰がいいとお考えだったのでしょうか?

投稿: 念仏の鉄 | 2008/11/23 22:00

中日球団の対応は、「商売人の論理」として間違っていると感じます。

WBCは、全開日本が優勝したことで、40%以上の視聴率が期待できる「お化けコンテンツ」に大化けしました。
当然、その予選も相当の視聴率が期待できるコンテンツであり、高い商品価値を持つのですから「職業野球」の球団として「分け前」を要求するのが当然です。高い給料を払っている選手を対価なしに出せという方が間違っているのですから、堂々と「選手供出フィー」を要求すべきです。

そのへんを曖昧にしたまま「花相撲」みたいな勧進方式で予選が開催されるから、こういうウジウジ、ジトジトした話になる。中日のケツの穴の小ささも不快ですが、「ビジネス」としての基本的な部分においてスッキリ整理しない読売球団の体質の古さにも、いささかうんざりいたします。

投稿: 馬場 | 2008/11/23 22:31

辞退者が非難されるのは、行く人はほんとは行きたくないのに我慢して行くのだ、と言われてるのを見るようで、たまりませんね。じゃあやめりゃいいのに。例えばサッカーだったら、「●●さんが欠けるのはチームとしてはマイナスかも知れんけどオレにとってはチャンスなんで、アピールしていきたいですね」とかみんな言うに違いないと思うのですが、野球界ではそうでないとしたら、チームとして辞退すりゃいいのではないでしょうか。私の意見は

『今回、出る人が使命感を抱くのはもっともです。しかし「出る人は本音はイヤなのにそれを押して悲壮な貴い自己犠牲精神で野球界のために行くのだ」みたいな空気が形成されるのは異様だし、そんなんじゃ子供の明るい夢にもならないでしょう。辞退者への非難(清武代表みたいな)はどうしてもその雰囲気形成に加担する面があるので、なんかイヤーな感じがするんですよ。行くんなら「オレが行きたいから行く」という姿で行っていただきたいものです』

から、ぜんぜん変わってません。208/11/23日のトーチュウ一面は落合博満が「アメリカに行ってる連中が辞退してもなんら問題視せず、上原や宮本が『代表卒業』とか『代表引退』とかいう言い回しで辞退するのも問題視せず、森野や岩瀬が辞退するとなんでメッタ切りなのか」と語ったと、書いています。

投稿: nobio | 2008/11/23 22:35

>馬場さん
>高い給料を払っている選手を対価なしに出せという方が間違っているのですから、堂々と「選手供出フィー」を要求すべきです。

ううむ。相当な利益を生み出しているサッカー日本代表においても、代表選手が所属するクラブに「選手供出フィー」を支払っているという話は聞いたことがありません。そこまでやっていたら、たぶん代表チームの活動など経済的に成り立たないでしょうね。WBCそのものの出場料(MLBから支払われるもの)は、前回の配分比率だとあまり大した額ではなさそうですし、成績によっても金額はかなり変動しますし。

ただし故障時の補償については当然必要ですから、球団も選手会も納得いくまでNPBに要求し、とことん議論した方がよいと思います。現時点であまり話題に上っていないのが心配なくらいです(前回の大会中にケガをした岩村や川崎への補償はどの程度のものだったのかも気になるところです)。

読売新聞が興行主となるアジアラウンドで前回どれだけの収益が挙がり、どう配分されたのか、今回はどういう仕組みになっているのかはよくわかりませんが、そのへんはNPBの内部で各球団納得がいくまで議論してもらえばよいと思います。
 
 
>nobioさん
辞退者が非難されてますか?

今回、批判の対象となっているのは、辞退した選手ではなく、球団だと思います。個々の選手を非難する記事を私は目にしていませんし、私自身もそんな気はありません。

もちろん「全員辞退したのは球団の意思が働いているのではないか」というのはスポーツ紙の推測に過ぎませんから、落合監督が反発することには合理性があります。しかし、上記リンク先の11/23付の中日スポーツに掲載された記事(トーチューと同じソースだと思いますが)を読むと、この人はもともとWBC日本代表に協力する気なんか全然ないんだろうなあ、という印象も受けます。

