続・プロ野球に二軍は必要か。
広島カープの育成選手に、ディオーニ・ソリアーノというドミニカ人投手がいる。先月末、7月28日に育成選手契約を結んだばかりの若手だ。
彼の出自は、カープ公式サイトの発表にはドミニカ共和国であることしか記されていない。カープでドミニカといえば当然アカデミー出身。ただし、彼はアカデミーから直接来日したわけではない。日本でプレーするのは現在3シーズン目になる。
2007年に高知ファイティングドッグス、08年は長崎セインツ、そして今年は徳島インディゴソックス。広島カープから派遣という身分で四国・九州アイランドリーグのチームでプレーし、3年目の今年、シーズン途中で育成契約に漕ぎ着けた。
インディゴソックス公式サイトを開くと、ソリアーノの広島入団を報じる記事があり、彼を指導した人々の談話も寄せられている。それらを読むと、この3年での成長の跡を感じさせる。
徳島インディゴソックスは今季、ソリアーノを含む3選手の派遣を広島カープから受け入れている。
カープはかつて、ドミニカアカデミー出身の選手を台湾プロ野球に預けて実戦経験を積ませる、という育成手法をとっていた。95年に1年だけ広島で大活躍した後、レッドソックスに移籍したロビンソン・チェコも、台湾経由で一軍に上がった選手だ。
今は台湾の代わりに、実戦経験の場を独立リーグに求めている、ということのようだ。台湾プロ野球の治安悪化や組織の弱体化、独立リーグの実力向上などの要因が背景にあるのだろう。
私は当blogで2005年11月に<プロ野球に二軍は必要か。>というエントリを上げ、その中で次のように書いた。
<二軍を削減した分、若い選手を独立リーグに派遣したってよいではないか(かつて西武がアメリカのマイナーリーグに選手を派遣していたように)。>
もちろん、広島カープは二軍を削減してはいない。だが、私が想定した形に近いやり方で、独立リーグとの提携を進めている。それは必然的な流れだろうと私は考えている。
<プロ野球に二軍は必要か。>は、次のような当時の問題意識に基づいて書かれている。
a. プロ野球の選手育成力(特に高卒選手に対して)は、大学や社会人に比べて劣っているのではないか。
b. 二軍の維持運営コストが球団経営を圧迫しているのではないか。
c. 従来、高校卒業時にプロ入りできなかった選手を育成してプロ野球に送り込む機能を担ってきた社会人野球が、崩壊の危機にある。社会人が担ってきた育成機能を維持するために対策が必要ではないか。
この3つの問題に対するひとつの解として「現在の二軍を発展的に解消し、大学や社会人野球、独立リーグといったNPB外部の育成機関と連携して、野球界全体で選手の育成をはかる」という提言をしたのが、元のエントリだった(こんなに綺麗にまとまってはいませんが)。
古いエントリだが、今年になってコメント欄に頻繁に異論が寄せられるようになった。
議論に応じて関連事項を調べ直しているうちに、エントリを書いた後に起こった変化や、見落としていた事実に、いろいろと気がついた。当方の考えが深まった部分もある。コメント欄もずいぶんと長くなったので、このへんで一度、整理をしておきたい。
4年間での大きな変化のひとつが独立リーグだ。
独立リーグは、当時は四国アイランドリーグが誕生して最初のシーズンを終えたばかり。経営上の問題を抱え、翌年もリーグが存続できるのかどうかすら確証のない状況だった。
今も苦しい状況に変わりはないようだが、アイランドリーグは、ともかく5シーズン目の今年も存続している。08年からは福岡と長崎にもチームが生まれ、四国・九州アイランドリーグと名称が変更された。
2007年には北信越ベースボール・チャレンジ・リーグが生まれ、翌年は6球団に増えて名称もベースボール・チャレンジ・リーグ(BCリーグ)に変わった。
2009年には関西独立リーグが4球団で発足した。開幕早々にリーグから各球団への分配金未払いが表面化し、運営企業が撤退するというトラブルがあったが、今のところリーグは存続し、試合を続けている。
というわけで、経営上は楽観を許されない状況ではあるものの、エントリ執筆時に1リーグ4球団だった独立リーグは、現在では3リーグ16球団に増殖している(来季から関西独立リーグへの参入を表明している球団もある)。
一方、NPB球団が自チームの選手を独立リーグに派遣する、という事例は、まだ実現してはいない(広島カープが派遣しているのは、球団と選手契約に至っていないアカデミーの選手だ)。
積極的な姿勢を見せていたのは、千葉ロッテマリーンズだ。
2007年6月に、経営難にある高知ファイティングドッグスを買収して育成選手を派遣する、という構想が報じられたことがあった。しかし、まもなく瀬戸山球団社長が「実行は困難」と発言し、具体的な動きには至らなかった。
千葉ロッテはこの年のオフ、育成選手を徳島インディゴソックスに派遣するという構想を立て、プロ野球実行委員会に諮った。社会人野球の団体である日本野球連盟にも相談に行ったようだ。だが、社会人サイドからは反対され、実行委員会でも結論には至らなかった。Wikipediaの千葉ロッテの項によれば継続審議、という形だが、その後の実行委員会で検討されたか否かは報じられておらず、現時点でロッテがまだやる気があるのかどうかはわからない。
当時の新聞記事を読むと、この時の球団買収や選手派遣という構想は、アイランドリーグ側からロッテに持ちかけたものらしい。同リーグの鍵山社長は四国新聞の記事の中で<「資本参加やNPB(日本プロ野球組織)選手の受け入れなど、包括的な提案をさせていただいた中で浮上してきた話。何も決まっていなかった」><「さまざまな提携案を示す中で、一つでも前向きに進めばいい」>と話している。
そして、同時期に話をもちかけられた広島カープの鈴木球団本部長は<「球団買収の問題点は実行委員会で検討すべき。(各球団の出資は)これから可能性を探っていけばいい。育成選手の派遣は問題ないと思う」>(スポーツニッポン2007.6.20付)と、肯定的なニュアンスの談話を残している。この時点ですでに広島はドミニカアカデミーの選手の派遣を始めていた。
ロッテの中で、独立リーグの球団に資本参加して自チームの選手を派遣する、という構想に熱心だったのはバレンタイン監督のようだ。彼がよく知っているMLBのマイナーリーグと日本の二軍を比較すると、彼がやろうとしたことは理解しやすい。
実のところ、MLBには、日本の二軍にあたるものはない。
というと、多くの人の目には奇異に映るだろう。当然ながら「マイナーリーグがあるじゃないか」という反論が予想される。だが、経営主体という観点から見れば、アメリカのマイナーリーグと日本の二軍は大きく異なる。
日本の二軍はNPB球団内の一部門だが、マイナー球団はそれぞれが独立した企業だ。MLB球団と契約して選手を預かるという形をとっている。
実際にマイナー球団の経営に携わったアメリカ在住の白井孝明氏のblog<摩天楼便り>から引用する。
<マイナーリーグチームというのは、基本的には、メジャーリーグチームとは全く別の会社なり組織が所有および運営していまして、メジャーリーグチームとはPlayer Development Contracts(通称PDC)という選手育成のための契約を結んでいます。もう少し突っ込んだ話をいたしますと、メジャーリーグチームはマイナーリーグチームに選手の貸し出しを行っており、その代わりに、マイナーリーグチームは選手が試合を行うための施設等の環境を提供しています。ちなみに、選手の給料およびその他諸々の経費はメジャーリーグチームがカバーしていますが、その他の運営費等はほぼすべてマイナーリーグチームがカバーしています。>
マイナー球団にMLB球団が資本参加するケースもあるが、いずれにしても別会社だ。
つまり、「高知ファイティングドッグスに千葉ロッテが資本参加し、メジャー契約ではない自チームの選手を預けて、育成を任せる」というのは、MLBで確立している選手育成の仕組みに近い。
バレンタインは2006年6月(コメント欄からの推定)に、自身の公式blog<ボビーズ ウェイ>の<マイナーリーグについて>というエントリで、入団直後の若手が、一軍での出場に備えて調整するベテランと出場機会を争わなければならないことが、彼らの成長を妨げている、と説き、次のように書いている。
<各球団において2つのマイナーリーグチームが最低限用意されているべきだと思うんです。1つのチームは一軍でプレイしたことのない若い選手で構成されていて、他の若い選手と対戦し、そしてもしシーズン中でも能力が認められれば、次のレベルのリーグでプレイすることができる。
もう1つのチームは、若い選手に比べて経験もあってベテランの選手達で構成されていて、シーズン中はメジャーリーグでプレイするために調整をするためのもの。そして彼らの試合は一軍が通常プレイするスタジアムで、一軍の試合前に行うこともできると思います。>
現行の二軍を後者に、独立リーグを前者にする、というのがバレンタインの構想だったと思われる。
MLBから見れば、「日本の球団は70人とメジャー契約を結び、試合に出られない選手は自前の寮に住ませ、自前の施設で練習と練習試合をさせている」ということになる。すべてを自前でやることが唯一絶対の正解なのかどうかという検討は、なされてもよさそうなものだ。
一方、球団が自前で抱える選手を増やす、という逆方向の発想で進んでいるのが、育成選手制度だ。
ちょうど、元のエントリを書いた頃に、育成選手制度は誕生した。2005年のオフから選手が採用され、現在4シーズン目になる。初年度に採用されたジャイアンツの山口鉄也が、昨年は新人王、今年はWBC日本代表にまで駆け上がったことで、制度そのものも注目を浴びている。ジャイアンツでは外野手の松本哲也、隠善智也も育成出身だ。
(ジャイアンツのオビスポ、中日のウェン、阪神のバルディリスらも育成出身だが、外国人選手については同列で論じにくい面もあるので、ここでは措く)
育成選手は二軍の試合に出場することができるし、シーズン中に支配下選手登録されることもできる。年齢にも制限はない(中日は中村紀洋を育成選手として獲得した)。大学や社会人を経た選手も少なくない。支配下選手が育成選手に「格下げ」される事例もしばしば見られる。「若手」と言われているが、その球団の最も年齢の若い選手たち、というわけではない。
とすれば結局のところ、育成選手制度というのは、支配下選手70人枠の拡張、というのが本質のように思える。
だが、上述のように、各球団にはもともと40人前後の二軍選手がいて、実戦の機会に恵まれない選手もいるのだから、育成選手たちがさらに試合に出場しづらいことは容易に想像がつく。
近年、各球団から選手を集めた混成チーム「フューチャーズ」や、ジャイアンツとロッテの合同チーム「シリウス」が結成されているのは、二軍の中でも未熟な選手や育成枠の選手たちに試合経験をさせるためだ。
フューチャーズの対戦相手は、主にイースタン・リーグのチームだ(現在、同リーグは7球団が所属しているため、試合開催日に常に1チームが余る。その余ったチームと対戦する、というスケジュールが組まれている)。一方、シリウスはもっぱら、社会人(会社、クラブ)や独立リーグのチームと試合をしている。
従って、シリウスに参加している選手は、シリウスの活動中は「自球団とは別のチームに派遣され、自球団とは別の指導者に指導を受け、社会人や独立リーグのチームを相手に試合をする」ことになる。身分上は「ジャイアンツの(育成)選手」であっても、この範囲での実情は、上述のバレンタイン構想での派遣選手とさほど変わらない。
結局のところ、NPBが育成制度を拡大していけば、いずれはNPB外部の育成組織と連携していかざるを得ないのではないか。NPB内部だけで三軍、四軍と下位リーグを増やしていけるのなら別だが、不採算部門を今以上に拡大できる球団がジャイアンツの他にそういくつもあるとは思えない(現時点でも、育成制度を使っていない球団はある)。また、NPBが育成選手の数を増やしていけば、いずれは社会人野球との間に軋轢が生まれることになる。
それよりも、社会人や独立リーグと提携して選手の育成を考えていく方が生産的ではないかと思う。
とはいうものの、例によって障害はある。
従来の野球界では、学生(高校・大学)-社会人-プロ、という秩序が、それぞれの間に緊張関係をはらみつつも、一定の役割分担と育成機能を果たしてきた。
だが、その一角である社会人野球は、現代の企業経営環境の中で存在基盤を失いつつある。
横尾弘一の近著『都市対抗野球に明日はあるか』(ダイヤモンド社)を読むと、都市対抗に出場するチームの大会運営に対する負担は、ちょっと驚くような大きさの金額だ。社会人野球に(プロや学生や独立リーグにはない)固有の存在価値があるしても、その価値と現在のコストが見合うと判断する企業は、減ることはあっても、増えるとは考えにくい。
