100万ヒット記念・自選エントリ集(スポーツ一般/スポーツライティング篇)

 第3弾は野球とサッカー以外のスポーツを扱ったエントリと、スポーツライティングの書評のようなものです。

<その他のスポーツについて>

美を採点するという困難
野球とサッカーの次に多く取り上げているスポーツは、フィギュアスケートかも知れません。そんなに熱心なファンというわけでもないんですが。

氷上に咲く「時分の花」。
「浅田真央をトリノ五輪に出すべし」という騒ぎを真っ向から否定したので、荒らしさんも来ましたが、貴重なコメントもいくつかいただきました。
コメント欄の最後に書いた「幸福なシナリオ」、今のところは十分に可能性があることを嬉しく思いつつ、実現を祈っています。

ワタシをスキーに連れてってくれないのなら。
ウィンタースポーツが低迷する構造について。アイスホッケーのSEIBU廃部もショッキングな出来事です。これもいろいろ教えてくれる方がいて勉強になりました。

普通の人の、普通の人による、普通の人のための競技。
カーリング礼賛。後で出た小野寺さんの本を読むと、競技の背景に関する推測はだいたい当たっていたようです。チーム青森は世代交代に成功しているようで幸甚。

クール・ビューティーの威厳。
荒川静香の金メダルの滑りについて。その後、リンクで見たことはありませんが、時折テレビで見る彼女のスケートは、やはり味わい深くなったように感じます。

国立競技場をとりまくイヤな空気について。
サッカー専用に改修しようという動きも出てきましたが、2016年五輪が実現するか否かにもかなり影響されそうな雲行き。

歌っていた女王。
安藤美姫の世界選手権制覇に寄せて。浅田、荒川、安藤とエントリを立ててきましたが、いちばん好きなスケーターは武田奈也だったりします。

柔道の国際的地位は嘉納治五郎の政治力によって築かれたのではなかったか。
その後、嘉納家が全柔連と講道館のトップを退くことが決まったようです。嘉納家を悪役にするつもりはありませんが、全柔連や講道館が普通の組織になって国際戦略を練っていく上では、たぶんよいことではないかと思います。

伴走者が脱落する時。
競泳のレーザーレーサー問題について。日本のメーカーが悪いとか水連が悪いとか選手がかわいそうとかいう皮相的な論調には違和感がありました。日本メーカーも新作を投入して巻き返しを図っているようです。


<スポーツライティングについて>

井戸を掘った男たち<旧刊再訪>
blog開設初期には、古い本を2冊セットで語る、という趣向の<旧刊再訪>シリーズというのを時々やってました。これはJリーグ草創期を書いた本2冊。
手間がかかるのでシリーズは消滅しましたが(笑)、2冊組にするかどうかは別として、古い本を掘り起こして紹介する作業はしていきたいと思っています。

あるアメリカ人の詭弁術−−三木谷浩史社長に捧ぐ。
マーティー・キーナートの楽天GM就任を機に、彼が昔ネットに書いたコラムを批判した文章。元のサイトがなくなってしまったので微妙ですが。

『星屑たち』と、もうひとりの「アトランタ組」。
10年後くらいにさらに続編を読んでみたい本です。金子氏は今も落とし前をつけてはいません。

木村元彦『オシムの言葉』(集英社インターナショナル)
不朽の名著。加筆した文庫版も出ました。

名もない野球人へのまなざし<旧刊再訪>
これはもう、ぜひ原著を読んでいただきたい。木庭さんは野球殿堂入りすべき人物だと思います。

田口壮『何苦楚日記』主婦と生活社<旧刊再訪>
ワールドチャンピオン記念、という感じです。最近の田口サイトを見ると、寛くんはもう幼稚園児。他人の子供は早く育つものです(笑)。

真冬にビキニはたいへん結構だったのだが。
SPORTS Yeah!の休刊について。その後、老舗雑誌がばんばん潰れており、もはやスポーツ雑誌だから云々という次元ではなくなってきました。Yeah!は買い手を見つけたらしく、同じ編集長や執筆陣によるムックが出ています。WBC前に出たものは読みごたえがありました。

ベッテ/シマンク『ドーピングの社会学』不昧堂出版
ドーピングに関しては何度か書いてますが、いちばん読んで欲しいのはこのエントリ。というか、原著を読んでもらいたいわけですが。