落合監督の発言ですが、

>アメリカに行ってる連中が辞退してもなんら問題視せず

現時点でMLB選手に辞退者はいません。前回大会での辞退者は、かなり問題視されました。

>上原や宮本が『代表卒業』とか『代表引退』とかいう言い回しで辞退するのも問題視せず

第1回大会では開催年にMLB入りする選手は選ばれませんでした。そりゃ無理だろう、と多くの人が納得するケースなのだと思います。上原の場合もそうなる可能性が高いと思われています。
宮本は…もう38ですからねえ。そりゃ落合さんは44まで現役だったかも知れませんが。

また、中日スポーツの記事の方にはこういう発言がありますが、

>ウチは前のWBCにも行かせているし

行かせた人数より断った人数の方がずっと多かったのは、本文中にリンクした3年前のエントリに紹介した通りです。


投稿: 念仏の鉄 | 2008/11/23 23:54

あまり鉄さんの意見に異を唱えていたつもりじゃなかったんですが、文章が上手じゃないので不快な思いをさせてしまったかもしれません。

たしかに代表監督をファン投票で選ぶべきではありませんよね。私は野村監督のファンなのであまりに読売主導(巨人出身の監督2人、日本テレビの解説者、ナベツネさん推薦の星野監督に最後に申し訳程度に野村監督)の監督選考で、野村監督がファン投票一位だったのにもかかわらず王さんが申し訳程度に聞いただけってので野村監督が各所で凹んでいる(TBSのニュース番組や元NHKのアナウンサーさんのラジオ番組のインタビューだので)のを見てたのでちょっと感情的になってたかもしれません。でも、原監督が決まって星野監督よりは断然ましになったなと思っています。

ただやっぱり、相当の私物化をやっておきながら、いざ選手や球団が断ると「日本」とか「一致団結」を持ち出してくるのは卑怯な感じがするんですよね。それをいうなら自分たちも監督人事や苦労を伴う改革、たとえばストライクゾーンやボールを国際標準に合わせていくとか、をしていった上で選手や球団に協力を求めているんならわかるんですけどねー。

あと鉄さんはしていないので鉄さんには関係ありませんがネット上では辞退している選手に対する批判的な言動とかも散見できて、さみしい気持ちになっていたってのもあります。

鉄さんの普段のエントリーにはいつも頷くばかりでロムに徹していたんですが、今回はちょっとだけ読売寄りの視点すぎるかなーと思いコメントした次第です。

なんか思っていることが上手くかけずただイタズラに長くなってしまいました。ご容赦を。

投稿: law | 2008/11/24 00:59

>そこまでやっていたら、たぶん代表チームの活動など経済的に成り立たないでしょうね

なるほど、そうかもしれません。

ただ、前回の視聴率的大成功を踏まえて、WBC本選の放映権料は相当高いものになるはず。特に巨大市場・日本での放映権は高騰するはずです。日本国内の放映権料くらいは寄越せ、とNPBはMLBに要求すべきですよね。それがフェアネスというものだと思います。

少なくともNPBはMLBにWBCの収支を公開させるべきです。それで「大儲け」していたら、応分の分け前を要求するのは、職業スポーツの論理として当然のことです。(そんな当たり前のことをしなかったら背任行為だと思います。)

投稿: 馬場 | 2008/11/24 09:03

>lawさん

こちらこそ失礼しました。丁寧なレスをありがとうございます。

>あまりに読売主導(巨人出身の監督2人、日本テレビの解説者、ナベツネさん推薦の星野監督に最後に申し訳程度に野村監督)の監督選考

・巨人出身の監督2人=ソフトバンクホークス最高顧問と、前日本ハムGMで現ヤクルト監督
・日本テレビの解説者=近い将来、広島の監督就任が確実視されている広島の有力OB
・ナベツネさん推薦の星野監督=中日の有力OBにして阪神のシニアディレクター

…と、まったく違う表現もできるわけですが、これは人によってそれぞれ見方があるでしょう。
(監督・コーチ陣の過半数がNHKの解説経験者ですから、「コーチ人事はNHK主導」とも言えそうです)
ただ、王さんが読売に利用されている、という言い方は、王さんに対して失礼ではないでしょうか。ジャイアンツ退団の経緯やその後の経歴を見れば、そう簡単に言いなりになるとは考えにくい、と私は思っています。