現在、高校や大学を卒業した後の選手が、プロに準ずるレベルで野球をする場(あるいは、そこでプレーしていればプロへの道が開ける可能性のある場)として、社会人、クラブチーム、独立リーグという3つが存在している。
『都市対抗野球に明日はあるか』を読むと、三者それぞれの間に緊張関係があって、なかなかややこしいのが実情らしい。どうしても選手という財産を奪い合う関係にあることは否めないし、それぞれに新しい動きがあり、役割分担などの関係性がまだ落ち着いていない。
そこにさらにNPBという巨大な影響力をもった存在が関与してきた時に、それぞれのパワーバランスがどう動くのか、予測は難しい。一部あるいはすべてのセクションがダメージを被る可能性はある。
しかし、新しい形のクラブチーム(会社の援助を失って組織替えしたクラブ、NOMOベースボールクラブのように最初からプロ入りを視野に入れて高い競技レベルを目指すクラブ、茨城ゴールデンゴールズのように独自に有料試合を行い興行を意識したクラブなど)や独立リーグの台頭は、そもそもかつての秩序が機能しなくなったところから起こっている。
本来なら、NPBと社会人球界、そして学生球界も含めた野球界の中心的な組織が、野球界全体の統一的な秩序や育成システムの整備をすべきところを、互いにいがみあい、棚上げにしてきたために招いた事態とも言える。
それぞれに参加する選手たちの多くが最終的に目指すところがNPBである以上、球界全体の育成システムの整備に貢献することは(プロを目指さない選手の居場所を含めて)、NPBの責務なのではないだろうか。
元エントリを構成していた問題意識のうち、cに偏った話になってしまったが、他の2点についても簡単に触れておく。
a. プロ野球の選手育成力(特に高卒選手に対して)は、大学や社会人に比べて劣っているのではないか
何人かの方から異論をいただいたように、この疑義を立証するのは容易ではない。
NPBと大学・社会人というそれぞれの育成機関は、同じ人材を扱っているわけではない。入ってくる選手の素質が異なれば、育成結果も異なる。プロで成功した選手の出自を調べてその数を比較しても、それが単純に育成力を反映しているわけではない。
ただし、人材の素質については、原則として次のような仮定ができるのではないかと思う。
「同学年の選手のうち、高校卒業時に、もっとも素質の優れた一群がドラフト会議で上位指名されてプロ入りし、そこから漏れた選手が大学や社会人に進む。
大学で優秀な成績を残した選手は、卒業時にプロ入りする。また、高卒で社会人に進んで優秀な成績を残した選手は、大卒相当の年齢までにプロ入りする。
大学卒業時にもプロから声がかからずに社会人入りした選手のうち、社会人で優秀な成績を残した選手がプロ入りする」
高校卒業時、大学卒業時という節目の時期に、世代内でもっとも優秀だとプロが判断した選手がプロ入りし、その次のグループが大学や社会人に行く。大学や社会人を経てプロ入りした選手は、同世代の中では二番手、三番手のグループだったはずだ。
だから、高校卒業時にドラフト上位指名されてプロ入りした選手は、そうでない選手よりも高い確率で成功することが期待される。そうならないのであれば、プロ野球の育成力に問題があるという推定が成り立つ(あるいは、高校卒業時の素質を判定する能力に問題があるのかも知れない)。元のエントリに紹介した松坂世代についての論評も、そのような観点を含んでいる。
そういう観点で、プロ入り時の状況ごとにしかるべき係数を乗じた上で統計処理でもしてみたら面白いのではないかと思うが、私の手には余る。どこかの大学ででもやってもらえたらよいのだが。
ただし、そもそもの前提となる仮説が常に正しいとは限らない、という弱みはある。
近年でいえば斎藤佑樹や東浜巨のように、高校卒業時に学年を代表する力量を示し、プロからの上位指名が予想されていた選手が、高卒時のプロ入りを志望せず大学に進む、というケースがある。このような例外をどう捉えるかによって、上記の推定は揺らいでくる。大学・社会人出身者の逆指名制度が行われていた時期には、自分で球団を選びたいという理由で高卒時のドラフト指名を拒んだ選手もいたかも知れない。それぞれの例外をどう捉えるか、複雑になる。
もっとも、斎藤や東浜が、なぜ大学を選んだかは興味深い。彼らは将来のプロ入り志望を表明しながらも、プロの二軍ではなく早大や亜大に、自らの野球人生の基盤作りを託すことを選んだ。大学卒業資格や学問、人脈といった要素が彼らの選択にどの程度の比重を占めているのかは不明だが、彼らが早大や亜大の育成力を高く評価していることには疑う余地がない。
b. 二軍の維持運営コストが球団経営を圧迫しているのではないか
これも、各球団が収支を公表していない以上、結論は出ない。MLBとの比較などから一般論として述べる以上のことはできない。
寄せられた異論の中には「二軍選手は報酬が安いから、さほど人件費の節約にはならない」という意見があった。
私が提言しているのはMLBのやり方と同様、「NPB球団に所属する選手を独立リーグなどに派遣する」というものだから、派遣した選手への報酬はNPB球団が負担することになる。従って、選手の人件費は削減できない。
削減できるのは、それ以外の経費だ。二軍が拠点とするスタジアムであり、選手が住む寮であり、二軍の指導スタッフであり、マネジメントスタッフや、二軍の試合を運営するための諸経費だ(ただし、指導者も選手とともに派遣するのなら、その人件費はかかる)。
それがどの程度の金額になるのか、球団経営にとってこのコスト削減がどれだけのメリットになるのかは、各球団の事情によって異なるだろう。メリットがあると考える球団は検討・実行すればよいし、ないのなら従来どおり自前で二軍を運営すればよい。一部の球団から試験的に始めてみて、利点があると思えば他球団も追随するだろう(育成制度の現状のように)。現在の二軍にしても、最初は一部の球団から始まった試みだった。
また、練習場は二軍だけでなく一軍も使うのだから削減できない、という意見もあった。
現状は確かにその通りだ。ただし、練習するためだけなら、電光掲示板のついたスコアボードや、有料試合に使えるようなスタンドは不要だ。
そもそも一軍の公式戦のある日にはホームでもビジターでも試合をする球場で練習ができるので、一軍の練習のために自前の施設を必要とする機会が実際にどれだけあるのか、維持管理のコストとともに検討してみることにも意義があるかもしれない(日本ハムの二軍の本拠地は千葉県鎌ヶ谷市にあり、一軍とは離れている。札幌市内には室内練習場を設けている)。
さらに根本的な議論をするなら、チームが本拠地球場で練習したい時にできないというのは、そもそも本拠地球場が球団と別の組織によって運営されていることに問題がある。
これは、NPBの多くの球団に共通する経営上の難所であり、本拠地球場の在り方を見直す必要のありそうな球団も少なくない。自治体の施設の運営を任されることに成功した楽天や千葉ロッテが、どのような運営をしているのかは興味深い。
それにしても、このようなプロ野球(だけではないが)の構造改革に関する議論は、NPBの中からも外からも、あまり聞こえてこなくなった。それが4年前との最大の変化かもしれない。球団の経営環境は、そんなことを考えなくてもよいほど好転したのだろうか。テレビ地上波での野球中継が4年前よりめっきり減った現状を見る限り、とてもそうとは思えないのだが。
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コメント
「大学または社会人を経る」ことを「大社」と略します。
「高卒でプロ入りした選手の、高卒時点での才能」と
「大社でプロ入りした選手の、高卒時点での才能」は、
平均すると結局同レベルであった、という仮定を採用すれば、
「プロの育成能力」と
「大社の育成能力」を比較するには、
<プロ入りする高卒選手/大社選手の比率>と、
<プロで成功した高卒選手/大社選手の比率>を
比べるだけで済みます。と、思います。前のエントリのコメント欄の「分母」をめぐる議論も読みましたが、この仮定を採用すれば、大学野球人口が年あたりおよそ5千人、というような要素は無視してよいことになります。
もちろん実際には現在では前者の方がはっきりレベルが高いと思うので、
(以下略)
投稿: nobio | 2009/08/25 17:48
>自治体の施設の運営を任されることに成功した楽天や千葉ロッテが、どのような運営をしているのかは興味深い。
千葉マリンスタジアムについて、知っている情報を書きます。
千葉県の持ち物であるマリンスタジアムは、従来は県の外郭団体によって管理されていました。指定管理者制度という、新たに地方自治法で認められた「公の施設」を包括的に管理受託する制度が適用され、206年からロッテ球団が施設管理者となりました。このことにより、球場のアメニティ、ファンサービスが向上し好評のようです。県庁側も結果的に管理費の節減につながったようです。
下記県庁のサイトに「指定管理者評価シート」というものがアップされています。
http://www.city.chiba.jp/toshi/koenryokuchi/kanri/shinsakekka-tibamarinn.html
投稿: 馬場 | 2009/08/25 18:57
>nobioさん
(以下略)以下が読みたいんですが(笑)。
自分でも書いていて思ったのですが、育成力を論じるためにはこの種の検討を避けては通れませんが、こういう論点を突き詰めていくと、育成力より「高卒時点での才能」をどう見分けるのか、という話に寄っていきかねないのが悩ましいところです。
>馬場さん
このエントリの論点からは、千葉ロッテの一軍が試合以外の練習のために千葉マリンをどれだけ使っているのか、という面が気になっています(ロッテの二軍本拠地は浦和なので、一軍選手が練習に行けないこともないけれどやや遠い、という立地です)。
評価シートは面白いですね。マリーンズが評価されてるようなのは結構なことです(役場側の担当者は、褒めないわけにはいかない立場なのかもしれませんが(笑))。
ご紹介いただいたページに記された指定管理者(つまりマリーンズ)の選定理由4つのうちのひとつが<市民利用の公平を確保できること>とありますから、あまり練習のために占有してばかりいてはいけないのかも(収益のためには貸し出す機会を増やす方がよいわけですし)。ううむ。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/08/26 08:17
>(以下略)以下が読みたい
鉄さんがすでに書いておられるので略したのですが、
それではいちおう、私なりの「続き」です。
*************************************
大学野球のステータスがプロ野球よりも高いとされた
プロ野球草創期と違い、現在では
「高卒でプロ入りした選手の、高卒時点での才能」は、
「大社でプロ入りした選手の、高卒時点での才能」よりも、
総じて高いように思える。であるならば、
もしもプロと大社の育成能力が同等であれば、
<プロ入りする高卒選手の比率>よりも
<プロで成功した高卒選手の比率>は
当然、高くなってしかるべきである。
高度な統計処理とかはなしでいいから、
プロ野球球団は、少なくとも自チームについて、
<過去に獲得した高卒選手の比率>と
<過去に成功した高卒選手の比率>を
公表すべきだと思う。現状はたぶん「公表」以前に、
そもそも把握してないのではないか。
*************************************
成功の定義は、例えば「30歳までプロでやれた」では、どうでしょうか。
「18歳でプロ入りして28歳で戦力外」と
「29歳でプロ入りして31歳で戦力外」を比べて、
前者の方が長くプロでやれたんだから成功、という見方も成り立つでしょうが、育成力を問題にするなら、前者は「18歳からプロが10年間育成した結果28歳時点でダメ」、後者は「18歳から大社が11年間育成して、29歳時点でプロが欲しがるレベル」とみなし、後者を評価すべきである、と、とりあえず思います。
投稿: nobio | 2009/08/26 14:51
どうも自分の書いたことが間違ってるように思い始めたので、自分で自分に反論します。
とても発育の遅い大根について考えます。
1982年、苗床に大根の種を蒔いたところ、1000本の苗が生えてきました。2000年に選別を行い、とりわけ発育のいい10本(Aグループ)をプロという畑に、次に発育のいい10本(Bグループ)を大学という畑に移植します。さらに2004年、Bグループの10本をプロという畑に合流させます。
・・・と、いうことであれば、nobio氏の理論の通りであろう。しかし現実には、Bグループの選抜が行われるのは2000年ではなく、2004年だ。大学はあくまで990本を育成し、その4年間でBグループが決まる。大学は「4年という年月による、なりゆきの選別」という大きなアドバンテージを持っているのであり、すべてを育成能力に帰するのは根本的に間違っている。のではないか。