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100万ヒット記念・自選エントリ集(サッカー篇)

 第2弾はサッカー関連エントリです。サッカーと野球にまたがるような話も収めました。

シュンスケ・コールが響く前に。
中村俊輔の変遷について。その後もよい方向に進み続けているのが嬉しいことです。

今の小倉隆史が好きだった。
今でも「ケガさえなければ」と言う人が多いですね。2009年現在の「今の小倉隆史」については何とも言いかねますが…。

キング・カズが横浜に降臨した夜に。
このblogでは珍しい観戦記。山口の挨拶に注目された方も多かったようです。そういえば彼は引退試合の開催を断念したそうで、理由は「フリューゲルスの名を使えない」からだと…。

その日の老将。
ナビスコカップで優勝した時のオシムについて。彼の戦術そのものを論じる力はないのですが、オシムについては結構よく取り上げていました。たぶん、食えない年寄りが好きなのでしょう(笑)。

ナイジェリアに見た黄金世代の夢、ポルトガルに見た現実。
今のところは黄金世代というより遠藤ひとりの物語になりつつありますが、さて、来年6月までに戻ってくる選手がいるかどうか。可能性のある選手はまだいると思っています。

スポーツのことはスポーツに還せ。
ワールドカップドイツ大会で出てきた「電通悪玉論」への批判。北京五輪では北島康介が「世界記録が出なかったのは決勝の時刻が早過ぎたから」という意味のことを言ってましたが、気に留めた人はあまりいなかったようです。アメリカのテレビ中継の都合でそうなったのですが。

『ペレを買った男』
面白い映画でした。もうDVDになっています。

彼我の差を埋めるもの。
贔屓クラブと言ってるわりにFC東京について書いたものが少ないので、ひとつくらいは入れておきます。

サッカー界はなぜ鈴木桂治を見逃したのか。
サッカー界はフィジカルに強い人材を獲得しそこねているのではないか、という暴論シリーズのひとつ。脇の甘い文章で、突っ込まれることも多かったのですが、いろいろ知らないことを教えてくれる人がいて勉強になりました。問題提起としては面白かったかな、と。


<野球とサッカーにまたがる話>

アンバランス・ゾーンに惹かれる。
その後ぱっとしなかったおかわり君、昨年は大ブレイクを果たしました。しかもデーブ大久保コーチの下で。

『ようこそ先輩』に見る野球とサッカーの差。
はてなで妙にたくさんブックマークされたエントリ。そろそろ北沢を起用するクラブがあってよさそうに思います。

Jリーグが「戦力均衡化」を唱えない理由。
野球とサッカーの育成と補強の構造の違いについて。比較対照する存在が生まれ、自らを相対化できるようになったことで、野球界はずいぶんと救われたように思います。

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100万ヒット記念・自選エントリ集(野球篇)

 当blogは3/24の未明に累計100万ヒットを記録しました。blogを開設したのは2004年8月ですが、アクセス解析を始めたのは2005年3月なので、ほぼ丸4年。ずっと熱心に見物してきた野球日本代表が2度目のWBC決勝を戦った日に到達したというのも、ささやかに心温まる暗合となりました。

 バックナンバーの参照にあまり親切でない造りの当blogですが、この機会に何度かにわけて、自分で気に入っていたり、節目となったエントリをご紹介します。昔話に興味のある方はどうぞ。まず野球関連から。

で、誰か大阪ドームに行ったのか?
球団合併問題が紛糾していた時期のエントリ。当時の世論に真っ向から反するアマノジャクな感じが、その後の芸風を規定している気が。blogを開設した途端に前代未聞の選手会ストライキが起こったことで、方向性が決まってしまった気もします。

英智はいつも途方に暮れている。
その後の英智は、ヒーローインタビューで微妙にブレイクしたものの、全体的にはあまり変わらない位置にいるあたりが好ましく思えます。守備のうまい若手が続々加入しているので踏ん張ってほしいところ。

落合博満『プロフェッショナル』ベースボール・マガジン社
書評の体裁をとった落合監督論、という感じです。

滑り込んだ松井。
松井のMLB一年目、レッドソックスとのリーグ優勝決定戦について。結局はあれがメジャーでのピークだった、なんてことにはなってほしくないのですが。

それでもまだ沈黙している人々。
選手会に批判的なエントリが多い当blogの中でも、特に嫌味な文章でした(笑)。裏金騒動における選手会の無力は、この延長上にあるのだと思います。