野村さんが代表監督になること自体は面白いと思います。興味も期待ももてる人事です(落合についても同じです)。
しかし、彼は選考のテーブルに招かれたにも関わらず、選考過程でノイズを撒き散らしすぎました。彼自身の言によれば会議の席ではほとんど発言せず、それでいて会場の外では内情やら意見やらを雄弁に語る。選考する側としては、こういう人物には任せにくい。選ばれたいと本気で思っている人なら、ああいう言動をしないものです。

結果的に野村さんは自ら万年野党であることを選んでしまっている。後でテレビカメラの前で凹んで見せるくらいなら、最初から余計なことを言うべきではないのです。すべては「俺はやりたかったのに外された」というポーズをつけるための伏線だったのではないかと邪推したくもなります(私はグラウンドやベンチ内での野村監督は評価し尊敬していますが、彼のメディアに向けた言動や文筆活動には感心しないことが多いです)。
 
 
>それをいうなら自分たちも監督人事や苦労を伴う改革、たとえばストライクゾーンやボールを国際標準に合わせていくとか、をしていった上で選手や球団に協力を求めているんならわかるんですけどねー。

ストライクゾーンの国際標準化などはNPBの問題であり、たとえば中日もその一員であって当事者です。読売が決めることではありませんし、選手の供出と引き換えに要求するような性質のことではありません。

というようにlawさんが「こうあるべき」とお考えのことの多くはNPBがやるべきことなのですが、そこが読売とごっちゃになっている。そういう人は多いのではないかと思います。

もちろん、ごっちゃにされるようなことをやっている側にも問題はあります。歴史的経緯として言えば、日本のプロ野球は、読売新聞という一企業が全てのリスクを背負って枠組みを作り、そこに参加者を募って始めた事業体です。もともと「私物」なんです。その枠組みからいまだに脱却できていないのが現状です。

私物意識が抜けずに全部自分で仕切ろうとする側が悪いのか。面倒な土木工事は他人任せにして美味しいところだけ味わおうとする側が悪いのか。もちろん、どちらも悪いのです。しかし、後者に関しては多くの人が見過ごしているように思います。

玉木正之氏が、あたかも「公共財であるべきプロ野球を読売が私物化した」かのような幻想的な言説を振り撒き、その枠組みに乗った人が多かったことも、その一因でしょう。読売以前にもプロ野球リーグを創設する試みはいくつかありましたが、すべて失敗しました。読売の私物として始まったリーグだけが生き残ったのです(70年経って、ようやく独立リーグという形で増えてきました。これは喜ばしいことです)。
玉木氏が言うような理想的な過去など、どこにも存在しません。今あるプロ野球を手直しして理想に近づけていくしかないのです。

とはいえ、長い目で見れば、読売もリーグの一員、12分の1に退くべきだと思います。WBCの予選ラウンドを1球団の親会社が主催するというのは、あまり好ましい形ではありません。MLBのように、NPBがWBCやアジアシリーズ、日米野球、オールスターゲームなどを自ら主催できるようになればよい。先日のオーナー会議ではNPBの株式会社化が話題に上ったようですから、いずれそういう方向も出てくると期待しています。
しかし、今はどこかがやらなければ実現しない。読売がやらないのならどうすればいいのでしょう。電通あたりに任せる、というのもひとつの手ではありますが、電通さんがサッカー日本代表がらみの仕事で時々たいへんに批判を受けているのはご存知の通りです。ほかに選択肢があるでしょうか。さしあたり今は思いつきません。
 
 
長々と書いてしまいましたが、要するに、<読売私物化>というのは、一種の思考停止ワードになってしまっていると私は思うのです。「読売が悪い」という考え方の根底には「読売は公正中立に仕切れ」という主張があり、それはつまり「読売が仕切る」という現状を肯定しているのと同じことです(<官僚が悪い>という表現もまったく同じですね)。

そんな不毛な言辞を繰り返すよりも、読売が仕切らなかったらどうなるのか、そして、読売が仕切らなくてよいプロ野球界の在り方を考えてみた方が、生産的だし面白いと私は思っています。