投稿: nobio | 2009/08/26 18:41
思いついたので、自分に対する反論に、再反論します。
>大学は「4年という年月による、なりゆきの選別」という
>大きなアドバンテージを持っている
なるほどたしかにその通りなので、
<過去に獲得した高卒選手の比率>と
<過去に成功した高卒選手の比率>を
比べても、純粋に育成能力だけを比較することにはなりませんね。
それでも、
<プロのスカウトによる選別+4年間のプロによる育成>と
<4年という年月による選別+4年間の大社による育成>との
比較にはなります。
極言すればそれを「広義の育成能力」とも
呼べるのではないでしょうか。
投稿: nobio | 2009/08/26 22:13
>nobioさん
自給自足なコメントをありがとうございます(笑)。
>「18歳から大社が11年間育成して、29歳時点でプロが欲しがるレベル」とみなし、後者を評価すべきである
その後、ご自身で否定的なコメントを書かれてはいますが、私は成功の物差しをプロでの成績以外には考えていなかったので、ちょっと盲点を突かれた気はしました。この考え自体には一理あるように思います。
>「4年という年月による、なりゆきの選別」
この要素を勘案するとなると、育成力とは何か、という問題に正面から向き合わなければなりません。
時間の経過とともに選手自身が育つ部分と、指導者の力によって育つ部分を、どう考えるか。「選手自身が育つ部分」は、さらに、生物学的な面、技術的な面、精神的な面と分けることもできます。
生物学的な面に関してだけ考えても、成長のスピードには個人差がある。高卒時には「まだ身体ができていないから様子を見よう」とプロが判断してドラフト指名を見送る、あるいは本人サイドが「大学に通って身体を鍛えてからプロを目指す」と判断するというケースは結構ありそうに思います。
成長した部分のうち、本人と指導者の貢献度(本人の「貢献」という言い方は変ですが、とりあえず)がそれぞれ何%か、なんてことは決められるものではありません。
「選手の成長を妨げる要因を取り除く」ことによって選手を成長させる指導者もいるはずで、その種の貢献を顕在化させて評価するのは、なおさら難しい。
結局は、選手の成績という結果を定量的に比較していくこと以外はなかなか難しいですね(個別事例の中には、指導者と選手の成長との間に明白な因果関係が見られるケースもあるのでしょうけれど)。
というわけで、
>極言すればそれを「広義の育成能力」とも
>呼べるのではないでしょうか。
という見解には同意します。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/08/26 23:28
難しい問題です。
都市対抗を見ながら同じようなテーマを考えていました。
社会人に来た選手が伸びてるという印象があって、
それは何故だろうと?結論が全く出ません。
社会人は若手に厳しい環境です。
プロの二軍は若手優先で「素材」を我慢して起用します。
社会人の採用は即戦力偏重、起用はベテラン優先です。
試合数もずっと少ない。
論理的に考えると人を育てる環境ではありません。
「チームの適性人数」という問題はあるかもしれません。
プロの二軍は人数が多過ぎます。
更にレベルのバラツキがあり過ぎて、
効率的な練習ができないと思います。
> 高校卒業時、大学卒業時という節目の時期に、
> 世代内でもっとも優秀だとプロが判断した選手がプロ入りし、
> その次のグループが大学や社会人に行く。
> 大学や社会人を経てプロ入りした選手は、
> 同世代の中では二番手、三番手のグループだったはずだ。
これは違うと思います。
例えば今年「プロ1年」と「大学1年」が試合をしたら、
高い確率で「大学1年目」が勝つと思います。
時間があったらチームを作ってみましょうか(笑)
東浜や斎藤佑樹は例外じゃありません。
大田泰示だってプロ志望を出さなければ、
騒がれずひっそり大学でプレーしていたでしょう。
プロは野球の上手い子というより「素材」を獲りますよね。
どうせ育てられないのに…。
選手が経済的な理由でアマを選ぶ場合もあります。
杉浦正則という選手がいました。
彼の所属する日本生命は平均年収が千何百万円という会社です。
定年まで確実にそれだけの収入があって、
しかも野球に関われるなら、プロよりいい選択でしょう。
トヨタの一昨年の新人はプロより良かったと思いますが、
大企業が正社員採用してくれるという魅力があったはずです。
散漫な書き込みで失礼しました。
書いているうちにまとまるかなとこの場をお借りしましたが…。
全くまとまっておりません。
投稿: 党首 | 2009/08/26 23:37
やはり草の根からトップリーグまでの統一したGoverning Bodyが必要ですよね。
指定管理者制度は大変興味深いです。
野球やbjリーグとかトップリーグは正にこれを受注できるかどうかがキーポイントになるんでしょうね。
ただスポーツ側が「赤字なのでよろしくお願いします」って頼みそうで心配です(笑)
いつものスポーツ界の内側の論理で言いそう・・・
投稿: 3U | 2009/08/27 00:21
>党首さま
>社会人に来た選手が伸びてるという印象があって、
>それは何故だろうと?結論が全く出ません。
元エントリのコメント欄にも書きましたが、野村監督は『野村ノート』で、社会人はトーナメントの真剣勝負を繰り返すから力がつく、と説明しています。
現在の社会人野球チームの多くはおそらく、都市対抗に出場できるか否かがチームの存続に直結しかねない状況下で何年もプレーを続けているわけですから、真剣さの度合いはプロの二軍の日常とは比較にならないのかも知れませんね。
>これは違うと思います。
>例えば今年「プロ1年」と「大学1年」が試合をしたら、
>高い確率で「大学1年目」が勝つと思います。
正しくは「世代内で素材として最も優秀だとプロが判断した選手」ということですね。
<「素材」を獲る>というご指摘の通り、卒業時点での完成度よりも伸びしろを見ているのだ、というのがプロ側の言い分なのでしょう。
プロのスカウトのインタビュー記事では、「技術は後で教えられるが、肩の良さ、足の速さ、遠くへ飛ばす力は天性のもので、そちらを重視している」というような論法を、よく目にします。
>選手が経済的な理由でアマを選ぶ場合もあります。
>大企業が正社員採用してくれるという魅力があったはずです。
もともとはそこが社会人野球の魅力だったのだと思います。けれど、その恩恵にあずかれる選手は10年前、20年前に比べて激減しているのが現状でしょうし、今後増えることもないでしょう。
『都市対抗野球に明日はあるか』によると、そういう意味での社会人野球のいい時代は80年代あたりで終わっているようです。
>散漫な書き込みで失礼しました。
めっそうもない。社会人や若年層の野球を現場で数多くご覧になっている党首さんのご意見が伺えるだけでもありがたいことです。
そもそもエントリ自体が散漫な文章ですし(笑)。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/08/27 13:16
>3Uさま
>指定管理者制度は大変興味深いです。
>野球やbjリーグとかトップリーグは正にこれを受注できるかどうかがキーポイントになるんでしょうね。
野球のように、特定のスポーツ施設で、1年のかなりの期間にわたって多数の試合を主催する場合には、施設のマネジメントを行うことは有効でしょう。入場料以外にも、物販や施設内広告をチーム経営と連動させることができます。
bjリーグは、主催試合の会場が県内の何か所にもまたがるのがネックになりそうです。
トップリーグといえばラグビーのことかと思いますが、ラグビーの場合は試合数も少ないし、必ずしも地元でやるわけでもないし、何より試合の主催者がチームではないので、あまりメリットはないと思います。
国立の専用スタジアムがあって独占的に使える、という点では、ラグビー界は恵まれていますね(ま、あれはラグビー界の人たちが自力で作ったようなものですから当然ではありますが)。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/08/27 13:35
> 元エントリのコメント欄にも書きましたが、
> 野村監督は『野村ノート』で、
> 社会人はトーナメントの真剣勝負を繰り返すから力がつく、と説明しています。
完全に納得はできません。
確かに「1試合の濃さ」は社会人が上です。
でも絶対的な試合数が少ないというハンデもあります。
野村さんがそういうならそうかもしれませんけど…。
しかし野村克也氏の旺盛な執筆意欲には驚きを禁じ得ません…。
最近は彼の著書に全く目を通していないのですが、
ゴーストライターは何人いるんでしょうか?(笑)
> プロのスカウトのインタビュー記事では、
> 「技術は後で教えられるが、肩の良さ、足の速さ、遠くへ飛ばす力は天性のもので、
> そちらを重視している」というような論法を、よく目にします。
これも完全には同意できません。
「頭の良さ」「足の速さ」は天性だと思います。
でも「遠くに飛ばす力」「球の速さ」はそうでも無いなと。
東大の野球部は「四球の多さ」「失策の多さ」が図抜けています。
ちなみに東大の野球部は練習が大変ハードだそうです。
「正確にプレーする」「ミスをしない」というのは、
努力より天性であるという証明じゃないかと。
筋肉を増やす方が「努力」「積み重ね」じゃないかと。
今はプロテインもウエイトマシンも普及していますからね。
神経回路の性能、筋肉の質を高めることは困難でも、筋肉量は増やせます。
骨格の逞しい、筋肉量の多い子が
「伸びしろのある素材」とは限らないのでは?と思います。
今の選手は小中学生年代から野球の基本を叩き込まれています。
昔ならちょっと直すだけで劇的に良くなる「原石」もあったと思うのですが…。
> >選手が経済的な理由でアマを選ぶ場合もあります。
> >大企業が正社員採用してくれるという魅力があったはずです。
> もともとはそこが社会人野球の魅力だったのだと思います。
> けれど、その恩恵にあずかれる選手は10年前、20年前に比べて激減しているのが現状でしょうし、
これはもちろん仰るとおりです。
だからこそトヨタや日生のような「正社員高待遇」の価値が
相対的に高まっているとも思います。
トヨタはラグビーも有期契約をやってませんよね。
正面健司が退団したのは「プロ契約を認めてくれなかったから」です。
安藤美姫がどういう契約なのかは興味があります…。
所属部署はあるようなので社会保険はトヨタが持っているのでしょうか?
長々と失礼しました。
まず自分のブログのコメントを返せという話です(笑)
投稿: 党首 | 2009/08/27 22:06
> 例えば今年「プロ1年」と「大学1年」が試合をしたら、
> 高い確率で「大学1年目」が勝つと思います。
ほんとうですか。プロに指名された連中よりも、その指名から漏れて大学に行った連中の方が(現時点での)実力は上であるケースが多い、という意味なのでしょうか。私は高校野球にも大社にもほとんど興味のない人間なのですが、これがほんとうだとしたら驚きです。
例えば日本のプロ野球界からMLBに行ったイチローとか新庄とか松井秀喜とか川上憲伸とか福留とか黒田の場合、確かに抜きん出て凄いからそりゃ上のレベルへ行くわなー、という認識が一般的だと思うのですが、一般論として、日本の高校野球界からNPBに行く選手の場合、そんなことはないのですか。
ドラフトの指名順位を巡って「オレの方が上やのに」みたいなもめごとは、例えば江本孟紀と浜村孝とかありますが、あくまで例外的な話かと思っていました。
投稿: nobio | 2009/08/28 23:57
>党首さま
>ゴーストライターは何人いるんでしょうか?(笑)
ま、それぞれの版元が用意するんでしょう(笑)。
共著者とか構成者として名前を出すことが好ましいと思いますが。
>でも「遠くに飛ばす力」「球の速さ」はそうでも無いなと。
プロ入り後に長打力や球速を伸ばしていく選手は確かにいますね。
トレーニング方法や合理的なフォームの解析などが発達したことで、
訓練によってそれらを伸ばすことは昔よりも可能になってきたのかもしれません。
逆に「天性の長打力」を評価されて入団しながら、結局は一軍の戦力にならなかった選手も数多くいることは確かです。
>骨格の逞しい、筋肉量の多い子が
>「伸びしろのある素材」とは限らないのでは?と思います。
これについては、まだプロ側が固定観念にとらわれているという印象はあります。再考の余地はありそうですね。
>安藤美姫がどういう契約なのかは興味があります…。
>所属部署はあるようなので社会保険はトヨタが持っているのでしょうか?