清原に見る「最後の昭和」。
ジャイアンツ末期の清原について。今読むと、何とも言えない結語ですが。

グールド進化理論が示すイチローの価値。
イチローのシーズン安打記録とグールドの進化論について。書評だか時評だかよくわからなくなってますが、そういうどっちつかずな文章を書くのが好きなようです。

ティノがブロンクスに帰ってくる。
ヤンキースの一塁手、ティノ・マルティネスについての感傷的な文章。彼が好きな方はどうぞ。続きもあります。

「中の人」の値打ち
楽天が、横浜のマスコットの中の人をスカウトした件について。この後、彼の力によって希代の名悪役Mr.カラスコが生まれたわけですから、楽天にとっては大ヒット人事でした。

上原君、頼むからカート・フラッドの名前くらい覚えてくれ。
上原君、果たして覚えてくれたでしょうか(笑)。

イチローは視線に脅えている。
イチローがシーズン安打記録を樹立したオフに文芸春秋に掲載されたインタビューについて。ここ1、2年でずいぶん彼は変わりましたね。第1回WBCでの経験が影響しているのかも知れません。第2回大会はどういう影響を彼に及ぼすか、楽しみです。

長嶋のいない4月、または「昭和33年体制」の終焉。
長嶋茂雄氏が病に倒れた翌年のシーズン開幕に寄せて。今季、日本テレビがジャイアンツ戦をほとんど中継しない、という現状は、まさに「ポスト長嶋期」なのだなと実感します。

ジーターを見ていればわかること。
タイトル通りのジーター評。熱心にヤンキース戦を見ていた頃でした(最近あまり見ていないのは、別に嫌いになったからではなく、地上波しか見られないマンションに引っ越したからですが)。先日のWBC対日本戦での悪送球には驚きました。

日本人がMLBの監督になる日。
今年、「ほぼ日」に掲載されたインタビューを読むと、ご本人、意欲が芽生えてきているようです。

「投げる文化遺産」の彼我。
遂に日本にもナックルボーラーが出現しましたね。舞台は関西独立リーグ、しかも女子。見てみたいものです。

斎藤雅樹が見せたエースの真価。
苦しかった試合を通しての斎藤論。「5点失っても6点目はやらない」というのは私の座右の銘のひとつです。

三角ベースの復権。
アフリカ野球友の会の活動は活発に発展しているようですが、国内小学生の草野球離れは…。

プロ野球に二軍は必要か。
暴論シリーズの代表作(笑)。江本孟紀氏とか豊田泰光氏とか、近いことを言う人も増えてきたようです(どっちが先だかよくわかりませんが)。

早熟の選手・遅咲きの指導者〜仰木彬氏を悼む。
この人こそ、代表チームを率いて世界で戦う姿を見たかった。忘れられない、忘れたくない方です。「35歳から53歳」の間にいる自分を叱咤激励するためにも。(この項、3/28に追加しました)

根本陸夫、最後の傑作。
根本氏については一度書いておきたかったので。存命なら城島の世界一を喜ばれたことでしょう。

「頑固な人」への信頼と懸念。
WBCアジアラウンド終了直後に書いた王監督論。その後発生した誤審への態度が、まさに「頑固な人」の真骨頂でした。

This is the YAKYUU.
第1回WBCの総括。いろいろありましたが面白く意義のある大会でした。

コミッショナーからのエアメール。
ある種の家宝になってます。その後転居したので、案内が送られてきたかどうかはわかりませんが。

「オレの魔球」を、もう一球。
朝日新聞の高校野球県大会の企画記事について。甲子園でもこの調子で報道したら、かなり好感が持てるのですが。

早実の斎藤はなぜ4連投しなければならないのか。
このblogでもっとも多くの人に読まれたエントリでした。今のところ斎藤も田中も大きな故障はないようで同慶の至り。

裏金を受け取るアマチュア野球側には、構造改革は必要ないのだろうか。
高校野球側にもいろんな改革の動きは出てきたようですが、「表に出して制度化」はまだ当分なさそうな感じです。