このエントリが<読売寄り>だというのはご指摘の通りです(最終的には“NPBの読売からの自立”を奨励する内容ですが)。反発する人も多いのでしょうけれど、少しはこういう考え方にも耳を傾けていただき、例えば「WBCアジアラウンドの興行を読売が独占するのは私物化だ」というだけでなく「ではどういう形でやるのがよいのか」というところまで踏み込んで議論してもらえたらいいと思っています。

 
>ネット上では辞退している選手に対する批判的な言動とかも散見できて、

そうですか、それは寂しいことですね。
私は第1回大会で辞退者が続出した時にはかなり厳しく批判しました。それは、日本代表チームのステイタスを確立することは日本のプロ野球の存続にとってきわめて重要であり、2004年のストライキを実行した選手たちはそこに貢献する道義的責任を負っている、と考えていたからです。
プロ野球の存続が安泰かどうかは別として、代表チームのステイタスが当時とは比較にならないほど高まった現在は、代表の重みがわかっていない選手は少ないでしょうから、辞退するなら相応の事情があるのだろうと思っています。
 
 
>馬場さん
>少なくともNPBはMLBにWBCの収支を公開させるべきです。それで「大儲け」していたら、応分の分け前を要求するのは、職業スポーツの論理として当然のことです。

参加国に対する報告はあって然るべきです。すべてを一般にまでオープンにする必要はないと思いますが。
第1回大会についていえば、おっしゃるように「大儲け」したのかどうか。日本ラウンドでは、日本絡みでない3試合はガラガラ、日本戦ですら満員になったのは韓国戦だけでした。米本土での試合も第2ラウンドあたりはあまり客が入ってませんでしたし、アメリカでのテレビ中継もさほど活発ではなかったようです。

投稿: 念仏の鉄 | 2008/11/24 13:28

丁寧なレスありがとうございます。

<読売私物化>というのは、一種の思考停止ワード

この言葉がちょっと痛い所を突かれた感じです。その視点からちょっと改めて考え直してみたいと思います。

私の脳内ではNPB=読売の傀儡みたいなものが絶対的なイメージになっちゃってる面は否定できません。鉄さんのエントリーは、中日も不満があるなら不参加よりも興業元になれってことですもんね。どうやったら他の11球団も参加した形にできるのかは、ど素人の私にはわかりませんが、読売批判一本槍よりはそちらの思考法の方が建設的であることは間違いないと思います。

私は道産子なので近年の野球人気凋落ってのは実感できないんです。日ハム頑張って北海道野球好き増えてますんで。なのでそろそろ読売の影響力も落ちてきていることですし一極集中はやめて12分の1になってほしいところです。それには他の11球団が何かをしていかなきゃいけないんでしょうが、何をしたらいいのかはわからないんですよね。だからそこを考えるのが億劫だから思考停止ポイントになってるのかもしれません。

投稿: law | 2008/11/24 17:14

>lawさん
そんなふうに受け止めていただけると嬉しいです。

創業者だということ以外にジャイアンツの発言力の源泉となっていたのは、端的に言えば対ジャイアンツ戦がもたらす入場者であり放映権料でした。
しかし、今は自前で観客を集められる球団も増えてきましたし、ジャイアンツ戦の視聴率は下がり、テレビ中継そのものが少なくなってきました。つまり、経済的にはジャイアンツに依存しなくてもよい球団が増えてきたわけですから、構造改革ができる状況になりつつあります。野球協約によれば、オーナー会議も実行委員会も議決方法は多数決(前者は四分の三以上、後者は三分の二以上の賛成による)です。

プロ野球経営をスポーツビジネスとして捉え、親会社依存ではなく地域に根付くことで自立した経営を目指す球団は確実に増えています。そいう球団が多数派になれば野球界はもっとよくなるでしょう。
千葉ロッテや楽天、そして北海道日本ハムはその代表格ですし、そういう球団が成績と営業の両面でよい結果を出すことによって、その発言力は大きくなっていくはずです。

ですから、lawさんが北海道にお住まいであれば、日本ハムを球場で応援し、意見を球団に伝えていくことが、長い目でみればプロ野球をいい方向に向かわせる糧となるはずです。迂遠で気の長い理想論ではありますが(笑)、結局はそれが確実な道なんじゃないかと思いますし、例えば危機的な局面で大きな力を生み出すのも、そういう下地があってこそのことです。スポーツビジネスでもっとも強いのは満員のスタンドなのですから。