トヨタの発表では「入社」という表現をしていましたから、常識的には社員なのだろうと思います。
田村亮子も所属自体は普通の部署でしたね。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/08/29 08:20
> nobioさん
> ほんとうですか。プロに指名された連中よりも、
> その指名から漏れて大学に行った連中の方が(現時点での)
> 実力は上であるケースが多い、という意味なのでしょうか。
実力が上というのはその通りです。
正確に言うと「指名漏れ」ではありません。
プロ志望届を出さないとドラフトの指名は受けられません。
有力選手が届を出してないということです。
そうなる背景の一つに「内定時期の違い」があります。
大学の推薦はドラフト前にほとんど固まってます。
有力校はプロとの「併願」を許しません。
松井、清原、松坂級なら指名が確実に来るでしょう。
今年だと菊池や筒香は安心していて大丈夫だと思います。
でも大半の選手にとって「大学を蹴って秋を待つ」のは危険な選択です。
慶應や早稲田の「AO」「自己推薦」も同様です。
指名漏れ、受験落ちの選手を拾ってくれる大学もあります。
ただ学校のブランドはかなり落ちます。
「○○大ならレベル的に悪くない」
「卒業、引退後の進路もいい」
「じゃあ無理にプロへ行くより…」
ということになるんでしょう。
投稿: 党首 | 2009/08/29 10:46
> 党首さん
ああ、なるほど。「プロは野球の上手い子というより『素材』を獲る。そのため、上手い選手は指名されずに大学へ行く」、という話かと思って疑問に思ったのですが、プロ志望届の絡みということでしたらなるほど、たしかにそういうことはあるでしょうね。納得しました。
投稿: nobio | 2009/08/29 17:34
>党首さん
>実力が上というのはその通りです。
>正確に言うと「指名漏れ」ではありません。
>プロ志望届を出さないとドラフトの指名は受けられません。
>有力選手が届を出してないということです。
一握りの「即一軍確実」レベルの選手を除けば、優秀な選手はプロより大学進学を選ぶ傾向がある、ということでしょうか。
だとすると大卒プロ入り組が活躍するのは当たり前で、「プロの二軍は育成力が不足している」という仮説が間違っていますね。
と同時に、そういうことならやはり二軍の存在意義が薄らいでくる、とも言えそうです。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/08/29 22:15
> 一握りの「即一軍確実」レベルの選手を除けば、
> 優秀な選手はプロより大学進学を選ぶ傾向がある、ということでしょうか。
というか、2004年度以降はそういう要素も加わった、ということじゃないですか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/プロ志望届
投稿: nobio | 2009/08/29 22:25
> nobioさん
大学が「プロと併願を許さない」のは以前も同様だったと思います。
ただ桑田や城島のように大学を「コケ」にする選手がいました。
裏口を制度的に封じたのが志望届制度です。
推測が混ざりますが「裏金」「タンバリング」の問題もあります。
以前は「手付金」を払って有望選手に唾をつけるのが一般的でした。
プロと進学の話が同時期に進んでいた訳です。
ある種の「内定」も出ていました。
だから選手は安心してドラフトを待てたでしょう。
でも今は大学のスカウトが先になりました。
この2,3年の動きですね。
> 念仏の鉄さん
> 一握りの「即一軍確実」レベルの選手を除けば、
> 優秀な選手はプロより大学進学を選ぶ傾向がある、
> ということでしょうか。
「優秀な選手が大学進学を選ぶ傾向」はその通りです。
ただ高卒に「即一軍確実」はハードルが高すぎます。
現実には「即二軍レギュラー」も一握りでしょう。
今年の新人でせいぜい5人くらい。
「実力でポジションを取った」のは巨人の橋本到だけです。
イチローは高卒からしばらく二軍でした。
でも新人が3割6分6厘。最初から天才だったということです。
二軍ですぐ試合に出られるレベルならプロでいいと思います。
そのレベルならプロ入りに迷わないと思います。
ただそれより下ならレベルに見合った選択をした方がいいでしょう。
> だとすると大卒プロ入り組が活躍するのは当たり前で、
> 「プロの二軍は育成力が不足している」という仮説が間違っていますね。
だとしてもプロの育成が上手いとは思えないんです。
話がループしてしまいますけど(笑)
投稿: 党首 | 2009/08/30 00:16
>党首さん
>だとしてもプロの育成が上手いとは思えないんです。
>話がループしてしまいますけど(笑)
そこがこのエントリ(と元のエントリ)の出発点なわけですが、
「そんなことはない、二軍は選手を育てている」という反論に対して、
これを言葉の上で立証するのはなかなか難しいですね。
何と比較するのか、どこに期待水準を置くのか、
という基準を作るところから始めなければなりません。
「1人の大選手を生めば、他は屍累々でも、育成システムとしては成功だ」
という考え方も間違いとは言えないのでしょうし
(私はあまり好きではありませんが)。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/08/31 11:17
育成目的をプロの一軍定着とすると、
高卒選手と大卒選手、社会人出の選手がみな同じ才能を持っていると仮定できるならば、プロの一軍定着率や一軍定着時の平均年齢を調べれば育成能力の比較はできるんでしょう。
(何年一軍でプレーできたか、については育成よりも選手個人の自己管理の責任だと思いますので考慮しません。)
が、現実には同じ才能というのはあり得ないですし難しいですね。
ただプロや社会人と比べて、大学野球部だけは育成する選手の年齢が常に18才〜22才程度である、というアドバンテージがあります。
同じことを教えるにも選手の年齢(精神年齢を含めて、というより精神年齢が重要)によってコーチの教え方、選手の吸収はかなり違うと思います。ある年代に特化したコーチングができるというのは、育成する側にはかなり大きなアドバンテージに思えます。
ところで、プロ球団は高卒選手の一軍定着までにどのくらいの時間を見込んでいるんでしょうか。
晩成型の選手もいますしそれこそ千差万別なんでしょうが。
投稿: たむ | 2009/09/01 09:10
大学野球選抜とプロ若手とで11月に対抗戦があるそうなので試合見に行って確認したいと思います。
そこである程度それぞれの実力がわかると。
投稿: バイアウト | 2009/09/01 10:25
>ところで、プロ球団は高卒選手の一軍定着までにどのくらいの時間を見込んでいるんでしょうか。
昔作ったグラフですが4年~6年が期待値になるのではないでしょうか。
http://plaza.rakuten.co.jp/baseballdraft/diary/200709270000/
そういえばナニワ四天王世代が4年目ですね。
空前の大豊作とか書いてた雑誌は一体。
投稿: 冬潮 | 2009/09/01 19:04
>たむさん
>ある年代に特化したコーチングができるというのは、育成する側にはかなり大きなアドバンテージに思えます。
同感です。サッカーでは現在のU-18日本代表の監督は市立船橋高を強豪に育てた布啓一郎さんが務めています。野球界でも指導者の交流があってもよさそうなものですが、プロからアマの指導者になる人はいても、逆はあまり見ませんね。
>ところで、プロ球団は高卒選手の一軍定着までにどのくらいの時間を見込んでいるんでしょうか。
ときどき話題になる日刊ゲンダイの黒田次郎インタビューでは、日体大の黒田先生が「論文中では“一軍試合経験なし者の平均在籍年数は4.02年”と書きましたが、81~91年は4.6年。しかし過去3年では3.6年と、1年も短くなっています」と話しています。
http://gendai.net/?m=view&g=sports&c=040&no=20147
一方、泉直樹「ドラフト下位指名ならプロへ行くな!」(実業之日本社)によると、「成功選手の一軍デビューまでに要した年数」は「高卒=2.0年 大卒=1.1年 社会人=1.0年」です(同書の「成功選手」の定義はかなりハードルが高いですが)。
冬湖さんのデータも含めて考えると、4年目あたりに壁がありそうですね。そのへんまでに一軍に上がるか、上がるメドが立たなければ、解雇される可能性が高そうです。
>バイアウトさん
>大学野球選抜とプロ若手とで11月に対抗戦があるそうなので
興味深い試みであることは確かですが、プロ側はU-26のうえオーバーエイジ選手も加わるらしいので、年齢的には非対称になりそうです。
>冬湖さん
>昔作ったグラフですが4年~6年が期待値になるのではないでしょうか。
興味深いデータをありがとうございます。
1年前にお書きになっていた、大学・社会人とプロが合同でユースリーグを作る、という構想も興味深いですね。
>そういえばナニワ四天王世代が4年目ですね。
岡田がやっと出てきましたが、平田はレギュラーに定着できず、投手2人はまだまだ。高卒プロ入り選手の胸中を忖度すると、同世代の大卒がプロ入りしてくる5年目までには一軍で活躍していたいところでしょうね。彼らのように高校時代にスター扱いされていた選手なら、なおのこと。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/09/02 08:45
>党首さん
「以前はプロと進学の話が同時期に進んでおり、
ある種の内定も出ていたので、選手は安心して
ドラフトを待てた」というのは理解できますし、
おっしゃる通りだと思うのですが、そのことと
「以前も大学はプロとの併願を許さなかった」
というのは真逆の説のように私には見えるのですが、
お時間ある時に解説していただけないでしょうか。
たびたび恐縮です。
投稿: nobio | 2009/09/04 00:22
鉄さん、レスありがとうございます。
>…4年目あたりに壁がありそうですね。…
ということならば、プロ側は「自分たちの育成能力は大学より優れている」と考えていると言えそうですね。
仮に高卒選手が22才で壁を設けられていると仮定すると、球団がプロと大学の育成能力を同レベルと考えているとするなら、環境は違えど高卒プロ選手と同じ時間を野球に費やした大卒プロ選手は入団一年目から(高卒選手の)最後の一年のような結果を求められるハズです。
が、現実は数年は様子を見てもらえているように思います。これはプロ側が大学での育成はプロでやるには不十分だと考えている証拠でしょう。
ここまで書いてみて、プロを目指すなら進学してからがいいような気がしてきました。
高卒でプロ→4年間でのプロレベル到達を求められる
大卒でプロ→大学4年間+プロ入り後数年でのプロレベル到達を求められる→高卒より時間的余裕ある上、大卒資格も得られる
明らかにプロの育成能力が上なら高卒プロ入りもありかもしれませんが。
そういえば、確か高卒を待たずに阪神入りした選手がいたと思いますが、どうなったんでしょうね?
投稿: たむ | 2009/09/04 23:31
>党首さん
例によって自分の疑問に自分で回答を思いつきました。
「以前はプロと進学の話が同時並行で進む例が多くあったが、一方桑田、城島級の選手では『わかってると思うがプロ拒否を表明してくれ給えよ。スカウトと口をきくのも慎み給えよ』みたいな、大学との暗黙の(あるいは公然の)約束がなされた例もあったはずだ。そしてその上を行くプロとの密約も、場合によってはあったかも知れない。密約なしの強引な強行指名が大学を怒らせた例も勿論あったし」というような意味でしょうか。今日、そういうふうに理解しました。
投稿: nobio | 2009/09/05 01:58
>たむさん
>環境は違えど高卒プロ選手と同じ時間を野球に費やした大卒プロ選手は入団一年目から(高卒選手の)最後の一年のような結果を求められるハズです。
ま、プロに適応する時間も必要でしょうから高卒の5年目とまったく同じではないでしょうが、大卒や社会人出身選手の猶予期間は、高卒選手よりは短いと思いますよ(○歳まで、という観点で見れば長いとも癒えますが)。
>ここまで書いてみて、プロを目指すなら進学してからがいいような気がしてきました。
高卒時点で一軍に近い力量があればプロに行くのがよいのでしょうが、その確信が持てなければ大学か社会人の方がよさそうです。また、今年、二軍の試合をかなりご覧になったという党首さんは、上の方で<二軍ですぐ試合に出られるレベルならプロでいいと思います。>と書いておられますね。
ただ、選手自身が、自分がプロでどのレベルにあるのかを判断するのは難しいでしょうから、現実にはドラフトの指名順位がひとつの目安になるだろうと思います。
そのものずばり「ドラフト下位ならプロへ行くな!」という本もありますが、高卒時点に限れば私も同感です。
(プロ入り後も下位指名の選手にはチャンスが与えられにくい、という実力とは違う次元での障壁もあるようですし)
>確か高卒を待たずに阪神入りした選手がいたと思いますが、どうなったんでしょうね?