「756*」。
バリー・ボンズの通算本塁打記録達成に寄せて。結語を書いた時には、まさか彼もお仲間になっていたとは露知らず。ドーピング問題の陰からMLBはなかなか逃れられません。失われたのは10年どころではなさそうです。

禁句。
あまり結果で批判するのは好きじゃないんですが、北京五輪については、この点だけは許し難い思いでした。

代表監督は罰ゲームじゃないんですから。
最終的なセレクトについての感想は、最後の方に書いた通りです。

原辰徳ほどジャイアンツの監督にふさわしい人物などいるはずがない。
最後から2つめの文章は間違っていました。喜ばしいことに。

プロ野球におけるOver35世代の変遷の一例。
ちょっとした発見でした。こういう調査もの、やってみたいことはいろいろあるんですが手間がかかりすぎるのが難。

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満4年とちょっと。

 当blogは、一週間ほど前に開設4周年を迎えました(オンタイムで挨拶しようと思ってたけど、ネットのつながらないところに出張中で書きそびれました)。ここ1年くらいはなかば休眠中のようなものなのに、何か書けば読みに来てくれる皆様にお礼を申し上げます。

 4年というのは長い方なのでしょうか。ついこないだのような気もしますが、考えてみると最初に書いたエントリのひとつはアテネ五輪の感想でしたから、なるほど4年経ったのだなと思います。

 始めた当初は、ブログに対する世の中の過剰な期待感とか、ブログやってる人たちの高揚感をすごく感じた時期もありましたが、それらも一段落して今はわりあい落ち着いてきたようで、気負ったり構えたりせずに居られるようになってきた気がします(ブロゴスフィアと呼べるほどのまとまった世界があるのかどうかは疑問ですが)。
 当時アルファブロガーとか言われて華々しく活躍してた人たちの中には、ブログを足がかりに飛躍していったり(中には、それとともにブログをやめてしまったり)した方も結構おられるようですが、私は特に変わりはありません。実名か匿名かという議論において、どちらかが絶対的に正しいとは思いませんが、こういうことを実生活で仕事に結びつけたいのなら実名で書いた方が良さそうですね。

 私はあんまりここを実利に結びつけようという気がないので、実生活に大きな変化でもない限りは、こんな感じで続けていくつもりです。自分の書いたものをネット上に置いておくことで、いつかそれについて調べようとした誰かの役に立てば、それでいいんじゃないかと思ってます(結果的にグーグルあたりの思う壷なのが癪ではありますが)。

 コメント欄の敷居が高いという声をよく聞くので(そして確かに小煩いレスをすることもありますので)「お気軽にどうぞ」とは言いづらいのですが、気が向いた時には足跡など残していただければ幸いです。

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よいお年を。

 こんな話題にはまだ若干早いのですが、年末年始は留守にしてしばらくアクセスできなくなるので、早めにご挨拶を。

 テレビではすでに年末の回顧番組が相次ぎ、荒川静香の金メダルやWBCの優勝などが流れるのを見ると、あれは今年のことだったっけか、などと遠い昔日のように感じてしまいます。
 トリノ五輪、WBC、サッカーワールドカップ、早実の甲子園優勝とスポーツ界には大きなイベントが目白押しで、当blogもそのような流れに追いまくられたような一年でした。
 これらのイベントを経るごとに、訪れる方や書き込まれるコメントがえらい勢いで増えていき、貴重な情報やご意見をいただいたり、思い掛けない知己を得ることができました。と同時にずいぶんとコメント欄の雰囲気に変化が生じたりもして(たぶんそれは私自身にも影響や変化を及ぼしたのだろうと思います)、blogというものの面白さと難しさを同時に知ることにもなりました。

 秋口から実生活が何かと多忙になったり、blogやインターネットとの付き合い方についていろいろと思いを巡らせているうちに、思い切り失速したまま2006年が終わっていくわけですが、来年どうなるかはよくわかりません。いずれにしても、考えたり書いたりすることをやめるわけではないので、折り合いのつく着地点を見いだせたらいいなと思っています。

 ともかく、これだけ放りっぱなしのblogに今も毎日かなりのアクセスをいただいていることには、ただただ驚き、感謝するばかりです。
 ご来訪の皆様にお礼を申し上げるとともに、皆様がよい年を迎えられることを祈っております。

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