投稿: 念仏の鉄 | 2008/11/25 08:10

>辞退者が非難されてますか?
>個々の選手を非難する記事を私は目にしていませんし、私自身もそんな気はありません。

非難されてると思いますが、私の誤解であればなによりです。
「nobioは球団の方針で辞退した、寂しい」とか言われたら、私だったら非難されてるように感じますが。

>前回大会での辞退者は、かなり問題視されました。

そうですか。私の印象とはずいぶん違いますね。私の印象では、
個々の選手(例えば松井秀喜)を非難する記事をあまり見ませんでした。しかし今にして思えば、
「nobioは球団の方針で辞退した、寂しい」とか言われたら、私だったら非難されてるように感じたでしょうが。

>第1回大会では開催年にMLB入りする選手は選ばれませんでした。
>そりゃ無理だろう、と多くの人が納得するケースなのだと思います。

なぜですか。
本人の不利益になるからですか。

投稿: nobio | 2008/11/28 05:27

今回の件、WBCの背景を調べてみると辞退する選手の気持ちがよくわかりますよ。協力させられてる(脅迫されている)のは選手ではなくNPBのようですよ。

ニュートラルポジション メジャーリーグに脅されてるね
http://redhotmuzik.blog12.fc2.com/blog-entry-113.html

日本参加未表明のまま、WBCが厳しい船出
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/mlb/column/200803/at00016719.html

投稿: atz | 2008/11/28 09:42

>nobioさん
そうですか、では非難されているんでしょう。
すみませんがこの議論には全然興味が持てないので私はここで降ります。

落合談話についてのコメントは感情的になって書いたので不適切な表現もあるかと思います。あの日の落合会見は、球団と自分を免責した時点で筋違いな世界に入っているので、細部を論評すること自体が無意味だったと後悔しています。


>atzさん
WBCはMLBが独善的かつ独裁的にやっている歪んだ大会だから選手は辞退してもいい、とお考えですか。中日のオーナーと似たご意見ですね。

そういう意見に対する私の見解は次のエントリに書いてあります。あなたがこのコメントを書いた時にはすでにアップされていたはずですがね。

投稿: 念仏の鉄 | 2008/12/01 08:59

>そうですか、では非難されているんでしょう。
>すみませんがこの議論には全然興味が持てないので私はここで降ります。

えーと・・・・・
私は鉄さんが自発的な興味によって発信された記事について反応したつもりなので、
「この議論には全然興味が持てないので私はここで降ります」と言われると
まことにとまどうのですが、うーん・・・・・えーと・・・・・

つまり「今回辞退者が非難されてるかどうかについては興味がない」ということでしょうか。
私は「辞退者が非難されてますか?」と聞かれたからそれについて感想を述べました。
聞いておいて返事を言わせてから「この議論には全然興味が持てないので私はここで降ります」
と言われるとまことにとまどうのですが、まあ気にせずに流せばいいのでしょうか。

投稿: nobio | 2008/12/05 05:35

>nobioさん
>つまり「今回辞退者が非難されてるかどうかについては興味がない」ということでしょうか。

そういうことです。
「辞退者が非難されてますか?」という1行が余計でしたね。すみません。

投稿: 念仏の鉄 | 2008/12/06 11:59

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/50507/43186304

この記事へのトラックバック一覧です: またですか。:

» [野球]WBC代表に中日ドラゴンズ所属選手が全員辞退〜2008年11月22日の野球ヘッドライン [昨日の風はどんなのだっけ?]
asahi.com(朝日新聞社):中日・岩瀬ら4人WBC辞退 落合監督「本人断った」 - スポーツ スポーツナビ|原構想崩壊…中日勢がWBC全員辞退 スポーツナビ|選手個人の判断と落合監督 WBC代表候補辞退で たまたま中日の選手が、全員個人の判断で全員辞退しました…... [続きを読む]

受信: 2008/11/26 21:04

« “ジャイアンツ愛”のバトンをつなぐ者。 | トップページ | まだそんなこと言ってるんですか、中日の偉いさんたちは。 »