阪神の辻本投手ですね。元エントリのコメント欄に書きましたが、2004年秋のドラフトで指名され、4年間プロで過ごしましたが一軍登板はなし。5年目の今年は育成選手として契約しています。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/09/05 20:34
上原のインタビューより。
プロ入り後のモチベーションの問題が大事みたいすね。
考えれば当たり前ですけども。
上原 どれだけ鳴り物入りで入団してきても、「ああ、やっぱり高校生だな」「大学生だな」と感じることの方が多いということですかね。具体的な違いを挙げるとすればやっぱりコントロール。いくら速い球を投げていても、それだけじゃプロでは通用しませんから。まぁ、あと甲子園のスピードガンもどうかと思いますけどね。
「巨人に入ったことが最終目標」という選手が多い。意外に高卒の選手に多いんです。何で大学に進むことを蹴ってまで入団するのか、そこをきちんと認識しないと。逆に大卒の方が必死に考えている選手はいますね。
投稿: | 2009/09/05 21:15
>2009/09/05 21:15の名無しさん
なるほど。大卒ルーキーでいきなり20勝した上原の言うことですから、傾聴に値するのでしょうね。上原はエンゼルスと天秤にかけただけあって、「巨人に入ったことが最終目標」という感覚は皆無だったのだろうし。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/09/07 23:02
鉄さん、お久しぶりです。
上の上原の記事をみて思い出したのですが、「プロ入りが最終目標」の選手が多くていけない、と言った記事を昔見た気がします。
巨人に限らず、一軍・二軍に限らず、です。
そういった意味では「プロになれていない」、つまり「最終目標」を達していない、といった意味で大学や、社会人のほうが「育成力」というより「のびしろ」は多くあるのかもしれませんね。
どんないい環境でも、結局は本人のモチベーション次第でしょうし・・・
投稿: 一介の論客・KTY | 2009/09/09 00:49
>一介の論客・KTYさん
>巨人に限らず、一軍・二軍に限らず、です。
野球選手に限らず、どんな職業にもあるかも知れません。
大学受験でも就職活動でも、ゴールインしたと捉えるのか、スタートラインに立ったと思うのか、どちらにもなりえますね。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/09/10 11:16
自分は仮に「プロと大学の育成力がほとんど変わらない」前提で一度考えてみました。そうすると「高校球児の数が多すぎて、プロのスカウトが満足な数の高校生を見られていない」可能性も考えられると思います。
つまり、大学生の活躍の場はいくつか限られている上、リーグ戦という特性上、高校野球のように予選落ちで埋もれてしまう可能性も少なく、スカウトも視察しやすい。一握りの超エリートは別として、
「高校生はスカウトが見た中で優秀なベスト何人かを獲っているが、本当の実力で見ると高校生のベスト100人くらいの枠でしか獲得できてない」が、
「スカウトの目の行き届いている大学生は、ベスト20人くらいの枠で獲得できている」
⇒結果として、「プロが高校生を育成できていないようにも見える」話も成り立つのではないかと思います。仮にそうすれば、スカウトの能力+マンパワーの問題もあるのかもしれません。それでも高校生を獲得する理由は「囲い込み」の発想などがあるからでしょうか…?
ちなみに大学時代に友人が調べていたのですが、「プロで活躍している選手の高校時代の成績は『地区大会ベスト8以上はほとんど分布が変わらない』」だったそうです(生データを見てないので詳細はわからないですが。すみません)。
投稿: アルヴァロ | 2009/09/13 11:26
>アルヴァロさん
遅くなってすみません。
>「高校球児の数が多すぎて、プロのスカウトが満足な数の高校生を見られていない」可能性も考えられると思います。
うーん、どうなんでしょうね。経験豊富で優秀なスカウトであれば、高校の指導者の間にネットワークを持ち、有望な選手の情報が入ってくるような仕組みを作っているでしょうから、そうそう取りこぼしはないのでは、と思います。
大学・社会人出身でプロ入りして活躍した選手のうち、高卒時点でプロが見落としていた選手がどれだけいるかが検証できれば、ある程度は判断がつきそうですね。把握してはいたけれど何らかの理由でドラフト指名を見送った、という選手が多いのでは。
>「プロで活躍している選手の高校時代の成績は『地区大会ベスト8以上はほとんど分布が変わらない』」
これは、ベスト8から甲子園ファイナリストまで同程度の人数がプロで活躍している、という意味でしょうか? 興味深い調査ですね。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/09/15 00:29
>「プロで活躍している選手の高校時代の成績は
>『地区大会ベスト8以上はほとんど分布が変わらない』」
分布が変わらない、というのは、均等に分布している、という意味なのでしょうか、
それとも、何かと何かの分布が似ている、という意味なのでしょうか。
後者だとすると何と何の分布が似ているのでしょうか。
私の想像:
高校で地区大会ベスト8未満にとどまった選手が、
後に大学や社会人を経てプロに行った場合とかはそうでもないが、
地区大会ベスト8以上の選手が高卒でプロに行った場合、
高校時代にそこそこだった選手はプロでもそこそこ、
高校時代に凄かった選手はプロでも凄い、という傾向がある、という意味。
つまり、高校時代の成績と、プロでの成績は(地区大会ベスト8以上に限れば)、
明らかな相関がある、という意味。
投稿: nobio | 2009/09/15 05:52
私も遅くなってすみません。
なるほど、高校指導者のネットワークというのは失念しておりました。とすると、理由があってドラフト指名を見送った可能性の方が高いのかも…。
あと、「分布」という表現が非常に曖昧でした。すみませんでした。
自分がその調査結果で聞いたところは、「プロで活躍している選手の高校最高成績を【地区ベスト16】【地区ベスト8】とか【甲子園1回戦】とかそれぞれカテゴリ分けしていくと、個々のカテゴリの人数は【地区ベスト8】以上はほとんど変わらなかった」ということです。
これは逆から言えば、カテゴリが1ランク上に行く程、母数が半分になるわけですから、「高校野球の成績が良い程プロでの成功確率は高まる」とも言えます。そして地区ベスト8以上には、「上と同じ人数だけ有望選手が眠っている可能性が高い」とも言えます。…と、ここまで書きながら、甲子園優勝チームでそんなに活躍している選手たくさんいたかな、とも思いましたが…。
ちなみに友人が調べていたのは多分2005年くらいだと思うので、今だと別の傾向があるかもしれないこと、彼の活躍の定義は聞いていないことを念押しさせていただきます(連絡が繋がらないので、繋がり次第お伝えします)。あと、個人的には投手と野手でこの分布がかなり変わるのではないか、とも…。
投稿: アルヴァロ | 2009/09/16 23:03
>アルヴァロさん
なるほど。それだと結局は「高校野球の成績が良い程プロでの成功確率は高まる」という話になりますね(笑)。
ま、「活躍」の定義をどこにとるかにもよってくるでしょう。
ちなみに、たびたび引用している「ドラフト下位指名ならプロへ行くな!」によると、“成功者”のうち甲子園出場者の割合は投手48%、野手58%で全体では53%とのこと。ま、分母としては甲子園に出ていない高校球児の方がずっと多いし、プロ入りした人数という意味での分母もわかりませんが。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/09/17 08:42
はじめまして、前スレに書き込みさせて頂いた者ですが、こちらにも勝手な個人的意見を書かせてもらいますね。
「続・プロ野球に2軍は必要か」というここのテーマ(問題意識)が3つ提示されていますが、ちょっとだけですが、意見させてください。
まずA項の「プロ野球の選手育成能力が大社のそれに比べて劣っているのでは?」ということですが、すいません、どこかにそれを示すようなデータを御持ちなのでしょうか? というのは、前提が異なる対象をどのようなモノサシで比較考量するのか?という部分に興味があるからです。プロ野球に限って見ても、資金、練習環境、獲得する選手の能力、指導者の能力とそれぞれ差異がある訳で、「どこの球団が育成能力が高い」と簡単には判断できないですよね?ましてや前提が全く異なるプロ球団とアマ(大社)をどう比較するのか、(冷やかしで無しに)大変興味があります。
プロと社会人双方の監督を務めた某有名監督の言だけでは(つまり根拠の提示なしで、個人の思惑の発言だけでは)、オフシーズンのネタにはなっても、日本のプロ・アマ球界全体を動かすような動きにはならないですよね。そういう意味でも、説得力のある根拠を示せれば、NPBも興味示すと思いますよ。
で、次にB項の「2軍の維持コスト~」という件ですが、そりゃ「圧迫」してるのは確かでしょう、費用という面だけみれば。ただプロの各球団が、今以上の支配下選手数削減に動かないのであれば、現状は「苦しいけど必要」という判断を各球団がしているだけのことです。部外者がそれ以上とやかく言うこともありませんよね(笑)。この件に関して海外の独立リーグへの派遣や国内独立リーグの活用に関する考察があがってますが、どうなんでしょうね、いずれにしても「コスト削減」にはならないと思いますが。まず海外の独立リーグへの派遣ですが、これはいわゆる「エリート育成」の類で、ごく一握りの有望選手以外は対象に成り得ません。また海外独立リーグ派遣は、「モノになりそうな有望選手(外人)」を見つけるのと、スカウトの人的コネクション維持の為で、自球団の選手育成が本来の目的ではないと思いましたが(違ったらごめんなさい)。
それと国内の独立リーグですが、前スレの方にに書きましたので省略させて頂きます(笑)。
C項の「社会人が担ってきた育成機関を維持するために~」という件ですが、趣旨としては判る(つもり)のですが、「どうやって?」という方法論の所が問題ですよね。現行の「独立リーグ」利用云々は、現時点では不可能(やれない事はないだろうが、長期維持できない可能性大)だし、プロがアマを支援するなんていうのも、どだいおかしな話ですよね(現行の社会人野球に代わる仕組みを作るのであれば、話は違いますが)。
それに(国内)独立リーグへの選手派遣と言っても、実情は試合に出場機会が無い(少ない)選手に、その機会を与えるのだけが目的なので、恒常的な選手育成効果を期待してのことではないと思います。まあ言って見れば「試合感を持たせる」程度の意味しかないのが実情だと思います(試合に出場する事は大事だと思いますが、レベル的に下の層と試合をした所で、『選手育成』にはなりません)。まあ所詮は『育成制度』と言う名前の選手囲い込みで、後先をよく考えていなかった事の尻ぬぐい的な試みかと。
それと「米国マイナーリーグの仕組みを何とか日本にも導入...」のようにとれるご意見もありますが、これは様々な点で無理があります。そもそも現行のプロ野球機構自体が存続の危機にあるのです。更に野球の裾野を広げるアプローチが実現する見込みは、極めて低いでしょう(これが20年ぐらい前だったら、あるいは可能だったかも)。スレの趣旨違いになるので、これ以上は言いませんが、プロ野球という仕組み自体の存続が問われている状況で、微視的な視点からのアプローチは、まず実現しないと思います。
否定的な事だけを述べるのも心苦しいですが、この先人口の減少に伴い、各種スポーツの支援人口も確実に減ります(スポンサーに成り得る企業の数も更に減少していくでしょう)。プロ球団も現行12球団の維持が、確実に困難になると思われます(サッカーJリーグの方が縮小速度は速いでしょうが)。私の弱い頭では、この問題に対する提言は(現在の所)浮かびません(涙)。ですので、こうしてみなさんの意見を見ながら、微力ながら弱い頭で考えて行こうと思います(笑)。
投稿: 一野球フアン | 2009/09/18 04:16
>一野球ファンさん
では、巨視的な視点から実現可能な打開策を見つけたら、またどうぞ。
>nobioさん
対応が遅くなって恐縮です。
特に下品とは思いませんが、ご要望に従って削除します。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/09/20 22:45
>「活躍」の定義について
小関順二さんの著作では「投手は50勝(1セーブは0・5勝)、300試合登板、打者は500安打」という基準みたいです。
問題だらけの12球団に、一応、成功失敗の表もついていたような…。
個人的には、首位打者、打点王、本塁打王、最多勝、最優秀防御率、最多救援のどれかひとつでも獲得すれば、それだけで(その後、一度も出場できなくても)活躍したって言っていいんじゃないかと思います。
>プロ球団は高卒選手の一軍定着までにどのくらいの時間を見込んでいるんでしょうか。
Podcast版野球小僧に中日・中田宗男スカウト部長のインタビューが乗ってます。
http://pod.byakuya-shobo.co.jp/kozo/2006/12/
これによると、「高卒でも二年目で大体の見通しがつく」そうです。
他にも、「二軍は一軍のための調整場になってしまって、育成の場としての役目が希薄になっている」発言もあったように思います。
聞いたのがだいぶ前なのであいまいなんですが。
個人的には高卒二年目で二軍のタイトルを取る選手は大物になる、と、仮説を立てているので日ハムの中田に注目しています。
投稿: 川辺 | 2009/10/03 22:51
>川辺さん
>小関順二さんの著作では「投手は50勝(1セーブは0・5勝)、300試合登板、打者は500安打」という基準みたいです。
昔、宇佐美徹也さんの「プロ野球記録大鑑」の巻末についてた主な選手の通算記録リストの基準も同じだったように記憶してます(小関さんが参考にしたかも)。そのくらいでプロ野球選手としては一人前、ということなのでしょう。少し投手の方がハードルが高い気もしますが。
時々引用している泉直樹「ドラフト下位指名ならプロへ行くな!」における「成功選手」の基準は以下のようになっています。
・野手は1000試合出場以上、1000安打以上、100本塁打以上、100盗塁以上のいずれか
・投手は350試合登板以上、100勝以上、100セーブ以上、1000奪三振以上のいずれか
・タイトル獲得者
別にどちらが正しいということもなく、何をどう分析したいのかによって線引きが変わってくるという面もあるのでしょう。
このエントリの関心は「一軍で戦力になれる選手を育成する」ことにありますから、小関基準よりもっと低くてもよいかも知れません。ジャイアンツでいえば、久保投手や古城選手は上のいかなる基準にも達していませんが、もし今年限りで引退したとしても、立派な「一軍の戦力」だったシーズンが何年かはあったわけですから。
タイトルについてのご意見には同感です。
>これによると、「高卒でも二年目で大体の見通しがつく」そうです。
上の方で紹介した意見とも、だいたい合致する話ですね。
>個人的には高卒二年目で二軍のタイトルを取る選手は大物になる、と、仮説を立てているので日ハムの中田に注目しています。
前のエントリで<イースタン・リーグのタイトルホルダーの中で、一軍で活躍した選手がほとんどいないことは明白だ>と書きましたが、見直してみると、数少ない例外である中村剛也や岩村明憲は、確かに二年目に二軍のタイトルを取っています。興味深い仮説ですね。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/10/04 21:17
>念仏の鉄さん
ありがとうございます。
興味深い仮説といわれたので、まじめに調べてみることにしました。
1軍で活躍した2軍タイトルホルダー、大雑把に調べてみました。
(1980-2004年までは、イースタンのみ、05年以降は両リーグとも)
名前 獲得年度 入団年数
落合博満 80 2
秋山幸二 82 2
大久保博元 89 5
垣内哲也 90 2
鈴木 健 90 3
吉岡雄二 94 5
西浦克拓 97 5
立川隆史 96 3
宮地克彦 98 9
岩村明憲 98 2
畠山和洋 02 2
中村剛也 03 2
青木宣親 04 1
赤松真人 05 1
根元俊一 06 1
西浦克拓、立川隆史は、少し怪しいですし、
赤松真人、根元俊一は、希望的観測が入っている気もしますが、そこまで変ではない、と思うんですがどうでしょう。
この中で、特に優れている(と思う)選手は以下のとおり。
落合博満 80 2
秋山幸二 82 2
岩村明憲 98 2
中村剛也 03 2
青木宣親 04 1
ウエスタンの歴代タイトルは確認できてませんが、もし加えるならば、さらにイチローが追加される…結構、大物ぞろいだと思います。
で、大物の共通項として、入団2年目までにタイトル獲得していること。
つまり、二軍の打撃タイトルは、プロのレベルに適応できているかの目安として、有用。
入団二年程度でプロに適応できるような選手は特に優れた能力がある、可能性があるw
…がんばって調べた割りに、すごい当たり前の結論になってしまった…。
ええと、投手のほうのデータは、面白くないです。
大家友和 98 4
木村龍治 95 3
柏田貴史 95 6
橋本 清 91 4
石毛博史 90 2
水尾嘉孝 94 4
吉田修司 93 5
星野智樹 01 3
内海哲也 04 1
大沼幸二 01 1
一番の成功例が
内海哲也 04 1
大家友和 98 4
で、
石毛博史 90 2
吉田修司 93 5
くらいでしょうか。
二軍の投手タイトルは、一軍経験者がほとんどで、そうでない選手も、主力にはなかなかなっていないようです。
中継ぎ、敗戦処理で使ってみることができるので有望な若手投手は、一軍帯同の方が多いのかも。
逆に、二軍は枠から外れたベテランや外国人投手が多くやってきて、投高打低なのかも。
まとめてみると、二軍は育成の場というより、選別の場所のように思います。
野手は2~4年くらいで、出てこれなければ、期待されづらくなる。
二軍で三冠をとっても27以上では一軍抜擢の機会が少なくなる…ように感じる。
投手は一軍半の選手の溜まり場になっている…のかも。
歴代タイトルホルダーだけから読み取ると、こんな感じに見えるんですが、どうでしょうか?
投稿: 川辺 | 2009/10/08 15:04
>川辺さん
ありがとうございます。やはり興味深いデータになりましたね。
打者については、まさにどこまでを「活躍」と見るか。垣内、西浦、立川と微妙な名前が並びますね(が、垣内が通算で500安打を越えていたとは知りませんでした)。
ただ、畠山、根元はまだこれからの選手とはいえ、「入団2年以内のタイトルホルダー」は、この顔触れを見るとかなり成功者を出していますね。
確実に断言するためには、活躍しなかった選手も含めてチェックしないといけないのが面倒くさいところですが(笑)(たとえばジャイアンツの大森も2年目にイースタンの二冠王になっています)。
>…がんばって調べた割りに、すごい当たり前の結論になってしまった…。
いやいや、それが大事だと思いますよ。
とりわけインターネット上で匿名者どうしが議論する際には、裏付けを示せるかどうかが決定的な意味を持つと私は思っています。
投手については、後から年度別リストで見るとわかりづらいのですが、例年、二軍のタイトルホルダーを見るたびに、「この投手、二軍でタイトル取ってる場合じゃないだろ」と思うことが多い、という実感はあります。
一軍に野手は各ポジション2人くらいづつですが、投手は10人以上の枠がある上に故障や不具合も多いので、若い選手が昇格するチャンスは多いのでしょうね。その分、中堅クラスで二軍に定着してしまうと、一軍からお呼びがかかりづらくなる、ということでしょうか。
このクラスの選手にもっと移籍のチャンスを増やしたらどうかと以前から考えています。「5年目ドラフト」みたいな形で、二軍でくすぶる選手を他球団が引き抜く機会を制度化したら面白いんじゃないかと。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/10/09 08:45
>念仏の鉄さん
えーと、お詫びと修正を。
修正、垣内さんの獲得年度は91年で入団3年目でした。
お詫びなんですが、前回の表における活躍の基準があいまいでした。
いや、割と主観で、しかも、自分が日ハム、友人がロッテファンなもので、贔屓目が入っていたようです。
通算500安打を基準とすると立川、西浦、大久保、宮地は外れますね。
ただ、一軍で戦力になったか、を活躍の基準にするならば、通算成績よりも、年度ごとの成績の方が妥当ではないでしょうか。
というか、小関基準だと、伊藤智仁が活躍したかどうか、ぎりぎりの選手になるのに気づいてちょっと違和感がw
>確実に断言するためには、活躍しなかった選手も含めてチェックしないといけない
そういう振りしないでください、調べちゃったじゃないですかw
(前回と同じく、1980-2004年までは、イースタンのみ、05年以降は両リーグとも。入団年次は、ドラフト会議が開催された年、つまり、翌年がプロ一年目)
入団年次 獲得年度 年数
落合博満 1978 1980 2
山川 猛 1978 1980 2
駒崎幸一 1980 1981 1
武藤一邦 1980 1982 2
秋山幸二 1980 1982 2
石井雅博 1982 1984 2
井上真二 1984 1986 2
岩村明憲 1996 1998 2
畠山和洋 2000 2002 2
中村剛也 2001 2003 2
青木宣親 2003 2004 1
竹原直隆 2004 2005 1
赤松真人 2004 2005 1
根元俊一 2005 2006 1
金子洋平 2006 2007 1
松山竜平 2007 2008 1
中田 翔 2007 2009 2
投稿: 川辺 | 2009/10/10 00:53
ええと、ついでだからおいときますね。
間違ってたらすいません。
1980-2006イ-スタンリーグ
2005-2006ウエスタンリーグ
打撃タイトルホルダー、および、初タイトル獲得年数リスト。
入団年次 獲得年数 年数
落合博満 1978 1980 2
山中重信 1977 1980 3
山川 猛 1978 1980 2
生田啓一 1973 1980 7
山本 桂 1977 1981 4
中司得三 1978 1981 3
川島正幸 1977 1981 4
駒崎幸一 1980 1981 1
武藤一邦 1980 1982 2
秋山幸二 1980 1982 2
藤野正剛 1981 1984 3
島貫省一 1979 1985 6
石井雅博 1982 1984 2
蓬莱昭彦 1979 1985 6
藤倉多祐 1979 1986 7
安部 理 1980 1986 6
井上真二 1984 1986 2
君波隆祥 1980 1987 7
藤岡寛生 1984 1987 3
白幡隆宗 1980 1988 8
高仁秀治 1980 1989 9
大久保博元 1984 1989 5
後藤孝次 1987 1990 3
鈴木 健 1987 1990 3
垣内哲也 1988 1991 3
川端一彰 1989 1992 3
大森 剛 1989 1992 3
河野 亮 1989 1993 4
藤島誠剛 1987 1994 7
吉岡雄二 1989 1994 5
安藤真児 1988 1995 7
立川隆史 1993 1996 3
津川 力 1991 1997 6
西浦克拓 1992 1997 5
西 俊児 1989 1997 8
宮地克彦 1989 1998 9
岩村明憲 1996 1998 2
高梨利洋 1991 1998 7
度会博文 1993 1999 6
早川健一郎 1995 1999 4
衣川幸夫 1992 2002 10
畠山和洋 2000 2002 2
堀田一郎 1996 2002 6
吉川元浩 1997 2003 6
中村剛也 2001 2003 2
青木宣親 2003 2004 1
後藤武敏 2002 2005 3
竹原直隆 2004 2005 1
赤松真人 2004 2005 1
喜田剛 2001 2005 4
根元俊一 2005 2006 1
山下勝充 1999 2006 7
武内晋一 2004 2007 3
迎祐一郎 1999 2007 8
金子洋平 2006 2007 1
呉本成徳 2003 2007 4
市川卓 2004 2008 4
坂克彦 2003 2008 5
相川良太 1998 2008 10
細谷圭 2005 2008 3
松山竜平 2007 2008 1
中田翔 2007 2009 2
柳田殖生 2005 2009 4
岡田貴弘 2005 2009 4
参考サイト
イースタン・リーグ大百科
http://www4.plala.or.jp/PON-TA/estan/esttitle.htm
ドラフト会議で指名された甲子園の星達
http://pospelove.com/index.htm
およびwikipedia
投稿: 川辺 | 2009/10/10 01:04
>川辺さん
コメント欄のためにここまでやってくださるとは恐縮です。というより、コメント欄に置いておくだけではもったいないですね。
私の方でウエスタンについても調べて補足した上で、別にエントリを立てて、紹介させていただこうと思います。
ざっと拝見した印象では、「高卒・2年以内」の成功率は相当高く、「高卒・3年以内」に広げてもかなりのもののようです。
しかし、大卒や社会人出身者にとっては、ルーキーイヤーであっても二軍のタイトルが一軍での活躍を約束するものではなさそうですね。
>ただ、一軍で戦力になったか、を活躍の基準にするならば、通算成績よりも、年度ごとの成績の方が妥当ではないでしょうか。
突出した年が1年でもあればOK、という考え方はアリだと思います。タイトル(新人王、ベストナインも含む)を獲っていれば文句なしでしょう。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/10/11 15:28
仕事の合間であるが今回のテーマである
育成について述べていきたい。
今回の出典であるがここで誰かが言われていた小関順二著
「2009年度版 プロ野球問題だらけの12球団」
をベースにしていきます。
私と小関氏とでは考えの違うところも多々あるが
(例えば中日のスタメン予想にセンターに和田選手を配置しているところなど)データとしては申し分ないので主に資料として使っていきます。
まず過去10年間の成功選手を挙げてみたいが
成功選手の定義として打者なら400安打、投手なら40勝(1S=0.5S)300登板、05年以降の入団選手であれば打者は300安打、投手は30勝250登板を小関氏は基準とされているのでここでも同様にする。またタイトル獲得者も同様に扱う。
ここではハードル超えの近い選手を成功予備軍として扱っているので同様に扱うことにする。また新人王も立派なタイトルなので小関氏は入れていないがここでは成功予備軍として扱うことにする。
まず高卒、大卒、社会人出身者の中で1番成功しているのは大卒だそうでその数は47人にもなり社会人出身の34人、高卒の27人を大きく引き離しているそうだ。
しかしタイトル獲得者は大卒、社会人の9人に比べ高卒は11人と圧倒しているのだそうだ。つまりモノになればときの大きさのトップは高校生がトップであり、大卒社会人は一軍定着率が高いと小関氏は述べられている。
このことは私も同感であり、確か野村ノート(野村克也著)で藤川球児投手についての記述の中で
当時の阪神は藤川球児を取るべきではなかった。とのことであったが星野政権後JFKと言われている阪神のストッパー陣なしには阪神のこれまでの快進撃はないのだからこれは野村克也氏の誤りであるし、藤川球児投手を育成できなかった野村政権の育成に問題があったといわざるを得ないだろう。(藤川投手を育てたのは山口高志投手コーチであり彼は星野監督が招聘したものだ)
その後の藤川投手の活躍は皆さんおわかりのことであるからここでは書かないが高卒選手はモノになったときはそれだけデカイのだということの証明になるだろう。
また小関氏は阪神の項の中で大卒、社会人一辺倒の即戦力指名のスタイルに「落日」という記述があるが私もそう思う。
FAと即戦力に走り育成を怠った阪神は今年Bクラスであった。過去10年の成功選手を見てみても高卒の成功者は藤川投手のみ。これでは以前の巨人のようでBクラスになるのもわからないではない。横浜の三浦投手を獲得できなかったようにFAに失敗するとたちまち大変なことになる。
一方昨年と今年の各リーグの覇者である西武、日本ハム、巨人であるが育成は成功しているといえる。
巨人は確かに今までFAと即戦力であったので成功選手、成功予備軍には高卒はひとりであるが原政権になり積極的に若手を抜擢してきていてしかも成績を残している。彼らが(坂本選手、松本選手、東野投手、越智投手、山口投手)いずれ成功選手や予備軍に入るのも時間の問題である。(山口投手は昨年の新人王であるから成功予備軍であり今年の新人王の最有力候補は松本選手であるから、松本選手が新人王になれば成功予備軍となる)
(続く)
投稿: バイアウト | 2009/11/06 21:50
FAや即戦力に頼りきっていた阪神、即戦力と外国人に頼ってきたオリックス。元々実力はあるチームなのだから育成をして選手を育てれば復活できると思う。
以前紹介したスポニチアネックスの須藤豊氏の言葉を借りると
「FAばかりに興味を持って、養子縁組ばかりにやって、生え抜きの我が子をほったらかしににしてしまった。これで巨人軍の古きよき伝統は薄れてしまい接戦になるとよく負けたでしょ。90年代の巨人は。スタメンで移籍組が半分以上いるなんて、一時期は勝っても長続きしない。ファンだって、本当に巨人が好きな人は好きになれないでしょうね」
ということになるのではないだろうか。
また選手の育成であるが即戦力でない選手の育成は容易ではない。この前ベースボールマガジンにて読んだ特集で広島の今井啓介投手について書かれていたのだが、とても興味深かった。
彼は今年で高卒四年目の投手であるがドラフト時中央球界では無名の投手だった。広島は獲得後、育成プログラムを作り
育成していくのだが1年目は体作り、2年目はフォーム固め、3年目は勝ち負けにこだわらず一年間二軍のローテーを投げ今年やっと一軍に上がってきたのだそうだ。
そしてひとつ開いたローテーに入り先発を何度か経験し9/18阪神戦で初勝利をあげたのだそうだ。
ここまで耐えてきた今井選手もすばらしいし、また育成プログラムに沿って投げ出さず耐えて指導してきた広島のコーチ陣にも拍手を送りたい。体のできていない選手に二軍戦であれ出場しても怪我のもとであるしフォームが固まっていない投手を投げさせてもしかたがない。よく耐えたものだと思う。
もちろんまだ一勝である。これで終わらず精進し続け将来は広島を代表する先発の柱になってもらいたいものである。
また各球団育成プログラムというものがあり、個人によって違う。巨人のルーキーである大田選手と橋本選手との比較においても設定されている打席数なども違うのだ。二軍において成績は橋本選手の方が上でも大田選手は一軍を今年経験したが橋本選手はしていない。これはえこひいきでもなんでもなくて巨人の育成プログラムの一環なのだそうだ。
最後に育成選手と独立リーグについてである。私は育成選手というものには賛成である。
アマ野球、特に社会人野球での廃部が相次ぎ野球選手の裾野の狭まりへの対策と将来の有望な若手選手らを育成する観点から、2005年に「準支配下登録選手」の制度設置を審議され同年から認められている。この意図に対し心から同意できる。
巨人の山口鉄也投手、松本哲也選手、楽天の中島真人選手などは育成選手から支配下選手に格上げされそこでも結果を残している。また支配下選手が育成枠に格下げされ契約し支配下契約に復活し一軍で結果を残す選手も中村紀洋選手やユウキ投手、チェン投手、オビスポ投手などが上げられる。
一方独立リーグ。これは名のとおりNPBとは独立したリーグでありここからドラフト、育成ドラフト27人の選手が今まで指名され契約している。
しかしここから一軍で活躍しているといえるのは楽天の内村賢介選手のみである。しかも内村選手も通算で55安打しかないのだから彼を活躍していると思わない方も多いだろう。
これだけの選手を獲得しながら活躍できないとなると独立リーグの指導に問題があるのではないだろうか。なぜ独立リーグから支配下選手なり育成選手としてNPBに入団した選手は育成選手出身の山口投手や松本選手のように育たないのだろうか。
ひとつには独立チームの球団の体質に問題がある。今年度神戸に吉田えり投手が在籍した。しかし残念なことに一年で本人の希望により退団となった。以下記事を載せる。
関西独立リーグ・神戸の吉田えり投手(17)が1日、今季限りでの退団を表明した。この日は公式戦最終戦となった紀州戦の8回に登板し、1回を無失点。試合後、決断の理由について「もっと野球がうまくなりたい。いろいろ考えたんですが、もっと野球に専念できる環境で、と思いました」と笑みを浮かべながら説明した。
球団側に退団を申し入れたのは9月30日夜。背景には球団に対する不信感がある。恩師と慕う中田監督が7月下旬に突然、解任され、月給の遅配騒ぎなどの問題も相次いだ。とても野球に集中できる環境ではなかった。契約期間は今月いっぱいで、4日のリーグ・オールスター戦(万博)が、ナックル姫のラスト登板となる。
(2009年10月02日 スポニチアネックス)
独立リーグの選手も給料をもらっているのでプロと言う方もいるが、いろいろ読む中でセミプロという表現が一番あっていると思うので私はセミプロと書きますが、高卒か大卒の後にプロに入るまでどれだけ成長できるかまたプロに指名されたときにまだ伸びしろがあるか、これがプロになったとき大事になってくる。少なくとも今までドラフトを経て入ってきた選手は独立リーグでは大活躍であっただろうがリーグのレベルが高くはないので大活躍しているだけに見えているのだけではないだろうか。
また先ほどの記事にあるとおり独立リーグの経営は決してよくない。吉田えり投手は他の記事によるとサインのしすぎで腱鞘炎を起こしなげられなくなったときもあったそうだ。
こんなことは本末転倒なはなしである。
ましてやこんな劣悪な環境にNPBの選手を派遣し独立リーグの公式戦に出場させるべきでもない。と私は思う。あくまで試合勘を養うためのオープン戦にとどめるべきと思う。
今年ロッテはバレンタイン監督が解任され西村徳文氏が新監督になり脱バレンタインを唱えている。
ドラフト指名でも今年は育成枠は一人で大学生。独立リーグの選手は0だった。どうやらロッテも独立リーグ派遣構想も頓挫する可能性は高くなったといえるだろう。
投稿: バイアウト | 2009/11/06 23:35
>念仏の鉄さん
>中堅クラスで二軍に定着してしまうと、一軍からお呼びがかかりづらくなる。
このクラスの選手にもっと移籍のチャンスを増やしたらどうか。「5年目ドラフト」みたいな形で、二軍でくすぶる選手を他球団が引き抜く機会を制度化したら面白いんじゃないか。
ああ、それは面白いですね。FAの補償が金銭ではなくて選手に変わってきているのを思い出します。
これ、落合監督が小田を引き抜いたのが最初でしたっけ?
もういっそのこと、プロテクトを40人くらいして、後の選手は年棒の倍額の支払いで移籍可能にしてくれればいいのにw
終身雇用制から、転職は当たり前、へと世間の流れが変わっているように、野球界も変化せざるを得ないと思うんですよね。
>「高卒・2年以内」の成功率は相当高く、「高卒・3年以内」に広げてもかなりのもののようです。
しかし、大卒や社会人出身者にとっては、ルーキーイヤーであっても二軍のタイトルが一軍での活躍を約束するものではなさそうですね。
日ハムの金子とかは使われればそれなりに仕事してくれそうな気もするんですけどねぇ…。
年齢制限に引っかかってなかなか出番がないんじゃないかと…特に26歳以降の二軍野手は、未来の見えなさが半端じゃないですよ。
2軍で3割打てる選手は、1軍で2割5分くらいは打てるんじゃないかなぁ…とは、思うんですが、それくらいなら若い方を使うでしょうし…。
オリックス・楽天あたりがそういう選手集めて実験してくれないかなぁ…。
(年棒を可能な限り安く叩いてつかうのがすきそうだから)
>突出した年が1年でもあればOK、という考え方はアリだと思います。タイトル(新人王、ベストナインも含む)を獲っていれば文句なしでしょう。
これについてなんですが、1軍の戦力、というについて、ちょっと、考えをまとめて見たいと思ってます。
投稿: 川辺 | 2009/11/07 14:09
今日は頭が込み入った話を受け付けませんので、コメントには後日レスします。お許しを。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/11/07 22:50
>念仏の鉄さん
無粋なことしてすいませんでした。
おめでとうございます。
投稿: 川辺 | 2009/11/08 01:01
今井啓介投手の記述においてベースボールマガジンの特集と書きましたが広島アスリートの間違いでした。訂正します。またwikipekiaにも同じような記述がありますのでインターネットでご覧下さい。
投稿: バイアウト | 2009/11/08 15:43
>川辺さん
こちらこそ大変失礼しました。
>これ、落合監督が小田を引き抜いたのが最初でしたっけ?
FAの人的補償は、95年にジャイアンツが日本ハムから河野投手を獲得した際、日本ハムが川辺投手を得たのが最初のようです。
全部で10例ほどあり、初期にはあまり戦力になっていませんでしたが、最近はヤクルトの福地(石井一の補償)、広島の赤松(新井の補償)、西武の岡本(和田の補償)ら、主力となって活躍するケースが目立ちますね(岡本は1年だけでしたが)。
「5年目ドラフト」と書いたのはMLBの制度のことですが、名称は私の勘違いで、正確には「ルール5ドラフト」といいます。メジャー40人枠以外で在籍5年以上の選手が対象で、獲得した選手はひとつ上のカテゴリーに登録する義務が生じ(3Aから獲得すればメジャーに、2Aからなら3Aに)、カテゴリーに応じた補償金がある、ということのようです。
アメリカではアメフトでも同様の制度があるようで、飼い殺し防止には熱心です。日本でも何らかの形で採用されるといいと思っています。
>これについてなんですが、1軍の戦力、というについて、ちょっと、考えをまとめて見たいと思ってます。
お待ちしてます。というか、私の方がお約束を果たせていなくてすみません。ウエスタンのタイトルホルダー、過去10年分くらいは調べましたので、近々整理します。ま、こういう話題はオフの方が相応しいとは思いますが(笑)。
>バイアウトさん
元のエントリに書いた事情により、ここでのレスは保留します。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/11/10 00:38
>初期はあまり戦力になっていませんでしたが、最近は主力となって活躍するケースが目立つ
選手の流動性が高まった結果、赤松のようなケースが増えるならば、歓迎すべきことだと思います。
そういう意味ではルール5ドラフトは面白いですよね。
アメリカのプロスポーツは「ビジネスとしての観点」において日本よりはるかに洗練されてますよね。
パリーグの21世紀初頭の復興理由の一部は米国式スポーツビジネスの取り入れがあった、ような、気がするんだけど…今年のオフはどうも逆戻りしているような気が。
>約束を果たせていなくてすみません。ウエスタンのタイトルホルダー、過去10年分くらいは調べましたので、近々整理します。
とても、楽しみにしています。
実は、岩村選手と中村選手の共通点だけで直感的に思いついただけだったんですが、調べていくと、意外と裏づけるデータが出てきて、非常に面白かったです。
なお、別の仮説として、「ぱっとしなかったベテランが1軍でブレイクすると活躍が長続きしない」というのがあったりします。
こっちは、戎選手からの思いつきだけで、まだ調べてませんw
いずれ、調べてみたいですが、育成とは関係ないかもです。
投稿: 川辺 | 2009/11/10 20:09
>川辺さん
>なお、別の仮説として、「ぱっとしなかったベテランが1軍でブレイクすると活躍が長続きしない」というのがあったりします。
そういう例が少なくないことは確かですが、傾向として検証するのは大変ですね(笑)。今井雄太郎のように、8年目にブレイクして、そのままブレイクしっぱなし、という例もなくはないですし。
また、捕手の場合は、能力があっても強力なレギュラーがいたため長年出番がなかった、というケースが結構ありそうです。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/11/11 22:20
>念仏の鉄さん
小野晋吾選手もそうでしたし、阪神の矢野捕手も出番がなかったわけですし、必ずしもそうではないのも確かです…実際に、調べるのはめんどくさそうですよねw
地力は高いが故障がちの選手で、そのまま故障で消えていくパターンはあると思います…また、そもそも、ブレイクしたのが35歳だったりすると、自動的に活躍年数が少なくなったりはするでしょうし。
でも、どうなんだろうなぁ、本当のところ。
個人的には、下から這い上がってくるタイプの選手は好きです。
なんか、カムバック賞的な、苦労人賞とか遅咲きの新人賞とかそういうタイトルできませんかねぇw
投稿: 川辺 | 2009/11/11 22:30
>バイアウトさん
>確か野村ノート(野村克也著)で藤川球児投手についての記述の中で
>当時の阪神は藤川球児を取るべきではなかった。とのことであったが
「野村ノート」のどこに書いてありますか?
>藤川球児投手を育成できなかった野村政権の育成に問題があったといわざるを得ないだろう。
おや、プロ野球にも育成能力の低い球団や指導者が存在することは認めるんですか。
あなたは前のエントリのコメント欄で<私は大学社会人と二軍での違いを問われるならば大学社会人はが学業や仕事があるがプロは野球のみに専念でき最低限であれ収入を貰えるという事だと思います。また施設などの環境は当然整っています。出来るだけ早くプロに入り、いずれは活躍してほしいと思っています。>と、高卒即プロ入りを推奨していました。
高校生が、育成に問題のある球団に指名された場合でも、やはり<出来るだけ早くプロに入>った方がよいのでしょうか。
(ちなみに、今年はドラフト指名順位の低さ(育成を含む)を理由に入団に難色を示す選手が、例年になく多いようです)
>FAと即戦力に走り育成を怠った阪神は今年Bクラスであった。
育成が大事なのは結構ですが、大卒・社会人出身・FA中心の編成をしなければ、阪神の2003年、2005年のリーグ優勝はなかったかもしれません。「落日」というからには、太陽が燦々と輝いていた時期もあるわけで。
70年代の阪急も、大卒・社会人中心の編成で、球史に残る黄金時代を築きました(足立、山田、今井雄太郎、福本、加藤英、山口高志、蓑田ら主力選手の多くが社会人出身です)。
小関さんの持論は「チームの柱は大物高卒選手を獲得して育てるべき」という考えのようで、それはそれで結構ですが、違うやり方が全部ダメとは限りません。それぞれのチームの考えに沿って編成すればよいのではないでしょうか。
>私は育成選手というものには賛成である。
>この意図に対し心から同意できる。
その素晴らしい育成制度を利用していない球団がいくつかありますが、なぜだと思いますか?
ちなみに、育成出身の山口投手と同じ年にジャイアンツがドラフト指名した投手は、次のような顔触れです。
希望枠 福田聡志(東北福祉大)
<大学・社会人>
3巡目 栂野雅史(新日本石油)
4巡目 越智大祐(早大)
6巡目 深田拓也(中京大)
7巡目 会田有志(中大)
<高校>
1巡目 辻内崇伸(大阪桐蔭高)
3巡目 加登脇卓真(北照高)
4巡目 福井優也(済美高/入団せず)
山口と比肩できる活躍を見せているのは越智ひとりです。福田がそこそこやっていますが、ジャイアンツに不可欠な戦力というほどではない。会田は今シーズン限りで引退です。
通常ドラフトで獲得した選手が相応に育ち、さらに育成ドラフト出身者も伸びている、というのなら、育成制度の価値は非常に高いものと考えられます。しかし、現状はそうではない。「数打ちゃ当たる」式に大量採用したら、たまたま育成枠から当たりが出た、ととることもできます。支配下選手枠がもっと大きければ、山口投手は大学社会人ドラフトの8巡目以降で指名されたのではないかと思います。
育成制度が誕生した背景には、「現状の二軍では、選手が充分に育っていない」という問題意識があったはずです。その解決法として、ジャイアンツは「もっと大量に獲得する」という方法を選んだ。それで成果が出ているわけですから、ジャイアンツにとっては結構なことです。では、他球団は同じことができるのでしょうか。
>こんな劣悪な環境にNPBの選手を派遣し独立リーグの公式戦に出場させるべきでもない。と私は思う。
バイアウトさんが称賛してやまない山口鉄也投手は、アメリカのルーキーリーグに4シーズン在籍しました。彼が在籍したチームそのものについては詳しく知りませんが、一般的にルーキーリーグは、報酬はシーズン中の数か月しか支給されず、しかも安いので食事はハンバーガー程度しか食べられず、住居も自分で借りなければならず、遠征の際には夜中や早朝にバスで長時間かけて移動する、という劣悪な環境と言われています。しかし、山口選手は潰れませんでした。
一方、日本のプロ野球の二軍には、グラウンドや室内練習場やトレーニングルームが整い、栄養バランスを考慮した食事の出る寮に住み、多額の契約金と、同年代で就職した若者の何倍もの年俸を受け取り、若いうちから高級外車を乗り回せるような恵まれた環境を与えられながら、一軍で活躍できずに球界を去る選手が大勢います。
環境が選手の育成に与える影響というのは、一筋縄ではいかないもので、劣悪な環境だからよくない、と一概に言い切れない面もあります。
なお、あなたのコメントでは、劣悪な環境の事例として、もっぱら神戸球団(の女性投手)だけが挙げられています。2004年までの近鉄のような経営能力に劣る球団があったからといって、NPB全体がダメとは言えないと思うのですが…。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/11/16 10:25
>川辺さん
>なんか、カムバック賞的な、苦労人賞とか遅咲きの新人賞とかそういうタイトルできませんかねぇw
連盟表彰でなくても、最優秀バッテリー賞や、昔あったファイアマン賞のように、どこかの企業がスポンサードして制定されたらいいですね。世の中に勇気を与える賞になるかも。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/11/16 12:04
野村ノートのご質問に対してですが
135ページに
「少なくても毎年最下位に低迷していた当時の阪神が指名する投手ではなかったように思う。」と記載があります。もう一度よくご確認下さい。
そして藤川投手を育て上げたのは山口高志投手コーチです。山口投手コーチを招聘したのは星野監督ではなかったかと思います。
「また阪神のドラフトで断っておかなければならないことは《成功選手+成功予備軍》は10人いて、これはセ・リーグでは広島と並んで最も多いということ。
スカウト陣の眼力は確かなのである。それでも現実は投打のアンバランスとチーム全体の高齢化を招いている。
これはフロントトップが将来的な展望を立てられなかったためである。
ドラフト戦略を根本的に見直さないと、阪神はとんでもないことになる。」
と前出の小関氏の著書にもあります。この点は私も同意できると思いますがいかがですか?
投稿: バイアウト | 2009/11/16 22:21
>バイアウトさん
>135ページに
>「少なくても毎年最下位に低迷していた当時の阪神が指名する投手ではなかったように思う。」と記載があります。
なるほど、ありました。
前後を読むと、このくだりは要するに、自分が監督をやっている時期に使える即戦力新人を獲得してもらえなかった恨み言ですから(他の年にドラフト1位で入団した大卒や社会人出身の選手にも文句を言っています)、野村退任後の活躍を根拠に<野村克也氏の誤りである>と断定するのは、いささか筋が違います。
立場の違いから来る見解の相違で、どちらが間違っているとかいう話ではないと思いますが。
>この点は私も同意できると思いますがいかがですか?
あなたが何かに同意するのに私の許可は不要です。ご自由にどうぞ。
引用部については、ここだけ読んでも判断はつきません。コメント欄で読書会を開くつもりもないですし。
投稿: 念仏の鉄 | 2009/11/17 11:29
ことしの新人王は松本さんでした。ヤッタネ!
2年れんぞくで育成選手からはいあがってきての快挙です!
育成選手がなかったら山口さんも松本さんもジャイアンツにいられなかった。
2年れんぞく新人王、これってもうまぐれじゃないよね。育成枠大成功だぁ。ばんざぁーい!
投稿: さをりっしゅ | 2009/12/05 15:48
実家の部屋を掃除していたら子供のころのスクラップ帳が出てきたのですが、NPBも1992年頃には現行の70人枠と28人の一軍枠の間にMLBを模倣したのか40人枠というものがあり、その記事もスクラップ帳に残っておりました。
約2か月ごとに40人枠をきめ、その40人枠に漏れた選手は約2か月間一軍登録選手28人にはなれないということです。
結果としてこの40人枠はNPBでは失敗に終わりました。その証拠にわずか数年でこの40人枠はなくなりました。
そのころ私はあるベテラン選手のファンでしたが(そのため新聞記事のスクラップをしていた)その選手は1800安打を打っている一流選手でしたが六月の40人枠をはずれたため「40人枠をはずれたことで練習するモチベーションがさがってしまった」とその年の引退時のコメントにもありました。
その後40人枠が復活しないところを見ると日本にはそぐわないと思います。
投稿: バイアウト | 2010/08/15 11:04
先ほどからの続きです。
千葉ロッテの記載についてもロッテ球団は二年連続Bクラスであったため昨シーズン、バレンタイン監督を解任し、また独立リーグ出身の育成選手を数人解雇しています。西村監督はバレンタイン監督のときのヘッドコーチでしたが脱バレンタイン構想を打ち出し開幕ダッシュに成功し、現在Aクラスです。
角中選手や宮本選手は独立リーグ出身の支配下選手として在籍していますが成績をみると成功しているといえません。これはロッテ球団自身がバレンタイン構想を否定し始めたといえると思います。ここの記述は実際とはかなりずれています。
巨人の原監督が就任された初年度2002年にしても一軍経験した選手は66人いるわけですし、現代野球において40人で1シーズン過ごすというのはかなり無理があると思います。
投稿: バイアウト | 2010/08/15 16:05
>バイアウトさん
そうですか。
投稿: 念仏の鉄 | 2010/08/16 02:14